特許庁システム開発中断でベンダー側から支払い代金の返還がありましたが
今週月曜、毎日新聞のサイトに特許庁システム開発中断:東芝子会社など2社56億円返還というニュースが報じられました。東芝ソリューションとアクセンチュアが受注して、途中まで開発が進んで約55億円の支払われたのですが、2012年に中断が決まった開発事例です。その後、特許庁が返還を求め業者側と協議した結果、全額に利子などを加えた計約56億円を2社が支払い、契約を解除することで合意し、既に納付を終えているとのこと。私が担当する科目の中で、「動かないコンピュータ」の典型的な例として紹介している事例ですが、裁判にはならずに、ベンダー側が返還して終結したようです。ただし、計画が大幅に遅れたため、特許庁はその賠償まで求めてもよかったと思います。
なお、スルガ銀行の事件など、情報システムが完成しなかった場合には裁判になっている例が多いです。裁判になれば、どちらの何が問題だったかがはっきりします。
特許庁システムでは、要件定義を途中で大きく変更するなど特許庁側の問題もあったようです。ですので、どちら側のどんなところが悪かったのかはっきりさせたほうがよかったと思います。ITPro(日経コンピュータ)の2012年の特許庁システム開発中止、開発費全額返納のなぜという記事でも、より透明性のある紛争解決プロセスを確立する必要があると指摘されています。
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