May 24, 2008

BCP(事業継続計画)の動向

 BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)について、今週月曜~水曜の日経産業新聞に連載記事「会社を止めるな BCP支えるシステム」がありました。BCPに関心は持っていましたが、あまり詳しく知らなかったので、勉強になりました。

 5/19(月)の記事では、4月から全日空が24時間監視センターで不測の事態に備える体制を整えたことが取り上げられていました。昨年の障害で回復が大きく遅れたことを教訓にして、体制レベルから対策をとったものです。また、行政や業界団体が発行したBCPのガイドラインが一覧表にまとめられていました (ただし、3月に中小企業庁から出された「中小企業BCPガイド」は載っていませんでしたが)。

 5/20(火)の記事では、災害などでシステムが使えなくなった場合に、他企業のシステムを使わせてもらう協定を結んでおく企業間「共助」の事例が載っていました。これまでは、新聞社間の互助契約の事例(実際に他の新聞社の制作システムを使わせてもらった事例もあり)などが知られていました。また、自治体では、小田原市が防災システムを他の自治体と相互バックアップしている事例が知られていました。 20日の記事では、クレジットカード会社や銀行業界でも、このような企業間共助が広まっていることが示されていました。やはり、一般企業にとってデータセンターの多重化はコスト的に大きな負担ですので、「まさかのため」の仕組みとして、企業間共助を選ぶ企業がこれからも増えると思われます。

 5/21(水)の記事は、ベンダーによる支援サービスに関する内容でした。『非常時こそ「人間系」 重要』というような感じで、「緊急時の指揮支援サービス」というような支援サービスがあったり、「シナリオのない」BCP演習を行なっている企業があったりと、十分な「備え」が必要なことがうかがえます。

 その他、BCPに関する最近の報道で興味深かったのは、次の2つの話。
 ・商工中金や損保ジャパンなど中小企業のBCP策定を資金面で支援
 ・カブドットコム証券、組織体制にもBCPの発想を取り入れた

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February 19, 2008

中小企業IT経営力大賞

 先週、経済産業省が「中小企業IT経営力大賞」を発表しました。経済産業省からの報道発表がありました。日経BPのニュースも出てています。これまで、IT経営百選という名称でしたが、今回は中小企業に絞って募集・選考されました。

 記念式典が、今週木曜(2/21)午後、虎ノ門パストラルにて開かれます。詳細や申込み方法は、IT経営応援隊のページに載っています。表彰式の前に、メリーチョコレート原社長(IT経営応援隊 会長)の基調講演と、事例紹介/パネルディスカッションを聞くことができます。

 結果としては、大賞は、東洋ボデー八幡ねじヤマサキの3社でした。八幡ねじは、雑誌・新聞でIT活用について何回か報道されているので知っていましたが、他の2社は知りませんでした。木曜の記念式典に行く予定なので、その場でよく勉強したいと思います。

 この賞についてブログ検索をしてみたところ、さすがにIT経営力大賞に応募している会社だけあって、IT経営実践認定企業を受賞した企業の中では自社でブログを書いているところが多かったです (特に関西の企業)。各社とも、既に「中小企業IT経営力大賞」ロゴマーク(結構かっこいい)をブログで使っています。なお、IT経営にかなり自信を持っていて、大賞を逃して悔しがっている企業もあるようです。

 私のホームページで、戦略的な情報システムの事例集を作っておりますが、現在は大企業中心です。中小企業についても、詳しい情報が入れば追加してゆきたいと思っています。

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February 06, 2008

コマツのKOMTRAXシステム

 今週月曜(2月4日)のカンブリア宮殿のゲストは、コマツの坂根会長でした。この番組の後半では、コマツのIT活用方法としてコムトラックス(KOMTRAX)というシステムが取り上げられていました。

 このシステムは、結構有名です。日経情報ストラテジー2001年3月「GPS搭載のネット建機で顧客サービスを最優先」、日経産業新聞2006/6/2「建機の遠隔管理KOMTRAX」など、いろいろな新聞/雑誌記事で紹介されていますし、がっちりマンデー(2007年12月16日)というTV番組でも取り上げられていました。なお、他の建機メーカーも同様な取組みを行っていると聞きます。
 このコムトラックスシステムは、顧客企業にとって役立つシステムであることがコマツの顧客向けページに説明されています。GPSと無線(たぶんドコモのDopaのようなケータイメールを機械が発信する仕組み)を使い、コマツから購入した建設機械の稼動状況やセンサー情報を各顧客が分かるのです。同時に、コマツはすべての建設機械の状況が分かるというシステムです。異常や交換時期の情報も分かるので、予防保守等のサービスが可能ですし、コマツにとっては営業にも役立つ情報です。夜中にエンジンがかかると盗難ではないかと警告メールを管理者に送信する、というようにセキュリティにも役立ちます。

 しかし、今週のカンブリア宮殿では、コムトラックスシステムの情報が、コマツの経営の意思決定に役立つことが紹介されていました。これは知りませんでしたので、驚きました。コマツの会社内では大きなスクリーンに、全世界(特に、日本と欧米)でのコマツの建設機械のリアルタイムの稼働状況が表示されています。つまり、どこでどの位稼働しているかが鳥瞰できるのです。建設機械ですので、建設の作業がどの位盛んかということも分かり、そこから景気に関することも分かるというのです。どの地域の稼動状況が落ち込んで、どの地域は堅調か、あるいは、どのモデルが比較的堅調かが分かるわけで、そういうことはものすごく経営判断に決定的、とのことでした。例えば、昨年後半には、アメリカでの売れ行きは落ちているが、1台1台の稼動時間は11月までは増えていた。しかし、12月はちょっと落ちた、という状況から景気感を感じ取るとのことです。役立った例としては、中国政府が2004年に金融引き締めをした際、機械がどんどん止まっているのがコムトラックスで分かったので、すぐに工場の生産をストップした、とのことでした。生産をすぐにストップしていなかったら、不良在庫が多く生まれていたということです。

