July 17, 2008

アスクルの間接材購買代行ビジネスとクロスマーチャンダイジング

 今年春頃からアスクルはとても興味深いビジネス展開をしています。

 まず、間接材購買代行ビジネスとして、SOLOEL(ソロエル)というBPOサービスを、4月から提供開始。第一号ユーザーはアサヒビールのようです。アスクルは、今年2月に工場系間接材にも進出しましたが、間接材の品目の幅を増やすだけでなく、購買業務にさらに踏み込むことにしたということです。
 日経BPの記事によると、アスクルは「SOLOEL」を提供するために、約26億円を費やして調達システムを新たに構築した、とのこと。昨年、次世代ビジネスモデル『アスクル2.0』を構築中という話が出ていましたが、それが姿を現したもののようです。日経情報ストラテジー2008年8月号に「アスクル 次世代ビジネスモデルが判明 購買業務の見える化に商機」という解説記事もあります。
 なお、コクヨ系のジョインテックスでは、e-Switching Serviceという最適調達品目の分析や集中ソーシング化によるコスト削減提案サービスを既に行っています。SOLOEL(ソロエル)は、それ以上のサービスのようです。ディーコープの見積@Deeのようなサービスのように見えます。

 また、日経MJ 2008/7/7にアスクル、ネット購買の傾向分析、20社で共同研究という記事が出ていました。取引先約20社と組み、ネット販売のマーケティング研究を始めるというもの。6月に「WEBマーケティングコンソーシアム」を設立し、エプソンやキヤノン、日清食品、ライオンなど家電、食品、日用品メーカー取引先約20社が参加。アスクルの通販サイトで各社の商品を実験的に販売。売れ行き情報は全社で共有。
 このような共同のマーケティング研究は、「大アスクル」構想の一環として評価できます。なお、個人消費者向け小売業では、購入者と購入品の関連性を分析することはよく行われています。また、行動ターゲティング広告でも、複数のサイトをまたがったターゲティングを行います。アスクルは、個人向け通販サイト(ぽちっとアスクル)だけでなく、中小企業向け通販サイトでもこのような分析を行うようです。BtoBマーケティングにおいて、おもしろい試みだと思います。

 アスクルは、物品だけでなく、サービスについても、今年3月にアクスルお仕事サポートというサイトを開設。日経MJ 2008/06/27に紹介されていましたが、6月からは航空券、宿泊予約、花手配などを提供し始めました。
 このように、アスクルのサイトで表示される商品メニューは、数年前よりもとても広がっています。中小企業の購買のポータルに近づいてきた感じです。

 やっと今週月曜で春学期の授業が終わり、昨日で定期試験問題もできあがったため、一息つけました。今週土曜に非常勤の筑波大大学院の講義があり、それと試験の採点が終わると、研究に集中できます。夏休み中は、ブログも週に2回位の更新を目指したいと思います。

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May 20, 2008

BtoBのネット通販

 BtoBのネット通販が広がっていることが、このところ、いろいろと報道されています。

 日経MJ2008/4/30号には、「ヤフー、業務用売買急増」という記事がありました。Yahoo!ショッピングの前年比売上増加率が、電子計測器・電子計量器は3倍、工具は2.5倍、塗料・塗装用品は2倍と、そのようなBtoB的商品の売上の増加率は一般の商品よりもずっと高い伸び率を示しているとのことです。しかし、これらを購入しているのはプロだけではなく、セミプロの消費者が業務用製品を購入するケースも多いようです。ネットならではの商品数と商品の探しやすさで、売上を伸ばしているようです。

 BtoBの工場用間接資材の購入では、MonotaROが先行していて、今月には自動車関連にも本格参入しました。工場に加え、自動車整備業やガソリンスタンド、自動車販売店といった自動車関連業界向けに自動車関連商品の販売を開始しました。
 山善と日伝が出資するPROCUEbyNETでも、日経産業新聞2008/5/9によると、商品数を拡充したり、受発注後の手続きの進捗状況を確認できる機能を追加するなど、ネット販売に積極的です。

 ただし、これらのサイトは、Yahoo!ショッピングのユーザ層が異なっている感じです。Yahoo!ショッピングでは、BtoCのロングテールの先のほうにBtoBの市場が開拓され始めた、というような感じでしょう。

[追記 2008/6/3]
 オフィス用品通販のアスクルも、今年2月、MonotaROやPROCUEbyNETに対抗するべく、アスクル 工場・現場系間接材ショップを立ち上げました。カタログとしては、アスクル工場系MROカタログを提供開始していました。

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April 23, 2008

主要なポータル等でトップページのデザイン変更

 ポータルやネットショップでのトップページのデザイン変更が相次いでいます。利用者の利便性とともに、広告効果の最大化を狙ったデザイン変更が多いようです。

 今月から、DocomoケータイのiMenuのトップメニューが変更されました。Googleの検索窓が設置されたことが結構話題になっているようですが、一番上には広告スペースができています。この広告スペースの値段は、日経MJ2008/4/7によると1日1000万円だそうです。結構高いです。4月1日には、GUCCIがブランディング広告を出したようです。見ていると数日毎に広告が変わっていて、会員募集の広告もあります。iMenuに、「企業・ブランド」カテゴリー新設というのも注目すべき動きでしょう。今年、企業のモバイルサイトやモバイルマーケティングの元年、と言っている人もいますので。

 PC向けでは、Yahoo!が1月1日にトップページのデザインを変更しましたが、そのトップページリニューアルは、MarkeZineによると広告領域の拡大やスーパーバナー廃止など、広告商品の変更という面もあったようです。

 3月19日のGoogle日本語版のトップページをリニューアルについては、Googleのブログで、多くのユーザーから、各種サービスへの入り口がわかりづらいと言われたことへのフィードバックを理由にあげています。Googleはトップページに広告を載せない方針なので、純粋に利用者のことを考えて、もっとサービスを利用してもらおうとするためのリニューアルのようです。

 Amazon.co.jpもサイトデザインをリニューアル中のようです。こちらは、商品ジャンルが増えすぎて、これまでのようなタブを使ったインタフェースではタブが載せきれなくなったためと思われます。

