February 09, 2017

ワークマンのデータ経営など(JASMINプラクティショナーセミナーより)

 昨日(2月8日)の夜、経営情報学会が主催した第6回 JASMINプラクティショナーセミナー「ITがもたらすビジネスの変革」を聞いてきました。そこでは、ワークマン 常務取締役 IT/ロジ担当 土屋 哲雄氏、株式会社スマイルワークス 代表取締役社長 坂本恒之氏の講演をお聞きすることができました。
 特に、ワークマンの土屋常務取締役のお話が興味深かったです。組織的なデータ分析力を高める組織戦略で、新業態への進出や5年間で従業員の平均年収を100万円アップなどの目標に挑戦していて、すごい企業だなと感じました。データ経営では3層の能力開発を行っていて、社員全員にExcel関数レベルの能力を付けるべく底上げを図っているとのことでした。一番上の能力としては、デザイン思考力の能力開発までも狙っているとのことでした。

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 スマイルワークス坂本社長のお話は、スマイルワークスの戦略が中心でしたが、Freeeが特許侵害でマネーフォワードを訴えた件(12月にこのブログで取り上げた件)についてのお話もありました。スマイルワークスは決して、この特許を侵害していないとのことでした。

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August 01, 2014

特許庁システム開発中断でベンダー側から支払い代金の返還がありましたが

 今週月曜、毎日新聞のサイトに特許庁システム開発中断:東芝子会社など2社56億円返還というニュースが報じられました。東芝ソリューションとアクセンチュアが受注して、途中まで開発が進んで約55億円の支払われたのですが、2012年に中断が決まった開発事例です。その後、特許庁が返還を求め業者側と協議した結果、全額に利子などを加えた計約56億円を2社が支払い、契約を解除することで合意し、既に納付を終えているとのこと。私が担当する科目の中で、「動かないコンピュータ」の典型的な例として紹介している事例ですが、裁判にはならずに、ベンダー側が返還して終結したようです。ただし、計画が大幅に遅れたため、特許庁はその賠償まで求めてもよかったと思います。

 なお、スルガ銀行の事件など、情報システムが完成しなかった場合には裁判になっている例が多いです。裁判になれば、どちらの何が問題だったかがはっきりします。

 特許庁システムでは、要件定義を途中で大きく変更するなど特許庁側の問題もあったようです。ですので、どちら側のどんなところが悪かったのかはっきりさせたほうがよかったと思います。ITPro(日経コンピュータ)の2012年の特許庁システム開発中止、開発費全額返納のなぜという記事でも、より透明性のある紛争解決プロセスを確立する必要があると指摘されています。


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February 19, 2011

ITパスポート試験のCBT方式でのリハーサル試験を受験

 先日、ITパスポート試験のCBT方式でのリハーサル試験を大手町の日経ビルで受けてきました。これは、昨年末にIPAが発表したITパスポート試験へのCBT方式導入に向けたリハーサル試験の実施についてという中で募集があった無料のリハーサル試験です。今年11月からITパスポート試験がCBT方式に変わることが決まっているのですが、私は大学でITパスポート試験関連の科目を担当しているため、CBTはどんな感じかを事前に知りたかったため受けてみました。

 このリハーサル試験の狙いとして、「受験者の方にCBT方式での試験を幅広く体験していただくとともに、CBT方式の試験への理解を深めていただくため」ということが書かれていますが、行間に「実験台になってください」と書かれているような感じです。CBT方式に変わる上で運用上問題がないかや、CBT方式で実際に試験してみた人の感想をIPA側で知りたいのでしょう。

 CBT (Computer-based Testing) なので、問題・回答の用紙は配られず、PC画面上で回答しました。この会場の様子は、日経BPの記事IPA、CBTによる「ITパスポート試験」の会場を公開に詳しく述べられていますので、関心ある方はご覧ください。少し補足しますと、持ち物(携帯電話や筆記用具も)は事前にロッカーに入れて、ハンカチなど必要なものは事前に机の上に出しておくように指示されました。回答途中でポケットから何か取り出すと不正行為とみなす、とのことでした。文字の大きさや色、背景色を変更する機能もありました。私は、PCのボタンで画面の輝度も変更しました。明るすぎると目が疲れますので。計算問題の計算には筆記用具は使えませんで、計算用に小型のホワイトボードが各ブースに用意されていました。

 なお、私の成績は100問中90問正解でした。全く分からない問題が5問位ありましたし、最後のほうでは疲れて計算ミスをしたかもしれません。1問わざと回答せずに終わってみたが、終了時にエラーメッセージが出ませんでした。解答漏れをする「うつけ」もいると予想されるので、解答漏れがあったら終了時にエラーメッセージを出すのがいいでしょう(終了後のアンケートに書いておきました)。