 この番組のコムトラックスシステムの部分(10分程度)は、来年度、私が担当している「情報化戦略」という授業で学生に見せようと思っています。

 簡単に特許検索してみましたが、コムトラックスシステムに関連する特許としては、次のようなビジネス方法特許(すべて未成立)をコマツが出願していました。
「作業機械の賃貸料算出システム、作業機械の賃貸料算出方法、およびこの方法をコンピュータに実行させるためのプログラム」(特開2003-067658)
「機械の管理支援システム、その管理支援方法およびその管理支援プログラム」(特開2003-178155)
「入出庫遠隔監視管理システム」(特開2005-149003)

[追記] (2008/4/9)
 日経ビジネス2007/6/4号特集 「製造業の進化形 コマツが究める 理と利 7万台の地を這うアナリスト」という記事の中で、コムトラックスシステムについて詳しく取り上げられていました。


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November 28, 2007

NTTデータの「Thank Youポイント」制度

 NTTデータの「Thank Youポイント」制度のことが、本日の日経産業新聞の「余計なお世話大歓迎」という記事の中で取り上げられていました。この表彰制度は、担当を超えて周囲の社員や他部門を支援した社員を表彰する制度です。NTTデータは社内SNSも導入していますが、SNSの画面や技術情報データベースの画面にポイント贈呈用のボタンを設け、SNSや技術情報データベースでの回答が役に立ったら、投稿者にすぐにポイント贈呈できるような仕組みにしているとのこと。

 SNSによるカジュアルなコミュニティ作りと共に、助け合う風土を醸成できるかがポイントでしょう。ナレッジマネジメントが機能するためには、助け合う風土が必要です。ただし、社内のだれかに頼りきってしまうような甘えにつながらないような注意も必要でしょう。

 この記事とほぼ同じ内容が、日経BPの記事のNTTデータ、感謝し合う風土を高める仕組みを導入にも出ています。この記事には、実際のポイント送信・受信の確認画面の例も出ているので、どんな感じで運用かされているかが分かります。

 以前このブログに書きましたように、ANA(全日空)でも、「GOOD JOB CARD」というカードを使って仲間をほめる制度を設けています。

 このような現場が讃え合う制度は、米ダウ・ケミカルのRecognition@Dow(リコグニション@ダウ)などを参考にしているようです。日経情報ストラテジー2008年1月号の特集2「評判が奮起促し、社員力を高める 現場が讃え合う組織」は、このような制度を取っている企業を取材しています。

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November 07, 2007

赤福・御福餅などは、たねやのウェザーマーケティング等を参考にすべき

 赤福・御福餅など、生菓子の偽装の問題が相次いでいます。business-iの記事では、国を挙げ根絶の覚悟で対応すべきを主張しています。

 しかし、単に違法行為をしないように行政が指導するだけでは不十分でしょう。売れ残りを減らすために、情報システムをどのように活用できるか、ということまで指導しないと、このような事件がまた起こってくると思います。

 例えば、生菓子製造・販売会社では、滋賀県の和菓子の老舗たねやのシステムが有名です。ウェザーマーケティングなど、需要予測をがんばっています。日経情報ストラテジー2003年1月に「利益重視に転換し廃棄ロスを半減」という記事があります。また、日経BP「記者の眼」の大企業に負けるな! 中堅・中小企業のための「攻め」の在庫管理術に、次のような解説があります。

 たねやは店舗の在庫を削減するため,需要予測の精度向上に力を入れた。和菓子も晴天になって気温が高いと,のど越しの良い商品が売れる。しかし雨が降れば客足は店舗から遠のいてしまう。ところがデパートやターミナル駅にある店舗は,雨が降っても人通りは変わらず影響が少ない,など立地条件と天候で様々な傾向があることがわかった。そこでたねやは,「くもりのち雨=90」など,過去の経験を基に独自の補正係数を店舗別に算出して需要予測を毎日再計算し,店舗在庫を毎日見直している。

 その他、平成18年度「IT経営百選」には、次のような事例も出ています。
 ・モンテール --- 当日受注、当日生産、当日出荷のJIT生産・販売体制。
 ・三州製菓 --- 多品種少量生産のシステムを構築。安心安全のためのトレーサビリティ・システムを構築。

 赤福・御福餅など製造日の偽装をしてきた企業は、このようなIT事例を参考にしてもらいたいものです。

 ところで、昨日、戦略的な情報システムの事例集のページを更新しました。なかなか抜本的に整理する時間を取れません。とりあえず最新の事例、数十件の追加をしました。

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July 30, 2007

「戦略的な情報システムの事例集」を更新

 本日、戦略的な情報システムの事例集のページを更新しました。今回、数十の事例を追加したところ、全体で500件を超えてしまいました。5年位前の事例もあるので、今後追加する際には整理して、これ以上は増えないようにしたいと思います。

 今回追加した事例の中では、特に、江崎グリコの置き菓子システムオフィスグリコに関する事例(日経情報ストラテジー2007年6月 『1個100円の「置き菓子」商法実現 捨てる発想でブルーオーシャンへ』)がおもしろかったですね。単価の安い菓子の少量販売でも利益を出せるち密な物流・情報システムを確立したもので、菓子については常に新しいものを食べたがる傾向があるため、年間52週分の商品配置計画を作り、3回の巡回で商品がすべて入れ替わるようにしているとのこと。このオフィスグリコの仕組みは、特許出願(特開2004-115256、まだ未成立)もしているようてす。

 5月、この事例集にVOC (Voice Of Customer活動) というキーワードを追加しましたが、今回は、ファンケルの新ヤッホーシステムというVOCシステムと、富士ゼロックス(日経情報ストラテジー2007年5月号)のVOC事例を追加しました。なお、ファンケルの「ヤッホーシステム」の『ヤッホー』は、『お客様からいただいた声にすぐにお答えするとともに、その声を全社に響き渡らせる』というシステムのコンセプトを表現したもの、とのこと。

 その他のキーワードでは、モバイル・SFA・SOAといったキーワードで、複数の事例を追加しました。

 「戦略的な情報システムの事例集のページ」以外に、マーケティング関連の事例も集め始めています。例えば、Wiiの事例などです。このようなマーケティング関連の事例は、今後別なページにまとめたいと考えています。