 その他、先月から今月にかけて、次のサイトでもトップページがリニューアル。
 ・goo
 ・BIGLOBE
 ・Infoseek
 ・livedoor

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April 07, 2008

eビジネスの教科書[改訂版] が出版されました

 拙著のeビジネスの教科書[改訂版]が、今月出版されました。ISBNは、978-4-7944-2284-2 です。2006年10月に初版を出しましたが、1年半経って内容の更新が必要になった(eビジネスの流れは速い)ため、改訂版を出しました。

 Books.or.jpで検索すると書誌情報が見つかります。また、4月8日時点で、Amazonにも書籍情報が載りました。

 大きく内容を追加したのは、2章「B to Cビジネス」と3章「ネット広告とeマーケティング」です。その他の章は、2006年時点の内容が多いです。どうしても最新の情報にする必要のあるところのみアップデートしました。市場データや利用者数などのデータは極力最新のものにしました。最新の動向を知りたい学生には、私のWebページのeビジネス/eコマースの動向と技術(書籍の「はじめに」にurlを記載)等から調べさせるように指導するといいでしょう。なお、全体的に、書籍の構成(章と節)は変えていませんし、ページ数は増えましたが価格も据え置いてもらいました。

 改訂版では、オビを付けました。オビに「多くの大学で採用」と書かれていますが、採用大学数(教科書または参考書として指定していただいたことが分かっている大学の数)は、15大学(今年度からの採用予定大学と本学も含む)です。なお、「多くの大学」という表現は、出版社側の判断で書かれたものです。私の本意ではありませんが、誇大広告にはあたらない表現かと思われます。

 すみませんが、上記書籍の中に誤りがあります。以下が正誤情報です。(創成社のWebページにも載る予定)


 P.60 WCM (Web Centric Marketing)

 P.60 WCM (ウェブセンタリングマーケティング)


 P.61 図表3-5 WCM (Web Centric Marketing) の概要

 P.61 図表3-5 ウェブセンタリングマーケティングの構造( (C)2006 Japan Intaractive Marketing, Inc.)[11]より

 失礼しました。

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March 04, 2008

音楽配信に関しての最近の状況

 音楽配信に関しての最近の状況をまとめておきます。

 まず、米国での状況です。先週発表された米NPD Groupの調査によると、2007年に米国で消費者が入手した楽曲数は前年から6%増加。しかし、音楽購入支出の平均金額は1人当たり44ドルから40ドルへと10%減少。NPDは,2007年に音楽CDの購入をやめた消費者は100万人にのぼると見積もる。中でも若者のCD離れが顕著で,音楽CDを1枚も購入しなかった10代の若者は48%(前年の38%から拡大)。 同調査でiTunesについては、5000万人以上の顧客を抱え,2007年には40億曲以上を販売。そのため、音楽販売でアップルはBest Buyを抜き業界第2位になったとのこと。2006年にAmazonがバーンズ&ノーブルを抜いて「ネットと店舗販売の逆転現象」と騒がれましたが、アップルも間もなくWal-Martを抜きそうな感じです。

 先月発表された米Forrester Researchの予測では、2011年には米国で販売される音楽の売上の半分はダウンロード音楽になり、2012年にはCD売り上げを抜き48億ドル規模になると予測しています。一方、Naspterなどの会員制音楽配信サービスは緩やかな成長にとどまると予測しています。

 Forresterの予測にもあったように、サブスクリプションサービス(定額聴き放題)のNapsterが苦戦しています。米国Napsterが先月発表した2007年10~12月期決算は、15%増収で赤字縮小でしたが、有料加入者数は74万3000人で、前期からわずかに減少したとのこと。私は、Napsterを使っていますが、こんなに多くの曲を定額で聴けるのはありがたいと思っています。普及しない理由がよく分かりません。日本のNapsterの会員数は発表されていませんが、10万人に届いているかどうかというところでしょうか?ケータイユーザーは増えているようですが、PCユーザーは伸び悩んでいるようです。Napsterを使っていて感じるのは、"digital only" の曲が増えていることです。パッケージよりも、音楽配信のほうが音楽の提供をしやすいですので。

 日本の音楽配信ですが、日本レコード協会の2/21の発表によると、2007年における有料音楽配信の売上は前年比141%の754億8,700万円、ダウンロード数は126%の4億6,500万回。パッケージの販売は対前年比96%でしたが、パッケージと配信の合計では3年連続で前年を上回った形になり、日本のほうがまだ状況はいいようです。なお、これは日本レコード協会の発表なので、それに属していないレコード会社(いわゆるインディーズレーベル)の売上は入っていないと思います。インディーズのほうが、音楽配信をより頼っていると思われます。

 全世界では、国際レコード産業連盟(IFPI)が1月に発表した調査結果によると2007年のデジタル音楽の売上高は、音楽市場全体の約15%に達したとのこと。推定29億ドルで、前年の21億ドルから約40%増加。一方、CDの販売は世界全体で落ち込んでいて、音楽市場全体では2007年の売上高は縮小。なお、携帯電話とWebという販売チャンネル別の売り上げ比率は国によって大きく異なり、米国ではWebが67%,携帯電話が33%なのに対して,日本ではWebが9%で,携帯電話が91%。

 昨年9月には、インディーズのmF247(247ミュージックが運営)という音楽配信サイトがクリエイティブコモンズ(CreativeCommons)を採用したというのも重要な動きでしょう。つまり、JASRACを通さずに、かなり自由な制約で音楽を再利用できるようにしたということです。mF247のクリエイティブ・コモンズ・ライセンス付きでの作品の一覧があります。これらの曲は、自作動画につけるなど、かなり自由に利用できるわけです。CreativeCommonsサイトのニュースにもなっています。

 レコード会社のビジネスも大きく変わっています。例えば、コロムビアミュージックエンタテインメントについては、日経コンピュータ2008/2/1号にネットと楽曲DBで新しい収益モデル構築という詳しい解説があります。ネットに対応したシステム・組織に変えたとのことです。FujiSankei Business i.のインタビュー記事もあります。

