March 26, 2026

文部科学省、大学学部ごとに質を「三つ星」から4段階で評価へ

 今月、読売新聞が大学学部ごとに質を「三つ星」から4段階で評価へという文部科学省の方針に関する記事を載せましたので、少し私の感想を記しておきます。小生は既に大学の常勤教員は退職しましたが、今も2つの大学で非常勤講師を務めており、大学生向けの書籍を執筆・改版(現在も新規に執筆中)しているため、大学での教育の今後の在り方への関心は強いです。

 その読売新聞の記事によると、国公私立大学の学部ごとに、学生の成長や卒業後の評判などに基づき、最高ランクの「三つ星」から「要改善」までの4段階で教育の質を評価し、評価結果はウェブサイトなどで公開、という制度を文部科学省は考えていて、2030年にも導入予定とのことです。この記事の元ネタは文部科学省の教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキングクループの第9回の資料「新たな評価」制度の在り方について(案)と思われます。現在、既に大学教育に関しての認証評価制度はあり、大学関係者は気にする評価ですが、高校の先生や受験生やその父母は見ません。「三つ星」から「要改善」までの4段階で教育の質を評価して公開されると、多くの人が見て大学選びにかなり影響が出るでしょう。ですので、多くの大学は学生の成長を意識した教育改革に積極的になると思われます。文部科学省の資料の中で、成果の測り方として、学修成果の他、受けた教育・支援の満足度、DPに掲げる資質能力を身につけた人材を社会に輩出しその人材が社会で活躍・貢献している度合、も記載されています。そのため、今後は学生の満足度や実学の面も重視されるでしょう。

 このような案は既に上記のワーキングクループで示されてきましたので、既に動きはあります。日本大学、全学生のスキルを見える化 エビデンスに基づく教育目指す 知の挑戦という日経の記事が今月出ました。学長の直轄組織である「教学DX戦略委員会」が主導し、約8万人いる全在学生のスキルや学ぶ姿勢を可視化。データのフル活用でエビデンスのある教育を目指す、とのことです。なお、日本大学が教学に関する情報を収集・分析するD-CASシステムのシステム構成(データウェアハウスや分析ツール等)については、日本大学FD研究の2025年の論文Google Cloudサービスを用いた教学情報収集・分析基盤の基礎構築に詳しく解説されています。

 もともと、教育改善のためのデータ活用は大学IR(Institutional Research)と呼ばれ、その活動に熱心な大学は少なくないです。しかし、現状は多くの大学で情報システムが分断化(サイロ化と呼ばれる)しています。学生に関するさまざまな情報、教務データ(取得単位数・成績・休学・中途退学など)、授業提出物、出欠データ、図書館利用データ、学生アンケート(満足度など)、入試・入学時データ、資格取得情報、就職支援、OB情報など、は別々の情報システムで管理されていることが多く、情報の分析が容易ではありません。情報システムを連携する仕組みを作り情報を収集してからでないと、IRのための分析ができないのが現状です。私も少し経験がありますが、様々なデータを連携させて教育改善に使うのは大変でした。上記のように文部科学省が大学の教育の質を評価して公開するという方針をはっきり出しましたので、今後、各大学はサイロ化を克服しIR活動を積極的に取り組むようになるでしょう。

 もう1つ気になる情報ですが、今月3日の「第5回 デジタル人材育成推進協議会」の資料1デジタル人材育成を取り巻く高等教育政策の諸動向についてという文部科学省の資料の中に、現在、約63万人いる大学進学者数は、2040年に約46万人まで減少すると推計。2040年における分野ごとの適正な大学進学者数として、理工農系 14万人(2024)⇒ 16万人(2040)、人社系 29万人(2024)⇒ 16万人(2040)、という数値を文部科学省は出しています。今後、人社系の学生数を大きく減らし、サイエンス系分野への学部等転換を一層強力に推進する方針とのことです(このような予測・方針は昨年11月に新聞で報道されていますので、その時点で文部科学省がどこかで公表したのでしょう)。そのため、文系に近いデータサイエンス学部がさらに増えると予想されます。

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July 02, 2024

資生堂のDXでは顧客情報の収集・活用の進化により顧客体験価値・顧客生涯価値の極大化を目指す

資生堂のDXで特徴的なのは、顧客情報の収集・活用の進化だと考えます。資生堂は、従来から顧客との接点で得られる「顧客の声」を全社的に収集・分析し、製品やサービスの改善などに生かすためのVOCVoice of Customers)活動を発展させてきました。近年は、デジタル専任のPBP(パーソナルビューティーパートナー)が積極的に顧客へ発信して、顧客の反応を知ろうとする試みも始めています。

