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June 08, 2011

放送大学「格差社会と新自由主義」と幸福度指標

 放送大学で今年4月から放送されている格差社会と新自由主義という科目がおもしろいです。新自由主義的な市場化政策によって格差が広がっていることや雇用が不安定化しているなどの問題を学び、その上であるべき経済/社会政策を考えさせる内容です。これまでは、経済学や社会学の面から学んでいて、今後は哲学の話(正義論)も出てきます。

 新自由主義に立脚した政策は、経済活動を最大化させることはできるのかもしれませんが、社会的には多くの弊害を生みます。ですので、多面的に考える必要があるテーマであり、このような構成の科目で考えるのは適切だと思います。

 また、最近では、経済的な豊かさの指標だけではなく、幸福度指標のような考え方も出てきました。幸福度指標の制定に関する番組として、先週、NHKで、クローズアップ現代幸せのモノサシ~指標づくりの模索~という番組が放送されていました。その番組の中では、まず、OECDが幸福度を測定する11項目の「より良い暮らし指標」を発表したことが取り上げられていました。その狙いですが、OECDの統計局長は「大事なのは個人です。経済ではありません。」と語っていました。経済の発展だけを目指してはいけない、ということです。また、幸福度を上げるためのブータンや荒川区の取り組みも紹介されていました。そのような取り組みを見ていると、新自由主義への疑問をより強く感じてしまいました。

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