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July 19, 2007

藤沢市役所で情報セキュリティ研修の講師

 本日午後、藤沢市役所で、市職員に対しての情報セキュリティ研修の講師を務めてきました。このブログに昨年8月にも書きましたように、藤沢市は情報化に熱心な自治体です。昨年、藤沢市は情報セキュリティマネジメント適合性評価基準のISMSを取得していて、情報セキュリティの教育を充実させています。その一環で私が情報セキュリティ研修の講師を受け持つことになりました。昨年は藤沢市内の大学から講師を招いていたようですが、今年は本学(茅ヶ崎市)に藤沢市のIT推進課から依頼があり、私が今月・来月と2回講義することになりました。本日はその1回目でした。

 なお、今月発表された日経パソコンのe都市ランキング 2007でも藤沢市は全国で第二位でした。特に、「セキュリティ」については、ISMSを取得しているだけあってトップ評価でした。また、先月、インプレスのWeb担当者フォーラムに、藤沢市のウェブマスターへのインタビュー記事が載りました。「イントラネットで人気トップ100コンテンツを発表」したりしているようです。

 私は普段いろいろと事例を読んでいますが、実際に先進的なユーザと関わっていると、最新の技術の活用方法や現場の評価が分かるなど、いろいろと勉強になります。

 次の写真は、JR藤沢駅の構内にある列車の形をしたキオスクです。情報セキュリティ研修とは全く関係ありませんが、昼間に藤沢駅に行くことはあまりない(夜に藤沢駅近くで宴会することはよくありますが)ので、写真を撮っておきました。JR駅構内のキオスクは減っている(新聞の自動販売機などに置き換わっている)ようですが、このキオスクは残してほしいです。

Jr_fujisawa

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May 22, 2007

ドコモのCMの傲慢さはCS軽視の経営姿勢に起因

 最近、ドコモのCMに傲慢さを強く感じます。この根本的な原因は、ドコモがCS経営(顧客満足度を重視した経営)をしていないことに起因していると感じています。

 反撃してもいいですか?というキャッチコピーは、熱烈なドコモファンだったら、小気味良く感じるかもしれません。しかし、たっぷり利益を出しているのに通話料を値下げしようとしないドコモに、共感する人は少ないでしょう。かつては1兆円を超えていたドコモの営業利益ですが、2007年3月期(予想)では減ったとはいえ、それでも7,735億円。純利益も4,573億円と、まだまだ儲けていますので。どうしても「反撃」を表に出したいのであれば、例えば、ドコモダケ一家が、予想外犬のような犬にいじめられていた後、家族で協力して反撃に出る、といったシナリオであれば、ケータイ利用者に少しは共感を感じてもらえるかもしれません。

 他のブログでも、earlybirdさんのブログにNTT ドコモのDoCoMo 2.0 自爆 CM「反撃してもいいですか?」の傲慢とカン違いというきつい批判や、そこへトラックバックしているブログにも厳しい意見が幾つか出ています。また、大前研一氏も「ニュースの視点」のトヨタの“謙虚さ”とDoCoMoの“傲慢さ”から見える経営の本質の中で批判しています。

 日経産業新聞2007/5/17によると、ドコモ社長はナンバーポータビリティの失敗を「イメージ戦略で失敗した」と見なしているとのこと。そのため、過激なCMで注目を得ようとしたようです。しかし、根本的な問題は、ドコモが利用者の顧客満足度をしっかりと捉えようとしていないことにあると考えます。ドコモのトップは、顧客満足度が低いことを認識できていないのです。ドコモのトップよりも、回りに学生の多い私のほうが、ドコモの顧客満足度が低いことを理解できているのかもしれません。ドコモには、「顧客の声や不満」を経営陣まで伝える仕組みが無いのでしょう。

 情報システムでいうと、NTTドコモのデータウェアハウスを活用した管理会計と情報分析は評価が高いです。DREAMSというシステムで、全業務システムのデータを集めてデータウェアハウスで一元管理して管理会計をきちっと行っています。日次決算により、2日前までの損益情報はすべて集計しています。この辺りは、NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦という本に詳しく載っています。また、そのデータウェアハウスから、様々な分析を行っています。分析力のマネジメントという本でも、ドコモの情報分析の取り組みを高く評価しています
 しかし、データウェアハウスをどのように活用しているかというと、顧客の行動を予測し、解約を防ぐ(CIO誌の記事)によると、チャーン解約(他社に乗り換えるための解約)が増えそうな顧客セグメントをデータマイニング技術でいち早くキャッチして、そのセグメントに対して引きとめ策を打っている、ということです。解約の芽を早期に摘むことで、大きな痛手にならないようにしているわけです。つまり、利用者の満足度はあまり重視していないのです。利用者の満足度は低くても解約さえされなければドコモはいいのです。このような姿勢が、ナンバーポータビリティで大敗する結果につながったと言えるでしょう。

 顧客満足度で劣っているのに、広告戦略だけではどうしようもありません。ソフトバンクモバイルは、テレビCMの主役に「ホワイト選手」や「予想外犬」を抜擢して広告制作費を圧縮するなどの経営努力で、通話料の安いプランを出していることを、多くの利用者は分かっていると思います。それに対して、今回ドコモは8人もの有名タレントをCMに起用したことから、当分は通話料の値下げを期待できないと感じる利用者も多いでしょう。その点からも、今回のドコモの広告は、とても能天気だと感じます。

 また、最新の電車の中刷り広告で、新しくCMに起用した8人のタレントの写真を載せた横に、「全員のフルネーム、きちんと言えますよね?まさか・・・。」と書いているのも傲慢に感じます。「ドコモ様が、せっかくCMに選んだ有名タレントなんだぜ。出演料は超高いんだぜ。それなのに、名前も知らないの?」と言いたげです。利用者にとってはカチンときます。

