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December 13, 2011

コカ・コーラ「ハピネスクエスト」は戦略的なサービス?

 先月、日本コカ・コーラから、携帯・スマートフォンで自動販売機と友達になれる「ハピネスクエスト」のサービス開始が発表になりました。これは、「マイ自販機」を登録でき、自販機からメールをもらえるというサービスです。既に、ハピネスクエスト(ハピクエ)のサイトができています。

 このサービスについて、ネットでは「変なサービスを出したね~」というような反応が多いようですが、私は、自動販売機チャネルでの販売を活性化させるためのコカ・コーラの戦略的なサービスだと感じています。まずは限定アイテムを配布する位のサービスから始めるようですが、将来的にはM2C(Machine to Consumer)ともいえるようなコミュニケーション手段になりえるでしょう。そうすると、自動販売機での販売を活性化させるための非常に重要な手段になる可能性があります。ただし、電子マネーを使った支払いの情報とひも付けることが望まれます。ハピネスクエストの登録時にSUICAやPASMOのIDを入力してもらうなどして、ひも付けることができると、利用者が何を買っているかの情報に基づいたメッセージを送ることができるためです。それと、自販機の無線ネットワーク化(従来からドコモを使ったM2Mのネットワーク化が進行中)がさらに進んで、ハピネスクエストから自販機の在庫状況に応じたメールが送られることが望まれます。

 なお、コカコーラの販売事業は、地域のボトラー会社に分かれていますが、販売情報は全て日本コカ・コーラに集まり、データウェアハウスに格納されます。日本コカ・コーラには、その情報を分析する専門部隊もあり、データはマーケティングや商品開発に活用されているとのこと。
 さらに、日本コカ・コーラは、SBL (Shopper Behavior Landscape) というサイコグラフィック分析も行っています。その手法で、買物客を5つのセグメントに分類したり、購買行動を7つに分類したりします。商品についても、「ニードステート」と呼ばれる19種類の動機で市場を分けているため、自動販売機の購入状況から購入者の購入動機を推測できるかもしれません。

 なお、他の会社では、すでにJR東日本内の自販機(JR東日本ウォータービジネスが運営)では、支払いの約半分で電子マネーが使われているとのことです。そして、電子マネーの分析より、上位10%の顧客で売り上げの50%を占めていることが判明したとのこと。また、電子マネーからの情報だけでなく、JR東の駅構内のデジタルサイネージ付きの自販機(性別・年代を推測して飲料をおすすめするもの)では、推測した性別・年代をPOS情報に加えています。そのように、自販機の情報分析は進んでいます。

 ところで、ちょうど先月、野村総研から清涼飲料の自動販売機における電子マネーを活用した新たなマーケティング戦略 ~電子マネー決済を契機とした“ビッグデータ”の有効利用で活路を見出す~というレポートが出ました。そのレポートでは、自販機もつぶやけば、といった提案がされています。しかし、私の感想としては、ハピネスクエストのような仕組みで、利用者の購入商品や気分(予測)に応じたメールを利用者毎に送れたほうが望ましいと思います。

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