 アーティストでは、昨年秋米人気歌手マドンナ、コンサート大手と140億円で契約というのが話題になりました。レコード会社を出て興行会社と契約したのです。何で儲けるかということを考えてのことのようです。

 私は、コンテンツ関連はあまり専門ではありませんが、音楽についてはこのくらいの動向程度はウォッチしてゆくつもりです。

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February 29, 2008

情報爆発プロジェクトと情報大航海プロジェクト

 文部科学省の情報爆発プロジェクト成果報告会が、来週の月・火曜にあります。行ければ行こうと思っています。

 このようなプロジェクトに、文部科学省が研究費を出すのはいいことだと思います。国立大学の教員は研究費をどう捻出するかに苦労していると聞きます。問題は、どう事業化につなげるかでしょう。産学連携や、大学発ベンチャーにつなげる体制が取れるかが課題でしょう。

 もっと問題なのは、情報大航海プロジェクト(経済産業省)のほうでしょう。こちらは民間企業に補助金を出しています。第五世代コンピュータの頃より、このような分野にお金を出して、まともな成果は上がっていません。

 3月17日に秋葉原で開かれる情報価値の共創による国際競争力強化にむけてというシンポジウムの中で、情報大航海プロジェクトについての取り組みや成果について紹介があるようです。時間が取れれば行きたいと思っています。

 情報大航海プロジェクトでは、検索エンジンの「オルタナティブ」を開発するということを掲げています。しかし、個人的には、行政がオルタナティブ開発に関わる必要はないと思っています。それよりも、企業が検索エンジンを開発したくなるインセンティブを与えるような要件を明確にしたほうがいいと思います。例えば、「学校で使う検索エンジンの仕様」を作って研究開発をうながし、採用された企業に利用料を払う、といったやり方で行政から金を出したほうがいいと思います。

 文部科学省と経済産業省で、このような似たプロジェクトを別々に行っているのも問題でしょう。縦割り行政の弊害です。

 また,検索エンジンは、社会的な影響力の大きさから、少しは規制をしたほうがいいと思います。特に、ページランクの付け方です。グーグル八分のような問題が起きないようにするためには、そのようなページランク操作の説明義務を負わせることが必要だと思います。また、「厚労省」検索で “偽サイト”が最上位になんて事件が起こらないような、注意義務も課せるべきでしょう。go.jp のサイトのもともとのページランクが低すぎたのでしょうか? 中国のような言論統制ではなく、常識的な公正さを求めた不正検索防止法といった法律があってもいいでしょう。

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January 07, 2008

「eビジネスの教科書」の第二版

 この年末年始で、「eビジネスの教科書」の第二版の原稿を完成させました。この本は私の授業だけでなく、今年度は他にもいくつかの大学で教科書として使われています。最近在庫が品薄になってしまったため、そのまま増刷するのでなく、改版することにしました。初版を書いてから1年半しか経ってなく、追加や変更は最低限にする方針でしたが、eビジネスの進み具合はとても早いため、かなりの追加・変更が必要でした。出版社には、第二版を3月末までに刊行してもらえるように頼んでいます。

 追加した主な内容は、次のようなものです。
  セカンドライフ・プロフ・アパレルサイト・モバゲータウン・SMO・ウィキノミクス・
  行動ターゲティング広告・バズマーケティング・ブログ分析サービス・CGCM・
  次世代流通EDI・旅行代理店の場貸しサイト・AppExchange

 それでは、本年もよろしくお願いいたします。

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October 23, 2007

PCをステレオにつなぎNapsterで聴き放題

 今月から、ナップスター(Napster)という聞き放題(サブスクリプションタイプ)のネット音楽配信サービスを使っています。携帯電話へのダウンロードはできませんがPCからストリーミング等で自由に聴けるサービス(Napster Basics,月1280円)に入りました。8月に24時間お試しキャンペーンで聞いてみて、予想以上にクラシックの曲が聞けることが分かったためです。同時に、PCとステレオをつなぐケーブルも買いました。Medici Arts(9月末まで Verbier音楽祭を配信)といったクラシックの動画配信サイトもでてきたので、PCからステレオを通して聴くようにしました。

 Napsterのようなサブスクリプションサービスに入ると、音楽の聞き方が変わります。例えば、曲名で検索できるので、聞き比べが簡単にできます。オペラのアリアの聴き比べや、オリジナルとカバー曲の聞き比べなどです。今週は、EurythmicsやMoody Bluesの曲のカバーを探して、聴き比べました。例えば、Moody Bluesの曲をブルーグラス風に編曲した "Moody Bluegrass" というアルバムや、"Melanchory Man" という暗い曲をラテン風のアップテンポで演奏したAldoushというグループを見つけたりしました。このように大量の曲(ロングテール)を宝探しするようなことは、結構楽しいです。

 しかし、コミュニティ機能が弱いです。自分の気にいった曲のリストを「ミンナノプレイリスト」に投稿ができますが、その検索はできませんし、コメントすることもできないようです。掲示板やSNS/ブログのようなコミュニティ機能を検討すべきです。

 先週金曜(10/19)の日経MJでのナップスタージャパン社長へのインタビュー記事の中で、「PC向け市場は伸びず」という発言があります。しかし、コミュニティ機能を強化したり、オペラのアリアの聴き比べなどの使い方をアピールできれば、中高年層などPC向けの市場の開拓も可能だと思います。

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October 19, 2007

携帯ネット通販でファミマ・ドッコ・コムが1位

 一昨日(10/17)の日経MJの1面は、「eショップ・通信販売調査」でした。その中で少し意外だったのは、携帯ネット通販で、ファミマ・ドッコ・コムが1位になったことです。昨年は、35.2%も売上を伸ばしています。

 ファミマ・ドッコ・コムは、ロングテール型のビジネスモデルというよりも、コンビニの利便性を活かして、話題性のある商品を携帯電話で注文してコンビニで送料無しで受け取るというモデルで売上を伸ばしているようです。無料で店頭配布している Famima.comマガジンの商品を携帯電話で簡単に注文できるしていることも大きいでしょう。他のコンビニよりも、ファミマがうまくビジネスを展開している感じです。
 また、ファミマは、ケータイ以外にも、「楽天ブックス@ファミマ受取便」や「ファミマ・フードパーク」というような積極的なネット展開もしていますね。