 このようなCS(顧客満足度)軽視の展開をしていると、ドコモさんこそ、ご覚悟くださいと警告したくなります。ドコモは、自らを省みる姿勢を持つことが急務だと感じます。

[追記] (2007/5/27)
 Forbes日本版の最新号(2007年7月号)に、NTTドコモの中村社長と一橋大の佐山教授との対談が載っていました。その中で、ドコモ社長は「社員の満足度」を高める方針であると言っています。ところが、「顧客満足度」という言葉は全く出てきません。従業員満足を高めようとする企業(ルミネや加賀屋など)は、一般に、顧客満足度の向上につなげるために従業員満足も高めようとします。ところが、ドコモは違うようです。ドコモの経営姿勢の問題は根深いと感じました。

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May 18, 2007

データウェアハウス & CRM EXPO、Web2.0マーケティング フェアなどを見てきました

 本日、有明の東京ビックサイトで開かれたReedの展示会(データウェアハウス & CRM EXPOWeb2.0マーケティング フェアダイレクト マーケティングEXPORFIDソリューションEXPOなどの合同展示会)に行ってきました。

 幅広く情報収集してきましたが、リコメンデーション/パーソナライゼーションツールとテキストマイニングツールが収穫でした。

 リコメンデーション/パーソナライゼーションでは、ALBERTの各種リコメンデーションサービス、チームラボのレコメンデーションエンジン・セレクトウェアVisionaryのコンテンツパーソナライズ機能を、実際にデモで見て詳細を質問することができました。Webで見るだけでは、そのような技術を使っているかが良く分からないことがあるので、このような機会に技術者に質問できるとよく分かるのでありがたいです。

 テキストマイニングでは、NRIのTrueTeller以外に、2つの会社の製品を見ました。日立東日本ソリューションズのCoreExplorerと数理システムのText Mining Studioが展示されていました。今日の展示会では見ませんでしたが、SPSSのText Mining for Clementineもあります。というように、いろいろとテキストマイニングの製品が出ています。

 NRIのTrueTellerでは、VOC活動(顧客の声を経営に生かす活動)のために、顧客の声を収集・分析するだけでなく、課題の解決に結びついているかの状況を可視化して共有するツールTRUE TELLER 課題管理システム(アクションボード)も展示して、「顧客の声ポータル」を構築できることをアピールしていました。このように、VOCというキーワードが多く聞かれるようになりました。

[追記](2007/5/19)
 展示会で見つけた リコメンデーション/パーソナライゼーション製品の情報を、Web 2.0的な技術の動向のページに追加しました。

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May 05, 2007

「戦略的な情報システムの事例集」を更新

 本日、戦略的な情報システムの事例集のページを、約2カ月ぶりに更新しました。

 今回は、キーワードに「VOC (Voice Of Customer活動)」を追加しました。これまで、この分野の事例として、富士ゼロックス(日経情報ストラテジー2007年5月号にも)や東芝の事例はありましたが、最近、JCB資生堂の事例も出てきましたので、キーワードとして独立させました。なお、コールセンター運営大手のトランスコスモスが、先々月、顧客の声(VOC)分析デスクサービスというサービスを発表していますね。そのように、コールセンター業界では、VOCの注目度が高まっていますので、今後VOC活動を始める企業が増えるかもしれません。

 BI(ビジネス・インテリジェンス)関連の事例も増えていて、福岡銀行で自動審査のモデルを内製化した事例や、東武百貨店の顧客情報データウェアハウスの事例を追加しました。

 モバイルの事例では、ノエビア(常盤メディカルサービス)の置き薬用システムや、積水化学工業の携帯電話を活用したリフォーム提案システムや、ヤクルトの営業支援システムなどを追加しました。このようなモバイルシステムの事例は珍しくなくなりましたが、画面例が出ているものは参考になるので、なるべく追加しています。

 この事例集の更新は、なかなか手間がかかります。5-6月は、学会発表などもあり忙しいので、この事例集の次の更新は7月になりそうです。

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February 15, 2007

「データウェアハウス」という大学院の集中講義を担当

 所属する大学の講義と試験はほぼ終わりました(明日の再試験を残すだけです)。

 しかし、先月から今月にかけて、母校の夜間大学院 筑波大学大学院ビジネス科学研究科(GSSM)において「データウェアハウス」という集中講義で社会人学生を教えていて、まだ余裕がありません。その集中講義は、1日2コマで5夜講義しますので、計10コマです。ケースを深読みすることを通して、最終的には、企業がデータウェアハウスをどのような戦略に基づいて、どのように導入・活用するべきか、を考えさせるような授業にしました。ご参考までに、授業の構成をまとめておきます。

1日目 (1/24)
 データウェアハウスの歴史や技術の概要を中心に学習。MIS/DSS/SIS・CRM/SCM・IT投資などのIT経営の基本、RDBやBI(OLAP)ツールの概要、RFM分析やデシル分析などの顧客分析方法も。

2日目 (1/31)
 流通の情報化の概要とデータウェアハウスの事例を学習。
 ウォルマートの事例は、「ウォルマートに学ぶデータ・ウェアハウジング」という本や、流通雑誌の「リテールリンク」に関する記事を利用。
 セブンイレブンの事例は、日経コンピュータの「セブンイレブンの研究」などを利用。

3日目 (2/10)
 NTTドコモの事例を中心に学習。NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦(経営システム研究会、日刊工業新聞社、2004年)や、顧客の行動を予測し、解約を防ぐ(CIO誌)などを使って、データウェアハウスの狙いや活用方法について学習。
 また、JCBやクレディセゾンなどのクレジットカード会社の事例も学習。

4日目 (2/14)
 銀行のデータウェアハウス活用として、鹿児島銀行青森銀行東京三菱銀行名古屋銀行の事例を紹介。
 病院のデータウェアハウス活用として、岐阜大学附属病院や、鹿児島大学附属病院のDPCBANK(第9回情報システム大賞で経営改革賞受賞)の事例を紹介。また、メーカーのマーケティングでの活用事例も。
 経営面の文献として、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー2006年4月号の分析力で勝負する企業(T・H・ダベンポート)を紹介。既に授業の中で様々な事例を学んでいるので、このような論文を参考にして、データウェアハウス/BIの導入目的や活用方法などのポイントを各自まとめてもらうことをレポート課題にしました。なお、このダベンポートの論文では各事例はとても簡単に述べられているだけですが、来月刊行される予定のCompeting on Analytics: The New Science of Winning (Thomas H. Davenport, Jeanne G. Harris)では、事例がもっと詳細に記述されているらしいです。私は早速、Amazonで予約しました。

