« November 2011 | Main | January 2012 »

December 31, 2011

「データウェアハウス」という筑波大の大学院の集中講義を担当

 先月から今月にかけての土曜の午後、筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻(修士課程)専門科目の中の「データウェアハウス」という科目を担当しました。この授業を担当するのは、2006年度2008年度に続いて3回目でしたが、最近はこの辺りの技術が急速に進んでいますので、授業の準備や進行が難しかったです。

 私は、データウェアハウス技術の専門家というわけではありませんので、情報システム導入/活用のための課題や基本的な考え方について(その中で、特にデータウェアハウスや情報分析に関する話を中心に)講義をしました。途中、学生に宿題をだしたり、グループワークさせたりして、考えさせる授業を心掛けました。
 データウェアハウスや情報分析を教える上では、ダベンポート他による分析力を武器とする企業と、分析力を駆使する企業 発展の五段階の2冊が役立ちました。先進事例を分析して、方法論までまとめてあるため、中身のある本でしたので、詳しく学生に紹介しました。加えて、私が集めている事例から、国内の事例を業種別に提示して、業界毎の課題とデータウェアハウス/情報分析の活用方法を学んでもらいました。M2Mやネットのビッグデータの話も多少紹介しました。授業の最後には、実際のデータウェアハウスの活用方法やご苦労されている点について、先進的な大手のユーザ企業の情報システム部門の方のお話を聞きました。そんな内容でしたので、社会人学生に役立つような授業ができたのではないかと思います。

 今月は、自分の大学の公務もいろいろとあり、目が回るくらい忙しかったです。また、来月授業が再開する前までに、教科書の改版の執筆を終えないといけません。しかし、それも何とか目途がたった感じで一段落でき、やっと年を明けられそうです。

 それでは、よいお年を。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

December 13, 2011

コカ・コーラ「ハピネスクエスト」は戦略的なサービス?

 先月、日本コカ・コーラから、携帯・スマートフォンで自動販売機と友達になれる「ハピネスクエスト」のサービス開始が発表になりました。これは、「マイ自販機」を登録でき、自販機からメールをもらえるというサービスです。既に、ハピネスクエスト(ハピクエ)のサイトができています。

 このサービスについて、ネットでは「変なサービスを出したね~」というような反応が多いようですが、私は、自動販売機チャネルでの販売を活性化させるためのコカ・コーラの戦略的なサービスだと感じています。まずは限定アイテムを配布する位のサービスから始めるようですが、将来的にはM2C(Machine to Consumer)ともいえるようなコミュニケーション手段になりえるでしょう。そうすると、自動販売機での販売を活性化させるための非常に重要な手段になる可能性があります。ただし、電子マネーを使った支払いの情報とひも付けることが望まれます。ハピネスクエストの登録時にSUICAやPASMOのIDを入力してもらうなどして、ひも付けることができると、利用者が何を買っているかの情報に基づいたメッセージを送ることができるためです。それと、自販機の無線ネットワーク化(従来からドコモを使ったM2Mのネットワーク化が進行中)がさらに進んで、ハピネスクエストから自販機の在庫状況に応じたメールが送られることが望まれます。

 なお、コカコーラの販売事業は、地域のボトラー会社に分かれていますが、販売情報は全て日本コカ・コーラに集まり、データウェアハウスに格納されます。日本コカ・コーラには、その情報を分析する専門部隊もあり、データはマーケティングや商品開発に活用されているとのこと。
 さらに、日本コカ・コーラは、SBL (Shopper Behavior Landscape) というサイコグラフィック分析も行っています。その手法で、買物客を5つのセグメントに分類したり、購買行動を7つに分類したりします。商品についても、「ニードステート」と呼ばれる19種類の動機で市場を分けているため、自動販売機の購入状況から購入者の購入動機を推測できるかもしれません。

 なお、他の会社では、すでにJR東日本内の自販機(JR東日本ウォータービジネスが運営)では、支払いの約半分で電子マネーが使われているとのことです。そして、電子マネーの分析より、上位10%の顧客で売り上げの50%を占めていることが判明したとのこと。また、電子マネーからの情報だけでなく、JR東の駅構内のデジタルサイネージ付きの自販機(性別・年代を推測して飲料をおすすめするもの)では、推測した性別・年代をPOS情報に加えています。そのように、自販機の情報分析は進んでいます。

 ところで、ちょうど先月、野村総研から清涼飲料の自動販売機における電子マネーを活用した新たなマーケティング戦略 ~電子マネー決済を契機とした“ビッグデータ”の有効利用で活路を見出す~というレポートが出ました。そのレポートでは、自販機もつぶやけば、といった提案がされています。しかし、私の感想としては、ハピネスクエストのような仕組みで、利用者の購入商品や気分(予測)に応じたメールを利用者毎に送れたほうが望ましいと思います。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« November 2011 | Main | January 2012 »