資生堂は、利益率の高い中・高価格帯の化粧品の販売や百貨店などの店舗での対面販売へ集中する方針を取っています。見える顧客を重視し、ネットを通した画像解析「顔パシャ」や店頭から申し込むDNA検査「Beauty DNA Program」などの技術や、顧客接点の情報を統合して会員サービスをOne ID化する「Beauty Key」の仕組みから、一人ひとりにパーソナライズした最適なケアを提案して、顧客体験価値の向上を目指しています。同時に、オムニチャネル化の実現により、顧客生涯価値の極大化を狙っています。

顧客情報の収集・活用に関して、資生堂のこれまでの取り組みと最近の動向・手法を図にまとめてみました(緑色は最近2年以内に追加された機能や活動、赤色はBeauty Keyの仕組みや効果を示します)。

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August 19, 2023

「DXのためのビジネスモデル設計方法 改訂版 ビジネスアーキテクトの必須知識」の出版について

先月、DXのためのビジネスモデル設計方法 改訂版 ビジネスアーキテクトの必須知識という書籍を上梓いたしました。初版は中途半端な内容でしたが、この改訂版では、DXでのビジネスモデル発想・設計のための一通りの方法論を提供できたと思っています。

大袈裟な言い方かもしれませんが、この本で、私は「ビジネスモデルキャンバスの呪縛」を解くことができたと思っています。ビジネスモデルの検討のための手法としては、世界的に多くの人達が使っていることから、ビジネスモデルキャンバスが最善の手法と考えている人がほとんどのようです。しかし、いろいろと問題があるため、実際にビジネスモデルを発想・検討する際に利用して「うまくいかない」と思った人は少なくないでしょう。そんな時、それは自分の使い方のせいだなどと思ってしまうことが多いようです。ビジネスモデルキャンバス以外に、その派生的な図や、ピクト図などがありますが、それらもビジネスモデルを発想・検討する際には問題があります。私の経験から、何らかのビジネスモデルが浮かんでも、それをどう実現するか検討しづらいことが多いです。

ですので、思い切って、かなり異なる方法論を考えてみました。「ビジネスモデル実現ダイアグラム」など実用的なフレームワークを提案しました。なお、最後の章で述べているように、それらはビジネスモデルをAIでモデリング(たぶん、だれもしていないでしょう)した成果から生まれました。

また、副題につけましたように「ビジネスアーキテクト」(経済産業省が定義したDX推進スキル標準の1つ)の育成に役立つ内容を充実させたつもりです。

既に数十冊献本しました。営業目的というよりも、この本の方法論にはかなり自信を持っておりますので、評価または活用を考えていただきたいためです。小生独自のフレームワークはクリエイティブコモンズにしましたので、かなり自由に利用できるため活用しやすいでしょう。今のところ、自分の知り合い以外では、ビジネスアーキテクトに関わる方々や、ビジネスモデル関連の研修/教育等をされている主な企業/大学の皆さまに献本しました。献本用の本の残部がまだありますので、DX/ビジネスモデル設計の研修/コンサル等をされている方でご興味あればご連絡くださいませ。

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January 05, 2023

デジタルトランスフォーメーション(DX)のリンク集と事例集を更新しました

今週、私が更新していますデジタルトランスフォーメーション(DX)のリンク集事例集を更新しました。
事例集は、5社追加して100社を越えました。少しずつですが、DXで評判の高い企業を追加してゆくつもりです。これまで載せていた企業についても、十数社ほど新しい内容を追加しました。ご参考になれば幸いです。

 

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August 05, 2022

デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例集を更新しました

今週火曜に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例集というページを更新しました。
今年のDX銘柄に選ばれた35社(グランプリを含む)はなるべく載せる予定で、既に26社は入れています。今回追加した4社は、今年のDX銘柄で選定された企業です。ただし、もともとベンダーや通信事業者は一覧に入れるつもりはないので、日立製作所、リコー、KDDI、ソフトバンクは加えません。そのため、残りの5社を追加する予定です。