5日目 (2/21) --- 予定
 次のような内容を予定しています。
 ・経営におけるデータウェアハウスの重要性
 ・データウェアハウス/BIに関連した研究
 ・今後のデータウェアハウス/BIの課題・展望
 ・ディスカッション

 社会人学生は学習の熱意が高くて、こちらも力が入ります。

[追記](3/1)
 授業を終えた後、分析力のマネジメントという本を読みました。SAS Instituteの人が書いた本なので、SASの宣伝かと思っていましたが、BIを効果的に導入するためのまずまずの方法論だと感じました。SASでも、ドコモの事例での情報分析の取り組みを高く評価しています。また、この本の中の「情報はビジネスの副産物ではなく血液である」(P.30) という表現は特に気に入りました。
 それと、Davenportの最新本"Competing on Analytics"が昨日(2/28)届きました。3月出版の予定が早まったようです。こちらは、ぼちぼち読み進める予定です。

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November 20, 2006

「戦略的な情報システムの事例集」を更新

 土曜日に、戦略的な情報システムの事例集のページを、約3カ月ぶりに更新しました。

 載せた事例は、合計で430を超えてしまいました。なかなか整理しきれないので、「重要」という項目(列)を設け、自分が情報化戦略等の授業の中でケーススタディとして利用した事例を中心に、約2割ほど選び出しました。授業や自己学習で使う事例を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

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August 28, 2006

藤沢市の情報化について

 本学は茅ヶ崎市にありますが、藤沢市にも近く、藤沢市側(湘南台近辺など)に下宿している学生も多く、藤沢市とはいろいろと関係が深いです。

 神奈川新聞(カナロコ)のサイトに、昨日付けの記事として、藤沢市が市民参加型の防災システム実験を始めることが載っていました。防災システムにGISシステムを導入している自治体は多いですが、市民参加というのはあまり聞きません。災害時にWebサイトで迅速に情報を提供できる仕組みが重要ですので、住民参加というのは効果的でしょう。

 藤沢市は、e都市ランキング2006において全国で2位になっているなど、情報化についての評価は高いです。例えば、今年から税金のクレジットカード納付を開始(全国初)し、軽自動車税について実証的にクレジットカード納付ができるようにしています。

 藤沢市は市民電子会議室で特に有名てあり、eデモクラシーへの挑戦―藤沢市市民電子会議室の歩み(金子 郁容 著)という本にもなっています。

 なお、他に近辺で自治体の情報化で有名なものとしては、横須賀市の電子入札システム、小田原市の防災情報システム(他の自治体と相互バックアップ体制)などがあります。私の情報化戦略(2年生向け)の授業では、行政/自治体の情報システムを講義する際には、身近な例として、藤沢市や横須賀市などのシステムを紹介しています。

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August 17, 2006

「戦略的な情報システムの事例集」を更新

 本日、戦略的な情報システムの事例集のページを、約5カ月ぶりに更新しました。春学期の授業期間中は、全く余裕がなくて更新できませんでした。雑誌では、日経情報ストラテジーやCIO誌の事例を中心に、日経コンピュータ2006/5/29号のセブンイレブン特集や、日経ビジネス2006/5/22号のしまむらの特集などを加えました。ネットに出ている事例では、日経BPのサイトのものや、主なベンダーのサイトから興味深い事例を選んで加えました。最近の事例は、発行日付を赤色にしているので、新しいものだけ知りたい方は発行日付が赤い事例のみを見てください。

 約40ほど事例を追加したため、合計で400を超えてしまいました。整理しようと思っていましたが、できそうにありません。冬場に整理したいと思います。

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July 27, 2006

「情報経済」と「ユビキタスエコノミー」

 省庁によって、情報技術の発展や利用がどのように経済活動と関係してくるかの表現や考え方に違いがあります。

 経済産業省は、数年前から情報経済という表現をしています。先週、経済産業省から産業構造審議会 情報経済分科会の報告書として、「情報経済社会の課題と展望」~『情報経済・産業ビジョン』のフォローアップ~が発表になりました。ITの戦略的導入、ITを利用した産業の発展などがテーマです。これらの内容は、今年の情報化白書に盛り込まれることでしょう。その報告書の一部はパブリックコメントを受け付けています。私は、IT知財の活用に関して、少し異論を感じましたので、コメントを出すつもりです。

 総務省は、今月4日に発刊した情報通信白書で、ユビキタスエコノミーという表現を使い始めました。こちらは、インフラの発展から将来的な経済の発展につながるというビジョンを提唱している感じです。経済産業省は漸進的に経済を見ている感じですが、総務省はもう少し先を見ている感じです。なお、総務省では、ITでなく、C(Communication)を含めてICTと呼んでいます。やはり、通信を軽んじてもらいたくないのでしょう。

 私としては、IT活用の将来像を2つの面からとらえるべく、情報化白書と情報通信白書を1つにまとめてもらいたいのですが、省庁再編がないと難しそうです。

 春学期の授業が終わり、後は今週土曜の試験と採点だけになりました。ただし、書籍の校正、論文査読、HP更新もしなければいけないので、暇というわけではありません。といっても、かなり楽にはなりましたので、今週からは週2回位ブログを更新できそうです。

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May 10, 2006

西松屋チェーンの「緯度作戦」

 昨夜のテレビ東京のガイアの夜明けは、ファッションも鮮度が命~流行をすばやく追いかけろ~というテーマでした。その中で、スペインのアパレルブランドZARAや、10代~20代の若い女性向けのブランド 「ハニーズ」の話もおもしろかったですが、私が一番関心を持ったのは子供服の西松屋チェーンの話でした。

 西松屋チェーンが今年から本格的に始めた緯度作戦とは、夏物でいうと、沖縄では3月には半そでシャツが売れ始めるため、まず、沖縄で多くの種類の半そでシャツを売り出し、その売れ行きを見て、その年の夏物商品の流行を予測する。そして売れ筋になると予測する商品だけを中国の工場に大量に追加発注する。その商品が届くまでおよそ1ヵ月であるため、本州で半袖が売れ始めるゴールデンウィークには売れ筋になりそうな商品を大量に店頭に並べることが出来る、という作戦でした。

