書評「Business Model Generation」
Business Model Generation(A. Osterwalder & Y. Pigneur, 2010)という本をご紹介します。前半はだいたい読み、後半は飛ばし飛ばし読みました。この本は、ダイヤモンドオンラインの先読み!人気のビジネス洋書にも紹介されていて、「ビジネスモデルを創造するたくさんのヒントが隠されています」と評価されています。実際、この本で提唱されているBusiness Model Canvasと呼ばれるビジネスモデルを記述する図(テンプレート)は、多くの企業で使われているとのことです。私も、これまでビジネスモデルを記述する図をいくつか見たことがありますが、このBusiness Model Canvasは分かりやすく、かつ、ビジネスモデルを細かく記述できて、実用的と感じました。
私は、先週の大学院の授業(情報戦略特論)で、この本の中の「1. Canvas」の最初の部分と、「2. Patterns」の中の「Multi-sided Platforms」と「FREE as a Business Model (Freemium)」の部分を読みました。それぞれのPatternの中には、いくつか事例が示されているため、この辺りを読み議論することで、ビジネスモデルについてある程度理解してもらえた感じでした。今後、学部のゼミでも少し読もうと思っています。
この本は、是非とも翻訳してほしい本です。翻訳してもらえれば、ゼミで一通り輪読したいですし、今後「ビジネスモデル開発演習」のような科目を学部に設けたいと思っているのですが、そのような科目のテキストとして使えそうです。
なお、この本の副題は、「A Handbook for Visionaries, Game Changers, and Challengers」です。日本には、Game Changer(業界のルール自体を変えてしまおうとする戦略家)を目指す若者が欧米よりもずっと少ないと思います。このような本を参考にして、是非とも、ビジネスのゲーム自体を変えてしまおうという野心を持ってもらいたいものです。
[追記] (2012/3)
やっと翻訳本がでました。ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書という本です。よかったです。
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