 なお、一昨日は、大学の創立記念日でお休みだったので、ゼミ生といっしょに学外に行きました。午前は、花王 川崎工場を訪れ、生産ラインや自動倉庫などを見学させていただきました。花王 地区サービスセンターの今野課長様、加山様、親切に説明していただき誠にありがとうございました。
 午後は、横浜桜木町に移動し、県立図書館を少し見て使い方を説明しました。その後は、みなとみらいホールの昼どきクラシックをゼミ生と聞きました。安かったですし、学生はクラシックを聞く機会はあまりないと思いましたので、そのように企画しました。(実は、午後もう1つ工場見学したかったのですか、適切なところを予約できなかった、という事情もありました。)

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October 17, 2007

楽天はこれまでの成功体験を乗り越えることができるか?

 先月、楽天市場公式 ネットショップの教科書という本が出版されました。やっと入手して読んでいるところです。なお、この本の内容の一部は、インプレスの「Web担当者Forum」にオンライン版(書籍の抜粋)として小出しに公開されています。

 この本は、「楽天市場出店者が10年間にわたり試行錯誤を続けながら培ってきたノウハウを、シンプルなフレームワーク(考え方の枠組み)として体系化」したという本です。しかし、これまで、いろいろと聞きもれてきたネットショップのノウハウがまとまっている感じで、あまり新鮮なことは書かれていないように思います。

 楽天大学の仲山進也学長は、日経BPのインタビュー記事で、「2007年は楽天市場の開設からちょうど10年の節目の年に当たる。この10年で当社の成長のサイクルが一巡して振り出しに戻ったと感じており、社内では楽天が『2.0時代』に突入したと表現している。このタイミングで出店者にもう一度、店舗運営の基本である接客に立ち戻ってほしいと考えた。そこで楽天大学に蓄積された10年分の運営ノウハウを公開することにした」と語っています。

 単にこれまでのノウハウ公開だけでなく、ネットショッピングの可能性のようなものの開拓を期待したいところです。また、楽天は、「楽天経済圏」というように、閉じた世界で戦おうとしているのも大きな問題だと思います。ヤフーは、かなり明確なオープン化戦略をとって、広く企業提携(セブンイレブン、JR東日本、シャープ、三越などと)を行っています。この点で、楽天は見劣りがします。Win-Win関係の構築方法が下手なのでしょうか。また、TBSとの関係がうまくいかなかったことで、その他の企業にも警戒させてしまったのかもしれません。

 ネットレイティングスの先月発表した調査結果では、楽天を利用するネット利用者の伸びが鈍化しているとのこと。楽天は、これまでの成功体験を乗り越えて新たな挑戦ができるかが、今後の大きなポイントだと思います。それができないと、単に追われるだけになってしまいます。

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September 19, 2007

Yahoo!ウォレット を外部開放した狙い(昨日の日経MJより)

 先月、ヤフージャパンは、オンライン決済代行サービス「Yahoo!ウォレット」を、外部企業向けに提供開始することを発表しました。しかし、その発表の裏にあるヤフー側の意図が私にはよく分かりませんでした。日経BPのサイトの記事には、幅広いサイトでの決済を可能にすることで利用者を拡大する狙いと書かれていましたが、それだけではないのでは、と感じていました。

 昨日の日経MJのヤフー社長へのインタビュー記事で、真意が分かりました。提携戦略の意図や、広告収入にとってもメリットになると考えたようです。利用者側・店舗側・Yahoo側のそれぞれのメリットをまとめておきます。

利用者側のメリット(利用者がYahoo!ウォレットを持っていた場合)
・Yahoo! JAPAN以外のサイトでの支払いにおいても住所やカード番号などの個人情報をその都度入力する手間がなく、簡単・便利。
・Yahoo! JAPAN IDを共通のアカウントとして使用できるため、複数の店舗での利用も一括で管理でき、購入履歴を一覧で把握することが可能。
・クレジットカード番号などの支払情報はYahoo! JAPANで管理するため、店舗側に情報が漏れる危険性がなく安心。

店舗側のメリット
・Yahoo! JAPANの利用者へのサービス向上となり、自社の顧客として取り込めやすくなる。
・決済のバリエーションを増やすことができる。
・利用者管理のシステム構築/運営のコストを削減できる。

ヤフー側のメリット
・より消費者の行動が分かるようになり、広告におけるIDの価値が高まる。(日経MJ 2007/9/18 より)
・他社の販売であっても、少しでもヤフーの事業分野に含めたい。(日経MJ 2007/9/18 より)
・幅広いサイトでの決済を可能にすることで利用者を拡大。
・決済代行の手数料収入。

 昨日の日経MJのインタビュー記事では、楽天との関係について、「ヤフーも楽天も互いに得手・不得手分野が見えてきた。今後も競争はあるが、両社の間口がこれほど広がると全分野で競争するわけではない。」というように、棲み分け的な姿勢を見せています。また、「他社は新たに作るより今あるヤフーのシステムを利用し、経営資源の重点をサービス改善におけば、ネット全体の価値向上につながる。」とも言っています。他社を警戒するよりも、ネット全体のことまで考えている、という姿勢まで見せています。

 なお、Google Checkoutの日本展開についてはまだ情報がありませんが、日本で始められてしまう前に先手を打ちたい、というヤフー側の狙いがあったのかもしれません。(全くの推測ですが)

[追記]
 先週ヤフーから発表されたYahoo!投稿アプリでも、投稿先は、Yahoo!ビデオキャストだけでなく、ミクシィ、livedoorブログ、livedoorピクス、楽天ブログも選択できるようになっています。このように、ヤフーは、単なるポータルとしての「囲い込み」でなく、オープンな戦略もとるようになってきました。