内容としては、JDIR(日本ビジネスプレス社)に私が寄稿しているケーススタディの記事や最新の動向なども追加しました。

メディアで取り上げられるDXの事例が数年前より大幅に増え、整理するのがたいへんな状況ですが、もう少し続けたいと思います。

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May 11, 2022

今年からJDIR上にDXのケーススタディを執筆しています

 自分のホームページ上のリンク集や事例集などを更新する以外に、今年から日本ビジネスプレス(JBpress)様のJDIR(JBpress Digital Innovation Review)というサイトのDXのケーススタディを執筆する仕事をいただいています。JDIR上の幡鎌執筆の記事の一覧があります。今年度から週2日大学で非常勤で教えていますし、自分の研究を進めたりセミナーの準備などもしている関係で頻繁には執筆できないのですが、何とか月に2本程度ケーススタディを執筆してゆきたいと考えております。私はWebライティングには慣れていないのですが、編集の方に丁寧に添削していただいているため、読みやすくなっていると思います。

 ケーススタディを執筆するにあたり、まずはDX認定制度の申請資料を見るようにしています。その企業がどのような姿勢でDXに取り組んでいるか(中期計画との関連など)が分かりますので、その資料を手がかりにしてさらに情報を集めて、その企業のDXの取り組みの特徴を分析するようにしています。

 選んでいる企業の基準ですが、DXの成果の面よりも、ビジョンを持って会社の理念とも結びつけてDXに取り組む姿勢を持つ企業を、特に選ぶようにしています。ヘッドハンティングで入ったCDOが一部の事業のDXに成功したりしている企業もありますが、それよりも全社的な取り組みをしている企業のほうを選んでいます。また、ディスラプタ(GAFAなど)との対抗心からDXに力を入れている企業にも注目しています。例えば、クボタの社長は日経の記事の中で、「ITプラットフォーマーが情報を吸い上げる仕組みになると農業データというクボタの強みを牛耳られてしまう恐れがある。顧客接点を生かして、農業や水、環境などの事業領域だけはGAFAから守っていきたい」と述べていて、危機感を持ってDXに取り組んでいることがうかがえます。このような企業も応援したくなります。


 また、趣味としては、1年位前からYouTube Musicに実名(Hiroshi Hatakama)でプレイリストを公開しています。70~90年代の洋楽のカバーやクラシックのアレンジモノなど、今のところ30位あります。Napster Japanの頃から音楽の定額配信でカバー曲などを聞いてきましたので、それらを集めたものです。カバーは、なつかしい昔の歌を新鮮なアレンジで聞かせてくれるものが多いので、なかなかいいものです。なお、カバー曲の見つけ方を聞かれることがありますが、普通に検索する以外に、最近は、SecondHandSongsや、WhoSampledというようなサイトで見つけたりしています。私の場合、さほど集中しなくていい仕事(情報集めや文献調査など)をしている際は、このような音楽を聞きながらのほうが効率が上がります。関心ある方(特に70~90年代の洋楽に関心のある方)はぜひ聞いてみてください。

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March 25, 2022

「eビジネス・DXの教科書 ―デジタル経営の今を学ぶ―」の出版について

先月、eビジネス・DXの教科書 ―デジタル経営の今を学ぶ―という書籍を上梓いたしました。

これまでの「eビジネスの教科書」にDXの内容をかなり加えました。また、eビジネスとDXで共通して重要なビジネスモデルに関する内容も充実させました。仕立て方としては、「デジタル経営」を学ぶための書籍となるようにしたつもりです。追加した内容が多いため、除いた内容もあります。セキュリティ技術などのIT全般の技術面の内容は除きました。eビジネスの古い動向については、大事な事例として記したおいたほうがいいものを除き、削除しました。
全体の構成は、次の図の通りです。DXとしては、eビジネスと関連が深い小売業のDXについて特に詳しく記述しました。その他の業種のDXも、できるだけ載せるようにしました。

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オビの「日本企業はDXで立ち向かえ!」については、このような書籍がDXの担当者にも役立つと思い、このような文を付けました。DXに取り組む際は、DXの動向以外にも、ビジネスモデルやeビジネスの手法や仕組みなどについても、ある程度の知識はあったほうがいいと思われます。
GAFAやネット企業等の手法や動向などを熟知したほうが、対抗または連携しやすいでしょう。DXに熱心な企業では、GAFAと対抗意識を持つ企業があります。
例えば、クボタの社長は、「農業や水、環境などの事業領域だけはGAFAから守っていきたい」と述べています。(日経のサイト、2020年12月11日)