 西松屋チェーンについては、日経情報ストラテジー 2006年1月や日経MJなどの記事で、本部が全店の在庫を集中管理する方式を取ることがよく知られています。本部の在庫管理担当者が、仕入れた商品を各店舗へ割り振ったり、値下げ・店舗間移動・返品の指示を店舗に出したり、本部が棚割りまで指示するようです。そのような方式で店舗でのオペレーションを極限までローコストにしているわけです。

 そのようなローコストオペレーションに加えて、緯度の差を利用して本部でいちはやく分析して全国規模で売れ筋を売ろうとすることにより、ロープライスの子供服のビジネスにかなりの競争優位をもたらすでしょう。

[追記]
 日経MJ 2006.1.30 に記事がありました。2007年2月期には、売れ筋商品を早期に見極めることで、シーズン中の追加仕入れ比率を20%に引き上げ(5%→15%→20%)、販売機会ロスと在庫リスクを抑える方針。
 春物衣料なら、北緯30度前後の沖縄・鹿児島・高知の30-40店舗のPOSで売れ行きを確認。秋物衣料では北海道の約20店で売れ筋を見極める、とのこと。

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April 21, 2006

ビジネスゲーム(2)

 昨年7月にゼミでビジネスゲームを行なったことを書きましたが、今週のゼミ(3年生向け)でも電卓でできるビジネス・ゲームの中のビジネスゲームを行ないました。

 今回は、「ピストロ・マネジメント」と「製造業者と小売商」を行ないました。まず手始めに「ピストロ・マネジメント」は4グループに分かれて行いました。その後で、「製造業者と小売商」は個人戦で行ないました。14名の学生を、製造業者5名と小売商9名に分けました。今週は3年生にとってはまだ2回目のゼミであり、ゼミ生がまだ互いに話をしていなくて固い雰囲気であるため、ゼミ生間で話し合ってもらいたかったので、このようなゲームをしたのです。ちなみに、昨年度の2回目のゼミの時間ではディベートをしました。

 「製造業者と小売商」については、オフィス・DOMEXのビジネスゲームの研究のページでも、「交渉型だから集団でやるにはちょうど良い。」というコメントがあります。

 反省点としては、もう少しゲームの意味(製造業者は損益分岐点を意識すること、小売商はこれまでの販売実績からの仕入れ戦略と価格戦略を立てること)について、詳しく説明してからゲームを行なったほうがよかっと思いました。数分位は説明したのですが、ちゃんと資料を作って20分程度説明したほうがよかったでしょう。意味を理解して熱心に考えている学生と、あまり意味を理解せずに何となくゲームに参加している学生がいましたので。また、Excelシートをプロジェクタで表示しながらゲームを進めたのですが、表示が小さくて学生が見えづらかったようです。パソコン教室(各自がPCで途中結果を見ることが可)で行なったほうがよかったかもしれません。

 なお、「製造業者と小売商」では少し式を変えました。潜在的売上数量に、平均価格が関係するよう、68ページの2行目の式を次のように変更しました。ゼミの時間に使ったExcelシートをアップしておきます。
 潜在的売上数量 = (前期の売上数量÷3)+4000-価格+(平均価格-価格)/3

 このゲームの設定をもっと複雑にしてもいいかもしれません。例えば、「ピストロ・マネジメント」でカフェバーの販促手段としてどのバンドを入れるかを選択できるように、小売商がおまけ等の販促手段を選べるようにしてもいいでしょう。

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March 29, 2006

ICタグの活用事例(3)

 3月10日のRETAILTECHの展示会報告のエントリで日本版フューチャーストア実験でのICタグの使い方のことを少し紹介しました。また、昨年8月5月にも、ICタグの事例をまとめました。
 今回は、それ以外の最近のICタグ事例をまとめてみました。行政の補助を受けた実証実験が多いため、年度末に近づいて実証実験の成果報告の発表が多くなっています(年度内に予算消化し実証実験の成果も出さないといけないのでしょう)。利用されているICタグの種類では、通信距離の長いUHF帯の利用が多いようです。

 まず、一番の話題はヨドバシカメラです。ヨドバシでは、今年5月からICタグを利用して、メーカーが製品をヨドバシに納入する際の検品作業を効率化するシステムを本稼働させる予定です。日経コンピュータ 2005/10/31号に、迫り来るヨドバシ・ショックという記事があります。実験段階を経ないで、実運用に入るようです。丸紅子会社のマイティカードがUHF帯のICタグシステムを納入

 出版業界のICタグ利用は、日本出版インフラセンターが2007年からの実運用を目指して、実証実験をしています。平成16年度電子タグ実証実験結果が公開されています。最近は、日本レコード協会と共同で経済産業省の支援による電子タグ実証実験を行ったようです。リリースによると、この実証実験ではUHF帯と13.56MHzの電子タグを使っています。
 新星堂は、上記の実証実験にも参加していますが、ブエナビスタホームエンターテイメント(ディズニーのDVD販売部門)・アクセンチュアと共同で実験も行っています。こちらは、どの商品がどれだけ顧客の手に取られたかを正確に把握できるようにして、顧客の迷いを認識(顧客が手には取っているが購入にまでは至っていない商品を特定)できるようにした試み。

 東京シャツと丸紅は、UHF帯ICタグを商品管理に用いるための実証実験を、東京シャツの八重洲店で行っている。実験期間は2006年2月1日から6カ月。業務効率化のポイントは、(1)入荷時の検品処理、(2)売り上げ精算、(3)棚卸し作業。棚卸し作業は、バーコードを使う場合、八重洲店にある約3500点の商品の棚卸しにのべ8時間かかっていたが、これを今回の実験では、のべ1時間を目指している。日経RFIDテクノロジのコラム(第1回)(第2回)(最終回)あり。
 YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は、ICタグを用いて、青山商事が取り扱うスーツの生産から販売までの工程を管理する実証実験を行なった。青山商事は、実用化が見込めれば2007年にも全店舗に導入する意向。実験中の記事あり。顧客は情報端末でICタグからスーツの情報を引き出しながらコーディネート可能。