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September 11, 2007

FRIから「インターネットショッピング2007」というレポート

 先月30日、FRI(富士通総研)から、インターネットショッピング2007 -経験の差で多様化するネットショッパー-というレポートが出ました。Internet Watch等でも取り上げられました。私は購入していませんが、サンプルのPDF文書を見ての感想を述べます。

 まず、この調査はiMiネットという主にPC向けサービスの会員を対象に行っているため、携帯電話を主に利用している利用者は調査対象外と見ていいでしょう。このレポートの中に、ケータイショッピングやケータイオークションに関する調査もありますが、PCと携帯電話の両方を利用する利用者を調査したものと捉えたほうがいいでしょう。

 この調査結果の中で、興味深かったのは次の点。

・ネットショップの新規利用
 「モールで検索」の率は過去3年の調査を通して増加しているのに対して、「サーチエンジンで検索」は反対に減少、とあります。
 利用者の約4割が、モールに出店していることを「安心して購入できる」理由に挙げている(朝日新聞の9月6日版より)ように、モールで検索することで、信頼できる店に絞って調べることができるということでしょうか?サーチエンジンの検索連動型広告のビジネスモデルが、今後必ずしも順調に伸びるか分からないことを示すデータだと思います。

・気に入っているネットショップ
 この1位は、ダントツでアマゾンでした。2位(千趣会)に6倍ものポイント差を付けていて、ネットでのアマゾンブランドの強さが分かります。

・この1年間に買ったもの
 2位に、「衣類・靴・バッグ・アクセサリー」(49.8%) が入っていました。以前指摘しましたように、米国(Forrester Researchによる調査)では、アパレル分野のネット販売の伸びが顕著で、昨年にはPCのネット販売の売上を上回ったことが報じられています。日本でも、アパレル分野のネットショッピングが大きく伸びていることが分かります。
 関連して、日経TRENDY (トレンディ) 2007年9月号に「激動の予感! アパレルネット通販」という特集が組まれています。今後の戦術まで分析しているので、アパレルのネットショッピングに関わっておられる方は読む価値はあると思います。イージェーワークスの樋口悟さんのブログに、この特集の内容のサマリーがあります。
 なお、先週、ヨーカ堂までもが衣料品4万4000点をネット販売するというニュースが報じられました。今後、アパレル分野へ、各社いろいろな展開がみられそうです。

 また、月刊ネット販売 の9月号の特集は、第7回ネット販売白書でした。EC上位150社の売上ランキングや、各分野の分析がされています。

 先週は、海外に旅行していました。携帯電話とPCの無い1週間の生活は、リフレッシュになります。

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July 24, 2007

セマンティック・ウェブの現在

 Berners-Lee氏が語る「セマンティック・ウェブ」というインタビュー記事が、今月Wiredに載りました。SemanticWebの考え方は、90年代終り頃にTim Berners-Lee(Webの考案者)が提唱し始めました。一言で言うと、SemanticWebとは、Webのコンテンツを「機械が読める情報」にすることで、「コンピュータによる自動的な情報の収集や分析へのアプローチが可能となる」というもの。詳細は、Wikipedia(英語版)W3Cのページや、書籍「セマンティックWeb入門」などを参照のこと。

 構想自体は、オントロジーといった仕組みを入れた壮大なものです(レイヤ図を参照のこと)。しかし、現実的な話題としては、Wiredの記事もあるようにmicroformats(マイクロフォーマット)という仕組みを使って、ウェブページ上の連絡先情報を自分のアドレス帳に追加したり、イベントなどの日程をカレンダーに追加が可能、といった程度の話になっています。難しすぎて、なかなか進まない感じです。なお、microformatsは、Firefox 3が標準で対応とのこと。
Semantic_web

 関連して、japan.internet.comの記事によると、オープンソースの「セマンティック デスクトップ」NEPOMUKでは、オントロジーを利用して「デスクトップやその先に存在する、さまざまなアイテムや種類の異なるデータ間の関係性を定義し、活用する能力」を提供するようです。年内リリース予定のLinuxデスクトップ環境の最新版「KDE 4」に実装予定、とのこと。この技術も楽しみです。

 私の感想ですが、すべてのWeb上の情報を機械が理解できるようにはならないはずです。個人個人の認識論としての「世界」があり、それらをすべて共有したものの最大公約数的な「世界」が「オントロジー」となり、そのオントロジーの範囲であれば機械が情報を理解できるようになるはずと考えます。

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July 17, 2007

百貨店業界は日本流マルチチャネル展開へ向かう?

 百貨店業界でのネット展開が本格化しています。昨年8月にこのブログに百貨店のネットへの取組み状況としてまとめたように、丸井や大丸などが本格的な展開を始めました。また、平成18年度電子商取引に関する市場調査のエントリで述べたように、アパレル分野のネット通販は昨年かなり伸びています。百貨店業界も、その流れに乗ろうということでしょう。

 月刊ネット販売7月号の「特集2 EC市場最前線レポート〔百貨店〕ECチャネルに夜明け、本格始動へ」の中で、西谷 阪急百貨店インターネット通販事業部統括部長(百貨店eビジネス研究会座長)は次のように語っています。

真の百貨店のEビジネスとは、百貨店の店頭商材、あるいは店頭では売っていないけれども補完的な商材、そうした百貨店のコア商材のネット対応をすることです。
日本流マルチチャンネルとは、店頭の販売員が、店頭のお客様にもウェブのお客様にも販売をする、という考えです。百貨店という業界は人材に恵まれ、スタッフたちはとても優秀でポテンシャルが高く、できることだと考えています。

 とあるように、これまでの「ギフト中心」といった取組みから、リアルとネットの相乗効果を狙うような戦略へと変わりつつあることがうかがえます。特に、阪急百貨店では、うめだ阪急ブログのようにリアル店舗の店員がネットで情報発信する仕組みを「日本流マルチチャンネル」と呼んでいます。

