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September 05, 2018

特許無効審判、 コムスクエア 対 TIS

 昨日(9月4日)、経済産業省別館1階 第1審判廷で行われた特許無効審判の口頭審理を傍聴してきました。私は、時々特許庁の口頭審理・証拠調べ・巡回審判期日のページを見ていまして、ビジネス方法特許(ビジネスモデル特許)関連の審判を見つけた際は、都合がつけば聞きに行くようにしています。

 昨日の無効審判は、株式会社コムスクエアの特許の情報管理方法、情報管理装置及び情報管理プログラム(特許5075201)に対して、TIS株式会社が特許無効化を請求した事件です。一般に「ペイ・パー・コール」と呼ばれている機能で、ネット広告に電話番号を載せて、利用者がその電話番号に電話をかけた場合に課金する仕組みに関してでした。請求人側(TIS)が、この特許とほぼ同じ仕組みの先行技術を見つけていて、請求項1・4・7の取消しを請求しています。昨日聞いた範囲では、この審判の争点は、「情報が表示されてから一定期間」(先行技術)と「(情報管理サーバから)情報が送出されてから一定期間」(本特許)とを同一と見なしていいかという点でした。請求人側は、当業者からみてほぼ同じ意味というような主張をしていました。被請求人側は、実験的証明などを提出して同一ではないと主張していました。ディベートを聞いているようでした。
 私の感想ですが、最近のネット広告詐欺の問題として、スクロールしないと見えない箇所に広告枠が設けられているような場合があることを請求人側が提示したほうがいいと思いました。そのような問題があるように、先行技術の文献で、広告出稿側が「表示」と書いていても、実は利用者の端末では表示されてない場合があり、広告出稿側は情報を送出することを「表示」と書いていると思われます。そのような点を主張に加えると、より説得力が増すのではないかと私は感じました。

 なお、この無効事件と並行して侵害訴訟も行われているとのことでした(ダブルトラック)。ですので、無効にできる否かは請求人側にとって大きいでしょう。
 コムスクエア側はTIS株式会社の提供する「Callクレヨン」サービスに対する 特許権侵害差止等請求訴訟の進捗のご報告というリリース等を昨年出していますが、無効審判を起こされている件は発表していません。

 別件ですが、小著eビジネスの教科書に誤りがありました(ご指摘いただきました)。単純な用語の誤りです。6.7 に「ソーシャルレンダリング」とありますが、「ソーシャルレンディング」が正しいです。出版社の正誤情報のページにも記載される予定です。ケアレスミスで申し訳ありませんでした。また、ご指摘いただいた方に感謝いたします。

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