 海外の事例として、ジレットとメトロの事例が日本でも紹介されています。
 CIO Onlineに、米国でのジレットの事例がありました。ジレットは、ウォルマートのRFIDパイロット・プロジェクトに参加していますが、RFID連携で製造・流通プロセスの改革に挑んでいます。ICタグにより、ウォルマートの配送センターや店舗に商品が到着したことをチェックできるだけでなく、店舗の倉庫から販売フロアへ商品が移動したこともジレット側で知ることができる、というのはメーカーにはありがたいことでしょう。
 日本でも参考にしたドイツのメトロのフューチャーストアは、CeBIT 2006という欧州の展示会の出展で、Future Storeの実店舗で試験運用しているものを展示しました。さらに、ICタグが製品に付いて家庭でも利用されることを見越してか、ユーザー宅でのICタグの活用事例も紹介しているとのこと。これまでのメトロのフューチャーストアの試みについては、日経BPリアルタイムリテールの解説があります。

 食品関係では、やはりトレーサビリティの用途で利用されることが多いです。
 T-Engineフォーラム(代表:坂村健東京大学教授)が農林水産省などと共同で進めているユビキタス食品情報基盤システム実証事業が、三越・生協・サミットで行なわれました。サミットの実験では、肉や魚のパックを個別に追跡可能になったとのこと。
 日本酒の配送温度を適切に保つために、NTTデータ、トッパン・フォームズ、日本アクセス、日野自動車によるICタグ実験を3月27日から4月10日まで実施。日本酒の箱にアクティブ型で300MHz帯のICタグを付ける。輸送中にICタグに温度データを書き込むのだと思っていましたが、そうでなく、NTTデータのセンターに温度/湿度センサーのデータを常時送信するようです。ビンに付けるICタグは商品管理用で、センター側で各箱の温度状態データと結びつけるとのこと。それならば、なぜアクティブ型か、という疑問が生じますが。
 マテリアルフローのサイトに青果物EDI協議会のRFID活用トレーサビリティ実験の記事がありました。「ちば2004年アクションプラン実験事業」の一つとして、「千葉ブランド」農産品の確立を狙ったもの。
 菱食の広島フルライン物流センターでは、ICタグ付きのクレート(通い箱)を採用することで物流の効率化、誤配防止を狙っています。

 メーカーでの生産管理や在庫管理での利用も増えています。
 日経産業新聞2006.1.12によると、コマツは2006年度中に国内の全ての建設機械工場にICタグ(荷札)を使った生産管理システムを導入。部品を運ぶ台車やパレットにICタグを取付けて、部品ごとに細かく生産状況を把握。どこで部品が滞留しているかなどを突き止め、生産効率の改善に役立てる、とのこと。
 富士ゼロックスは、日中韓サプライチェーンにおける電子タグ実証実験で、製品、ケース、パレット、コンテナなどにUHF帯のICタグを貼付し、グローバルサプライチェーンにおけるモノの可視化、品質トレーサビリティの確保、受発注などの基幹システムとの連動におけるICタグの効果を検証。
 ヨークスは、手袋の生産管理にICタグを利用したシステムを導入。ICタグを使って手袋製品の進捗状況をリアルタイムに確認できるとのこと。
 リンタツは、ステンレスの在庫管理向けにICタグを利用したシステムを導入。出荷時の作業時間が半分になり,棚卸しにかかる時間も60%削減できるようになった、とのこと。

 ICタグに関するブログとしては、Ubicomp+Shoppingブログに、いろいろな事例や技術動向の情報が多く出ています。

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March 22, 2006

「戦略的な情報システムの事例集」を更新

 本日、戦略的な情報システムの事例集のページを、約5カ月ぶりに更新しました。さぼっていたため、更新が延び延びになっていました。約30ほど事例を追加したため、合計で377事例となってしまいました。多くなり過ぎたので整理したかったのですが、春休み中には無理そうです。夏休みの宿題になりそうです。

 この事例集は、研究や教育のために役立ててもらうことを一番に考えています。同じ大学のある教員の方は、このページをExcelで編集し、オートフィルタして必要な事例を探している、と言っていました。研究や教育で使う方々には、そのように、必要なものを選ぶような使い方を想定しています。また、いろいろなIT企業の方々にも使っていただいているようです。最近、ある大手IT企業の方(面識のない方)から、urlが間違っているとの指摘を受けたり、あるソフトウェア会社の方から、「リンクしていいですか?」(よく聞くとイントラネット内から)という質問を受けたりしています。

 最近、Google Newsのようなニュースアグリゲータが、著作権問題で物議をかもしています。そのため、「人力の事例アグリゲータ」としては、事例の内容を抜粋したりまとめている部分の著作権は、その事例の著作権者に帰属することを明記しておきました。再利用された場合にやっかいな問題が生じるのを避けるためです。なお、全体として見ると、私のデータベース著作物と言って間違いないでしょう。

 最近、ランディスという会社が、事例ナビというサイトを作り、5月下旬に正式にオープンの予定とのことです。日経BPの記事で知りました。初年度で5000事例の掲載が当面の目標とのこと。がっばっていただきたいです。

 事例を集めている身からは、各雑誌や各サイトが、事例の概要をCaseXMLとでもいうような標準形式でネットに公開してもらえるとありがたいです。また、追加/更新した場合には、RSSで発信してもらえると処理しやすいです。このような標準化を期待したいですが。。。

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March 10, 2006

RETAILTECH JAPAN 2006の感想

 昨日(3月9日)、ゼミ生3名と、有明の国際展示場で行われているRETAILTECH JAPAN 2006という展示会に行ってきました。私のゼミでは、eビジネス以外に、流通の情報システムも学ばせるのですが、座学だけでは実感が得にくいので、このような展示会に連れてきているのです。