 また、三越がセカンドライフに進出し、越後屋呉服店が19日にオープン予定です。オープン後1年間で、リンクにより三越のショッピングサイトに誘導することで売上4,000万円を目指し、1年間での来客目標は12万人、と三越は期待しています。これに対し、12万人は、今の時点では無茶というご意見もあるように、かなり楽観的な数値です。しかし、「越後屋呉服店」をリアルで再現しようとしたら、たいそうなコストと時間が掛かりそうです。セカンドライフならでは、ということでしょう。売上は難しいですが、ブランド効果(三越の前身が「三井越後屋」というのを知らない若者も多いので)にはなるでしょう。

[追記]
 百貨店のネット対応については、大丸が昨年開設したMarucollet(店舗とも連携)のように、単にモノを買うだけでなく、店舗での購買体験を重視しているように感じます。月刊ストアーズレポートの今年の臨時増刊号で“コト”消費をキャッチする売り方・見せ方が特集されていますが、百貨店のネット対応でも「コト消費」が重要なキーワードになりそうです。

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June 27, 2007

GoogleもWikinomicsの力をうまく使っている

 話題になっていたWikinomicsの翻訳本ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へが今月発刊されました。先週の経営情報学会の全国大会でも、仲間との昼食中にこの本の話題が出ました。コミュニティとのコラボレーションを活かす方法についての、事例の分析や方法論の提案がされている本です。内容ですが、知っている話が多かったですが、IBMがオープンソースコミュニティをうまく使っている話がとても詳しかったり、鉱山でのオープンソース型探査の例などが取り上げられているなど、いろいろと勉強になります。

 関連した話として、今月CNETに、米GoogleのKevin Gough シニアプロダクトマーケティングマネージャーへのインタビュー記事GoogleはなぜSaaSやGearsを手がけるのかが出ていました。この記事でGoogleのアプリ戦略がよく分かります。少し抜粋します。

 Google Appsは10万以上のユーザーがすでにいる。我々は売上を伸ばすというよりは、むしろ、ユーザーの数を増やすことを重視している。ライセンスが多く売れるのは良いことだが、使ってもらえなければあまり意味がない。本来の目的を達成することはできないからだ。というのも、多くのエンドユーザーに実際に使ってもらえれば、それだけ多くのフィードバックが得られることになり、イノベーションが循環する。これが重要だ。Googleは、世界中で使ってもらえるよう、製品の技術を公開している。Googleだけがイノベーションできるわけではない。(公開により、世界の多くの人々の意見、英知を集めることができる)ここがまたきわめて重要な点だ。

 このように、GoogleもWikinomicsの力をうまく使っていることが分かります。「イノベーションが循環する」というのは、利用者コミュニティとのコラボレーションがあってこそですから。

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June 12, 2007

楽天のTBSへの経営参加は意味がない

 楽天がTBS株の追加取得を表明して経営参加を求めたり、帳簿開示を求めたりしていることが、読売新聞Business-iなどで報じられています。

 しかし、私は、楽天がTBSへ経営参加しようとすることに強く疑問を感じます。楽天は、もはや「流通の巨人」になりつつあります。国内の楽天グループ運営サイトの流通総額は、2006年では約6400億円。これは、百貨店ランキングに当てはめるとベスト5位の位置付けです。米国では、ネットの流通(小売)企業はe-tailerやe-retailerと呼ばれるなど、流通業全体での地位が高まってきています。

 ですので、楽天は流通業の中でM&Aを行うのが本筋でしょう。TBS株を買い増すよりも、新興のアパレルモールやBtoB企業などを買収するなどして、流通業での地位をさらに磐石なものにするべきでしょう。テレビ局のようなコンテンツ企業のビジネスモデルは、流通業のビジネスモデルと全く異なります。TBSを買収してもシナジーを生みにくいはずです。

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June 10, 2007

リコメンデーションサービスを好意的に感じている利用者は結構多い

 ホットリンクがインターネット調査で、ECサイトで商品を推薦するリコメンデーション(リコメンド)サービスに対するユーザーの認知度と評価を調べた結果が、7日のCNETのニュースで報じられていました。その調査結果によると、利用者の53.2%がECサイトのリコメンデーションを今後も希望しているなど、リコメンデーションを好意的に感じている利用者が多いことが分かります。ECサイトで商品を薦められた経験について、54.3%が「ある」と回答。そのうちの64%が商品選びの際に参考になったと答えている、とのこと。商品をおすすめされた経験がある回答者の中で、実際に薦められた商品を購入した経験のある利用者は37%でした。ということは、利用者の約2割がリコメンデーションで薦められた商品を購入していることになります。思ったよりも多いです。また、なぜ、おすすめされたいと思うかという質問に対しては、「選択の幅が広がるから」との回答が79.6%で最も多かった、とのこと。このことから、利用者はロングテール志向から、リコメンデーションを期待していることが分かります。

 ただし、ホットリンクのプレスリリースを見てみると、有効回答者数はたった103名だったとのことです。母数が少なすぎるので、結論付けることはできないでしょう。また、この調査で、リコメンド機能のプライバシーについて、23.9%が「大変気になる」、52.2%が「少し気になる」と回答していて、ECサイト側はプライバシーの問題への注意が必要でしょう。

 また、2月にWebマーケティングガイド(セプテーニ)が実施したオンラインショッピングに付随するサービスについてのインターネットリサーチでも、レコメンド機能をどのように思いますかの問に、「非常に便利である」が8.7%、「まあまあ便利である」が39.9%という回答になり、半数近くの48.6%のユーザがレコメンド機能をポジティブに考えているという結果が出ています。

 関連情報ですが、私は、昨年11月に、レコメンデーションの動向をまとめました。また、パーソナライゼーション/レコメンデーションというページも作っていますので、関心を持たれた方は是非ご覧ください。

 なお、私は今月1日に、教えて!家電教えてーな(SNS)などのリコメンデーションサービスや、リコメンデーションエンジンの開発を行っているALBERTという会社にうかがって、リコメンデーションに関して意見交換してきました。ALBERTの山川会長はマーケティングの専門家だけあって、技術力だけでなく、マーケティングにおけるリコメンデーションサービスの可能性をしっかり考えておられる企業だと感じました。今後の事業展開を期待したいです。