 このリハーサル試験の実施期間は、平成23年3月27日までです。その前日まで申込みができます。

 このようなCBT方式になり、受験機会が増えると、ある時期に受験が多くなることが予想されます。夏には推薦やAO狙いの高校生、秋に就職活動を始める大学生、春には社会人の新人が多く受けるようになるでしょう。落ちたら、1・2週間後に再度受けるような人も少なくないと予想されます。

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August 04, 2006

崖っぷち!電子政府

 アイティセレクトという雑誌の9月号の特集の「崖っぷち!電子政府」は興味深いです。アイティセレクト編集長日記に、「強い危機感を持った多くの関係者に取材のご協力をいただき、渾身の力を込めてまとめ上げました」とあるように、電子政府の開発の実態に関しての根深い問題がよく分かる内容です。

 電子政府の開発に関して、2003年に定められた「業務・システム最適化計画」の中で、府省共通システムを開発することが決まった。その第一弾として、「人事・給与業務システム」が開発されているが、40億円かけて開発された試作版が惨憺たるものであった、ということがその特集でスクープされています。また、そうなる背景として、これまで各省庁とベンダーとの間の癒着関係があったことも指摘しています。

 電子政府・電子自治体のついての情報源としては、日経BPガバメントテクノロジー電子行政(ITpro Select)eGov(Computerworld)といった雑誌/サイトがありますが、電子政府の開発について、ほとんど問題提起はされてきませんでした。ですので、このアイティセレクトの特集は貴重だと思います。

 昨日、東京で電子社会・電子行政戦略会議が開かれました。それについては、日経の記事にもありました。その場では、ビジョンや方針が示されるだけで、このような問題点は出ていなかったようです。

 ただし、アイティセレクトの提言として、「LOHAS化」というのはいただけません。もっと、開発体制や国民の監視体制に関して鋭い提言をしてもらいたかったです。

 なお、米国政府もITインフラ統合によるコスト削減計画を発表しています。日本の府省共通システムの開発に参考になるかもしれません。

 ブログのデザインを変えたばかりでしたが、黄色は見づらかったので、青に変更しました。

[追記 (2006.8.5)]

 日本の電子政府の問題点を指摘されている方々の情報を追加します。

 国家公務員DASH氏は、ブログに(電子政府では)日本は世界最先端にあらずと書かれています。

 また、まだ私は読んでいませんが、e‐Japan戦略の敗北という本には、「IT戦略において日本は韓国より10年遅れている」という指摘がされているようです。

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August 01, 2006

IT業界の問題

 最近、雑誌にIT業界の問題に関する記事が多いので、ご紹介しておきます。

 週刊東洋経済2006年7月29日号の第3特集システムエンジニアが壊れるには、SE会社の3Kの実態や、実態は派遣である請負契約の多さ、「超大手元請け層」「1次・2次請け層」「永遠の下請け層」という業界構造などが示されています。「永遠の下請け層」というのは極端な表現だと思います。「下請け層」を抜け出すために切磋琢磨している企業もありますので。SE狂歌も過激ですが、当てはまる場合もあるでしょう。

 また、日経コンピュータ2006年7月10日号には、問われるIT業界の「品格」という特集記事があります。これまでにも増して、「モラル崩壊の危機」が迫っている状況が示されています。この件に関して日経コンピュータが行ったアンケートに対する自由意見を見てみると深刻さがうかがえます。

 もともと、IT業界の受注や進め方には抜本的な問題がありました。「IT産業の非常識」を語った日本ユニシス社長という記事にあるように、他の業界からきた経営者がIT業界の商慣習に違和感を感じるのも無理はありません。

 今泉さんは日本企業のユーザー部門はわがままと断定したいというご意見ですが、私は「わがまま」なことは結構なことだと思います。それが企業競争力につながれば、開発コストは回収できます。ただし、設計時に「わがまま」を要件定義としてしっかり拾いあげることができればいいのですが、それがなかなか難しいのです。IT知識と業務知識を兼ね備えた優秀なコンサルタントがプロジェクトにいればいいのですが。または、手間ですが最初にプロトタイプを作って、要件をしっかり聞き出して手戻りを防ぐのがいいでしょう。

 業界も変わりつつあります。10年前よりも、独自開発せずにパッケージを利用する企業が確実に増えています。例えば、銀行の基幹システムは、かつては各銀行で開発していましたが、最近はパッケージや共同開発が多くなりました。流通では、ガルフネットという格安のパッケージが売られていたりします。

 しかし、IT業界の構造的な問題はすぐには解決しそうにありませんので、私は、SEになろうという学生に対しては、得意分野を持ったSE会社(パッケージを持っている等)を勧めています。やはり下請け層の会社で働くのはきついですので。