 まず、東芝テックや富士通フロンテックなどがセルフレジを展示していました。数年前にこの展示会で展示している会社はありましたが、今回は実際に使ってみている人が多かったです。そのため、日本でも普及しそうな予感がしました。NIKKEI NETの記事があります。

 また、大手ITベンダーはそろって、買い物用カートに情報端末搭載を搭載したものを展示していました。富士通・イオン・大日本印刷がジャスコで日本版フューチャーストア実験中のお買い物ナビカートは、ICタグ付きの棚札にICカードリーダをかざすことで商品情報などを情報端末に表示できます。NECも情報端末の買い物用カート(買い物客の動線の記録も可能)を出展していました。NIKKEI NETの記事があります。見落としましたが、日立製作所も「センサーカート」(試験段階の製品) を出展していたようです。しかし、コストの問題がありそうなので、これらの普及はまだ少し先になりそうに感じました。

 「お買い物ナビカート」以外にも、他の「日本版フューチャーストア」(経産省の電子タグ実証実験)の展示も興味深かったです。ファミマ三越で行われている実証実験が、ゼミ生には好評でした。日本版フューチャーストアについては、Internet Watchの記事もあります。

 商業施設などで案内や巡回を行なうためのロボットenonが展示されていました。このロボットは、これまでテレビで見たことはありましたが、実際見てみると動作が結構かわいかったです。ゼミ生の女子学生も気に入ったようでした。尋ねられた商品が置いてある場所を示すのに、今のところは向きで知らせるだけですが、将来的には商品が置いてある場所まで案内するとのことでした。

 日立のミラグラフィ(ミラー型ディスプレイ)に、電子タグから製品情報を映し出すデモもおもしろかったです。アパレル商品であれば、その商品と合いそうな他の商品も映し出すような使い方も想定しているようでした。昨年9月の自動認識総合展では、シャツに合うネクタイを鏡に自動表示するデモをしていたようですが、今回の展示会では、そのデモは見れませんでした。

 その他では、流通システムの価格破壊のガルフネットが興味深かったです。SLAがどうなのか少し気になりますが、勤怠・売上・発注管理をまとめてASPで1店舗あたり月2万円と格安です。また、POSとケータイへの販促をつなげるiPOSは、現場からいち早くプロモーションができるというユニークな考え方だと思いました。自動発注やカテゴリーマネジメントの出品もいくつか見かけました。流通では一般的になってきたようです。

 私はざっとしか見ませんでしたが、隣で開催されていたIC CARD WORLDに関してはInternet Watchの記事があります。大学教員としては、FCFのICカード(キャンパスカード)を使った大学向けのソリューションが興味深かったです。

 出版物では、Chain Store Ageを発行しているダイヤモンドフリードマンから、Retail Technologyという別冊が出ていました。これは最新の話題がよくまとまっていました。また、Retail Technologyという情報サイトも、4月にオープンするとのことなので、期待したいです。

 RETAILTECH JAPANは、最終日でないのにかなり混雑していました。流通での積極的なIT活用は当たり前になったのだと感じました。会場では、中国語を話している人もかなり見かけました。中国からも注目されているようです。

 これらの情報は、近いうちに私の物流・流通(eビジネス・eコマースの動向と技術)のページに反映させます。

 昨日のうちにアップするつもりですが、ココログのメンテナンス作業の不具合から、遅くなってしまいました。

 本日、卒業者の発表がありました。私のゼミの4年生は全員、卒業分の単位を取得でき、無事卒業できることになりました。卒業おめでとう!

[追記](2006/3/11)
 食品スーパーマーケット最新情報ブログでRETAILTECH JAPAN2006のセルフレジのことが取り上げられていました。「セルフレジを使う顧客の目的は、店員や他の顧客に買い物の中身を見られたくないという心理が強く働く」とのことです。そのような面には気が回りませんでした。普及する上で、大事な点かもしれません。

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March 05, 2006

JALの中期経営計画に関して

 3月2日に発表されたJALの中期経営計画に関しての感想です。

 私のゼミから今年JALグループの企業に就職する学生もいるため、JALには是非がんばっていただきたいと考えております。また、以前JAL対ANAの特許問題を調べたりし、航空業界の情報システム利用には関心がありました。そのため、私は航空業界の事情にはあまり詳しいほうではないですが、中期経営計画への感想を考えてみました。

 まず、中期経営計画のリリース文にはないのですが、計画本文(PDF)には最初にあがっている「企業文化・意識改革の推進」はとても望ましい施策と感じました。この施策はあまりマスコミには報道されていませんが、サービスマネジメントでは「フロントライン」が最重要です。サウスウェスト航空のような事例を参考にして、ぜひ企業文化・意識改革を推進してほしいです。また、組織図を「逆さまのピラミッド」にするといった施策は、トップが言い出さないとできませんので、トップのリーダーシップが大切です。

 システム基盤強化の項目として、eビジネス関連やイレギュラー対応能力強化があがっていますが、イールドマネジメントへの情報システムの活用も積極的に考えたほうがいいかと思います。例えば、ANAは、PROSというシステムで、1便当たりの収益を最大化するために、最適な運賃(割引や団体も)やその座席配分を自動的に決定するシステムを導入し、導入前と比べ約80億円の増収効果(2004年)をあげています。また、ANAは最適機材配置モデルのための「ウイークエンドFAM」というシステムで、平日・週末における路線便数計画や運航機材の使い分けなどを実施して効果をあげています。具体的には、平日に出張客が多い路線で使う大型機を、週末にはリゾート地への路線の機材と交換して使うなど策をとっています。このようにANAでは情報システムの活用で収益向上に効果をあげているので、JALでも早急な対応が望まれます。

 JALでは、地方空港からリゾート地への国際線で、搭乗率がかなりよくても、収益が悪くなって撤退する路線がいくつかあったようです。これは、運賃の安い団体客が多く、ビジネス需要が少ないため、客単価が低いためのようです。このような路線では、上記のような機材の効率的利用や情報システムを活用しても利益が出ないようであれば、子会社に格安航空会社を設立して、その子会社に運航させることも考えてもいいと思います。需要はあるのですから、サービスの質を落としてでも、安易に撤退せずに路線の維持を図るべきでし