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June 05, 2007

平成18年度電子商取引に関する市場調査

 先月11日、経済産業省から、平成18年度電子商取引に関する市場調査(国内および米国)が発表になりました。ECOMと共同で調査したものです。日経BPの記事もあります。この市場調査は毎年行われているもので、昨年発表された内容については、私のブログで以前取り上げました。今月、この調査に関するECOMセミナーがありますが、その発表者からする推測すると、今回はNTTデータ経営研究所が調査したようです。

 調査結果ですが、まず、2006年の国内のEC市場は、BtoBが224兆円(3.5%増)、BtoCが4兆4000億円(27%増)です。やはり、BtoC市場の伸び方が顕著です。

 米国のEC市場の調査もしていますが、先月14日に発表されたShop.org主催・Forrester Researchによる調査The State of Retailing Online 2007ITmedia の記事あり)と、BtoC市場のデータがかなり違っています。2006年のオンライン売り上げは、Forrester Researchによる調査では前年比25%増の2199億ドル(約26兆3900億円)ですが、経済産業省の調査では前年比21%増の19兆2700億円であり、7兆円も差があります。Forrester Researchによる調査では、アパレル分野の伸びが顕著で、PCのネット販売の売上を上回ったことが報じられています。しかし、経済産業省の調査では、アパレル分野の大きな伸びについてはつかみきれていないようです。もしかすると、総合小売業のデータの中に含まれてしまっているのかもしれません。

 なお、アパレル分野のネット通販の伸びの理由ですが、日経産業新聞2007年5月10日の「日米 ファッション仮想時代、最適な洋服選びにネット革命」という記事に、米国ではネットを通じ友人のコメントを見ながら試着することができるサイトも出てきた、など、利用者が買い物しやすくする工夫がいろいろとされていることが理由の1つのようです。
 日本でも、今年4月にマイボイスコムが行ったオンラインショッピングの利用に関する調査Internet Watchの記事もあり)で、オンラインショッピングの利用経験のトップは「書籍・雑誌」(47.9%)でしたが、わずかな差の2位は「衣料品」(46.0%)でした。この結果からも、アパレルのネット販売が日本でも伸びているのが分かります。

 他の経済産業省の調査結果でおもしろかったのは、日米でのECサイト選択時のセキュリティ意識の違いです。米国では、「情報送信時の暗号化などのセキュリティ対策」「パスワード入力時に、他者から見えない」「パスワード入力時に、履歴が残らない」といった項目の数値が、日本よりもずっと高いです。米国のほうが、セキュリティに関する知識がしっかりしているのでしょう。

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June 02, 2007

静かに消えてゆくSNSも

 昨年から今年にかけて、多くのSNSが生まれました。そろそろ、淘汰が始まりつつあるようです。

 まず、ムトウのhappyQUESTが4月20日に終了しました。昨年9月に開始しましたが、3月には会員に終了予告のメールが流されて、4月にあっけなく終わりました。7ヶ月の命でした。既に、ドメインごと無くなっています。現在、かろうじて、Googleのキャッシュが残っています。そのキャッシュには、次のようなムトウからのメッセージが残っていました。

日ごろより、(株)ムトウをご愛顧いただき、ありがとうございます。

誠に勝手ながら、happyQUESTは、2007年4月20日午前10時を持ちまして、すべてのサービスを終了いたしました。

これまで当サービスをご利用いただきました皆様には、ご不便をおかけいたしますこと、心よりお詫び申しあげますとともに、これまでのご愛顧に深く感謝申しあげます。
当サイト内の顧客情報や書き込みデータなどは、弊社が責任をもってすべて削除させていただきました。
また、当サイトで発行していたhQポイントは、サービス終了と同時に消滅しております。
弊社ショッピングサイトでは、最新のお買い物情報をお届けしておりますので、どうぞ引き続きご愛顧のほど、よろしくお願い申しあげます。

※ happyQUEST終了は、運営会社の諸事情によるものであり、当サイトで活躍してくださったタレントさんには、一切関係がございません。

平成19年4月20日
株式会社 ム ト ウ
http://www.mutow.co.jp

 なお、月刊ネット販売 6月号によると、happyQUESTの開始時には目標会員数を07年3月末に35万人と掲げていたが実際には数万人規模だった、とのこと。そのため、「事業の選択と集中」の方針から、採算性を重視して、終了という選択をしたとのことです。もともと、眞鍋かをり頼みで会員を集めようとしたのが失敗だったのではないかと私は思います。
 「書き込みデータなどは、弊社が責任をもってすべて削除」というのは寂しいですね。コミュニティがまるまる消えてしまうのですから。

 他にも、無くなったのではないかと思われるSNSがいろいろ出てきました。例えば、ブロロというクルマ愛好者向けのSNSも、消えてしまったようです。

 SNSを作る際には、長期的に運営することを覚悟した上で、始めてもらいたいものです。

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May 29, 2007

BtoBでもロングテール

 週刊ダイヤモンド6月2日号の「起・業・人」のコーナーに、ラクーンの小方 功社長へのインタビュー記事「死蔵された商品を蘇らせる"非ネット系"インターネット問屋」が載っていました。ラクーンは、衣料や雑貨を扱うスーパーデリバリーというBtoBのeマーケットプレイスを運営するWEB問屋で、年々成長しています。その週刊ダイヤモンドの記事の中で、ラクーンの成功要因が次のように説明されています。

問屋の多くは効率化を追求し、売れ筋商品ばかり扱ったり、手間のかかる小さな取引を縮小していた。特に衣料や雑貨業界では、メーカーは100種類作っても、問屋は売れ筋の10種類くらいしか扱わなかった。しかも、問屋のセンスで絞り込んでいた。メーカーも小売りも、そこに不満を抱いていたのだが、小方はそれを少量多品種に強みを発揮するネットを利用することで解決したのだ。

 つまり、問屋もロングテール化することで、メーカーと小売り(スーパーデリバリーの顧客は店舗を持つ小売店)に歓迎されたということです。月刊 ネット販売の6月号の特集「ネット商品調達の使い方」に、スーパーデリバリーや同業者の状況が比較されています。既に、スーパーデリバリーの取り扱いアイテム数は10万点強。二番手のDeNAのネッシーにアイテム数で約3倍の差をつけています。