 また、本日の日経産業新聞に働きやすい会社2006ランキングが載っていましたが、IT企業がかなり上位(IBM=4位、富士通=13位など)なのは不思議です。このランキングには、残業時間や過労死の有無も調査して反映するべきできしょう。

 ブログのデザインを夏らしいものに変更しました。

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May 02, 2006

行政の補助金政策の問題

 昨夜のテレビ東京のカンブリア宮殿では、「赤字の町が倒産する~加速する地方格差~」というテーマで、地方自治体での苦しい財政状況をどうするかが、議論されていました。

 その中で、地方自治体の農業関係の方から、行政からの補助金政策が定常的に行なわれてきたため、「我々は補助金をもらうプロになってしまって、農業のプロでなくなってしまった」と言っておられました。このように、補助金が出続けると、それを頼った体質になってしまうという問題が生じます。

 このことは、IT業界にもある程度当てはまると思います。昨年、ある大手IT企業の人と話した時のことです。

 IT業界の人「○○については、どう思いますか?」
 「○○よりも△△のほうが重要なので、先に開発したほうがいいのではないですか?」
 IT業界の人「△△は、まだ補助金が出ないのです。来年あたり出そうなので、それからです。」
 「・・・・・」

 というように、IT業界でも補助金を当てにする体質になってしまっているように感じます。補助金をもらうのがうまい人が部長になったりして、企業組織の体質に根付いてしまうことで、今現在は何を研究開発すればいいかの判断が変になってしまうのです。政府がIT振興をするという考え方自体を見直したほうがいいと思います。

 他国では、韓国政府は、韓国企業がグローバル競争に勝ち抜くために補助金を活用しているようです。日本政府の補助金の使い方も国際競争を意識したほうがいいと思います。毎年続けるのでなく、不定期にメリハリをつけて補助金を出すようにしたほうがいいです。

 また、補助金政策でなく、プロパテント政策(特許を登録しやすくする)といった政策で、民間の研究開発投資の活性化を図る方法もあります。情報システムの特許(特に、ビジネス方法特許)は、現状は特許として登録することが難しいのです。特許で参入障壁を作れないのであれば、研究開発に積極的な投資はできないのです。

 ブログを検索したところ、日本のIT振興策はなぜ失敗するのか(雑種路線でいこう)で、IT振興策の問題が指摘されています。

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November 18, 2005

ITは子供の安全を守れるのか

 私のゼミのゼミ生(4年生)が、ITは子供の安全を守れるのかというブログを始めました。
 大学院にゆく学生であれば、学会に入って学会での交流を勧めるところですが、大学を出て就職する予定の学生の場合は、学会よりもブログでの交流の仕方をおぼえたほうがいいと考えています。そのほうが将来役に立つと思います。特に、現在ホットなテーマで卒論を書いているゼミ生には、ブログで積極的に交流するように言っています。
 この分野に関心をお持ちの方は、是非とも上記ブログを訪れて、コメントやトラックバック等をお願いします。

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March 18, 2005

ライブドアはすごい会社なのか?

 私は、ライブドアをあまり評価していません。
 投資家からはある程度評価されているようですが、eビジネスの動向を日々調べている私からは、ライブドアは「張り子の虎」と見えます。
 ビジネスで強みとなるイノベーティブな面が見えないのです。資金調達の技をつくして、行き詰まったネット会社等を買収し、いろいろなサービスを手に入れて、それらを外見に付け加えることで、あたかも「成長し続ける優良企業」のように見せています。そのようにして、見かけの「企業価値」を高めることで、資金を調達してさらに買収を繰り返す、といった企業に見えます。ですので、中身は空虚ではないかと感じてしまいます。
 特許出願の数は極めて少ないですし、ユーザ数(主に無料)や出店社数を増やそうとしているだけという感じです。どうも変です。知的財産の蓄積や、収益性の高いビジネスモデルの確立にはほど遠いのではないでしょうか?
 これまでの他の企業を見ると、ソフトバンクは、孫社長のカリスマ性だけでなく、先進的な日次決算の仕組みで会社を強くしましたし、楽天はRMSの提供や営業面での革新がありました。それらと比べて、ライブドアは、多少は目新しいことはしていますが、イノベーティブな面は弱く、略奪して成長している企業に見えるのです。社長の野望の強さが企業の旗頭として目立っている程度です。
 ですので、このまま伸びるためには、今後も買収を続けて大きくしてゆかないといけないということでしょう。いつまで続くでしょうか? うまく他の企業と提携してゆく戦略も必要でしょうが、あれほど支配したがる気配を見せては難しいかもしれません。ただし、張り子であっても、大きな虎に見えれば弱い企業はびびりますので、今の勢いがしばらくは続くかもしれませんが...

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