出版社(創成社)のホームページでは、今月の特集の中にいれていただきました。最初の10ページを試し読みできます。

大学や大学院でeビジネスやDX関連の科目をご担当の先生方には献本しております。必要な方はご連絡ください。

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May 31, 2021

デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例集にDX認定企業の情報を加えました

今月、デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例集のページを更新しました。11社追加しました。加えて、昨年11月に始まったDX認定制度で、今月までに98社が認定を受けています(ただし、第一生命が重複していますので実際は97社)ので、その情報を加えました。認定された企業の申請書が公開されていますので、DX認定制度によってDX認定を受けた時期や、DX化の方針を中期計画などの資料へ記載しているか(各社の申請書をチェック)などの情報を追加しました。メディアが取材した記事と違い、企業自らがDXへの取り組み方を申請書の中で述べていますので、事例集の充実にもなります。

また、ビジネスモデルの面で、プラットフォーム構築についての評価項目を独自に加えました。自社内だけのプラットフォームは除き、社外から利用できるプラットフォームを構築している企業(または構築中の企業)は、DXへ積極的に取り組む姿勢が大きく評価できると考え、◎(既に提供済 )と○(提供予定または実証実験中)を付けました。企業間のプラットフォームを構築することは、企業内だけに比べて、桁違いの労力が必要ですが、うまく活用できた場合に得られる効果も格段に大きくなります。そのため、ビジネスモデルの評価項目として重視しています。小松製作所の坂根元会長が、「ビジネスモデルで先行し、現場力勝負へ持ち込む」という戦略を提唱している(「月刊 経団連」2019年6月号など)ように、DXではビジネスモデルの面を重視したほうがいいと思われます。特に、プラットフォーム構築が大きなポイントになるでしょう。

たぶん、今後も毎月、DX認定企業が増えてくると思いますので、来月以降も申請書をチェックして、この事例集のページを更新してゆきたいと思っています。

 

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April 03, 2021

DX関連の部署やポストが増加

先月(3月)は会社の人事異動が多いため、日経新聞には大手企業の「会社人事」の情報が載ることが多いです。
そのため、日経新聞のサイトの検索で、DXに関しての人事の検索をしてみたところ、今年1~3月の期間に関して次のような件数になりました。

人事 DX」⇒ 数百件
人事 CDO」⇒ 数十件

このように、広くDX関連の部署やポストが生まれているのが分かりました。
やはり、去年11月に経済産業省がDX認定制度を開始し、「DX推進の準備が整っている」かを企業が問われるようになったため、「DX推進部」のような部署が広く作られるようになってきたのだと思われます。

また、日本経済新聞社からのお知らせによると、今月から日経産業新聞に「DX面」ができるようです。DX関連の情報が充実すると思われますので、ありがたいです。

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February 07, 2021

DXの特集が組まれた業界雑誌

文献調査をしたところ、この半年位の間にかなりの業界雑誌でDXの特集が組まれたことが分かりました。日経コンピュータやビジネス雑誌ではここ数年注目されてきましたが、このように業界雑誌でも注目されていることから、さまざまな業界でDXが進んでいることが分かります。
これらの雑誌の記事の中から、優れたDX事例などを見つけたいと思っています。

[製造・建設・インフラ業界]

建築DX元年、日経アーキテクチュア 2021年1月14日号

特集 工場DX推進の担い手「ファクトリーサイエンティスト」の全貌、工場管理 2021年1月号

特集 道路におけるDX、道路 2020年12月号

特集 製造業DXはじめました ; 生産ラインの革新、日経ものづくり 2020年8月号

特集 いま、下水道DXのすすめ ; 維持管理、月刊下水道 2020年7月号

[流通・サービス業界]

特集 企業の存亡をかけDX対応が加速 流通業界2021年全予測、激流 2021年2月号

特集 ビジネスモデルを変革する! DX最前線、ダイヤモンド・ドラッグストア 2021年1月15日号

特集 医療・介護現場に広がるデジタルトランスフォーメーション、日経ヘルスケア 2021年1月号

特集 加速するDX : コロナショックで新たなステージへ、SC Japan today 2020年11月号

特集 放送・通信のDX : 現場が変わる、サービスが変わる、月刊 B-maga 2020年11月号

特集 DX : 先行する生活者、日本企業は追いつけるのか、マーケティングホライズン 2020年8月号

[金融業界]

特集 未来を切り開く金融DX、金融財政事情 2020-11-30号

特集 DX(デジタルトランスフォーメーション)、地銀協月報 2020年9月号

[その他]

特集 Digital Transformation (DX) : 価値の協創で未来をひらく、月刊 経団連 2020年8月号

以上

 

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