 他のBtoBのサイトでも、ロングテール化で成功している例がいろいろあります。例えば、電子部品のeマーケットプレイスのチップワンストップは、提携先の電子部品メーカーの膨大な在庫情報を検索できる仕組みを構築して、約550万点もの部品を取り扱っていることが強みになっています。

 様々な商品/業界で、ネットが介在してロングテール化することで、流通のボトルネックが解消されて「豊穣の経済」に移行しつつあることを感じます。

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May 14, 2007

現状のセカンドライフ上でのビジネスについて

 世間では、仮想空間のセカンドライフの商用利用への関心が高まっています。日経産業新聞2007年5月2日の1面には、「世界の参加会員が580万人を超え、マーケティング活用を狙った企業の進出も相次ぐ」と報じられています。日経MJ2007年4月27日の1面「セカンドライフ お試しの楽園」では、「仮想の第二の生活で商品を体験させ、購入に結びつける新たな販促手法が広がりそうだ」と解説しています。

 また、月刊ネット販売2007年5月号の特集「Second Lifeって何だ?! Second LifeのEC活用」という特集では、次のような指摘があります。
 ・出店は先行投資と捕らえるべき。
 ・集客にはゲーム性も重要な要素。
 ・商品を陳列するだけでは二度と来てくれない。販売につなげるには商品にプラスαの「仕掛け作り」が必要。

 それで、実際にセカンドライフにはまっている人の意見ですが、NRIの山崎秀夫氏が、仮想コミュニティ「セカンドライフ」とマーケティングとしての可能性という講演をしています。これが、とても参考になります。セカンドライフでは、「ネットイベント」へ参加しようとする人が多いという現状が解説されています。例えば、山崎秀夫氏は自身のブログで、セカンドライフで行われたMagSl東京国際マラソンセカンドライフ初の日本人結婚式をレポートしています。また、ネットイベントの情報は、セカンドライフの内外で、クチコミで広まっているとのこと。J-CASTニュースにも、「美人コンテスト」にコスプレ セカンドライフでイベントが人気という記事があります。というように、「ネットイベント」がセカンドライフの集客で中心的になるかもしれません。

 これらの情報を総合して、私はセカンドライフを現状では次のように考えています。


  • イベントやゲームのようなインタラクティブ性が集客で重要。これは、よくオンラインゲームをしている利用者が多いと思われるため、「ゲーム」的なものが求められているためでしょうか?
  • セカンドライフの内外でのクチコミ情報が重要であり、さまざまなCGMでセカンドライフへの誘導を検討すべきでしょう。既に、Second Life(セカンドライフ)日本語版 ガイドというブログや、SLCOM(セカンドライフコミュニティJAPAN)などがあります。
  • 今のところ、あくまでもマーケティング調査のための仕組みとして考えたほうがよさそう。直接的に販売するよりも、イノベータ(革新的採用者)がどのようなものを選ぶかを見極めるのに、適切な場所でしょう。特に、イノベータがどんなデザインを選ぶかを試すのに適した場所でしょう。

 なお、実際に中に入り込んでいろいろと試したいのですが、ITmediaのセカンドライフ特集の中の“不”人気、7つの理由にあるように、入り込むのはかなり面倒そうであり、ちょっと私には時間的余裕は無いので、躊躇しています。

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April 29, 2007

マーチャント@amazon.co.jp により他の商品カテゴリーでもロングテール対応

 Amazon.co.jpの「法人向け出店型新サービス」(サイト内に別の小売業者が出店)のマーチャント@amazon.co.jpが、24日に始まりました。ITmediaの記事が詳しいです。米国では既に2002年に開始し、ドイツと英国でも昨年から始めていましたし、月刊ネット販売2006年9月号の記事で「開始に向けて着々と構築中」とのことでしたので、やっと始まったという感じです。

 アマゾンはリリースの中で、「ワンストップで購入可能な品揃えが大幅に拡大し、お客様の利便性もさらに高まります。また、商品カテゴリーにおいては、まだ取り扱いのないカテゴリーまで将来的に広げてまいります。 」と述べています。私の感想としては、アマゾンは、ロングテールへ対応するために、とても着実な手段を取っていると思います。自分がカバーできる商品カテゴリーでは、e託販売サービスなどによってロングテールに対応しています。「マーチャント@amazon.co.jp」では、アマゾンがカバーできない商品カテゴリーについて、品揃えが豊富な(ロングテール可能)な出店企業をアマゾン側で選んで出店してもらい、さらに、アマゾンのレコメンド機能も使えるようにして、ロングテールな商品カテゴリーを広げているのです。楽天のように、とにかく出店企業を増やすことでロングテールにもってゆこうという姿勢とは異なります。鈴木貴博氏が、「ロングテール」と呼ぶにはあなたのテールは短すぎるというコラムの中で、馬鹿みたいに長いテールがつくれる者だけに、「ロングテールの神様は微笑んでいる」ということなのである、と述べているように、長いテールを作ることのできる企業は限られるのです。ですので、アマゾンのやり方は効果的だと思います。

 今後は、ネット上のモールの競争激化が予想されます。楽天などのモールでは、出店企業の多さを武器にして、ロングテールをアピールするべきです。例えば、「珍品」や「レア物」を集めたコーナー(ページ)を設けるなどして、品揃えの多い出店企業をより表に出し、利用者にはロングテールを探索・実感できるようにするのがいいでしょう。

 ところで、私は、19日から26日まで北里大学病院に入院していました。病気は、だいたい完治したようです。6A病棟の看護師さんの、北村さん、露木さん、鈴木さん、高橋さん、大島さん(♂)ほか、お世話になり、ありがとうございました。また、入院中、am/pm北里大学病院店で、ケータイクレジットのiDが使えたのは助かりました。入院中は、あまり現金を持っていないので、携帯電話でクレジット払いできるのは便利でした。ケータイクレジットのありがたみを初めて実感しました。

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