今年夏(8月)、OracleがGoogleに対して、AndroidがJavaの知的財産を侵害しているとして提訴しました。オープンソースどうしの対立でしたので、すぐに和解するのではと予想していましたが、なかなか解決しません。
今週月曜(11/29)、産経新聞にアンドロイド訴訟の背景という記事が載りました。 この記事の中で、グーグルはアンドロイドを無償提供していて受益者ではないことから、この知的財産訴訟の問題は難しい、と解説されています。しかし、GoogleはAndroidによって携帯電話(クライアント側)を押さえることで、利用するサービス(サーバ側)の選択肢で優位に立つことを狙っているはずなのです。検索サービスだけでなく、今後は広くクラウドのサービスを展開するでしょう。サーバ側のサービスだけがGoogleに利益をもたらすため、携帯電話側はオープンソースにしてもいいのです。ですので、Googleは受益者であるといえます。しかし、それだけの問題ではありません。
この訴訟の背景となっているのは、GoogleのAndroid OSに含まれるDalvik VM(Java VM相当)が、Java VMと非互換なところが多いことです。Javaは "Write once, run anywhere"(一度プログラムを書けば、どこでも実行できる)が売りです。ですので、Oracle(Sun)側は、アプリ開発者の便益も配慮してJava(のインターフェース)を守りたいということが一番の理由のようです。さらに問題をややこしくしているのは、両方ともオープンソースであることです。オープンソースのコミュニティでは、7月に書きましたように、ソフトウェアについての知的財産権について否定的です。ですので、Google側は強く反発しています。このあたりの問題の詳細は、日経BPの記事Oracle対Google裁判は、AndroidとOSSの将来を左右するをご覧ください。
ただし、両方とも初めからオープンソースとして開発したのでなく、一通り開発が終わった後にオープンソース化したそれぞれの企業の戦略的な製品です。特に、上記に示したように、GoogleはAndroidでサーバ側のサービス提供で優位に立つことができるわけです。他方、Oracle(Sun)側は、Javaの影響力が弱まってしまうことの心配が大きいのでしょう。
オープンソースのコミュニティを巻き込んだ訴訟である(【海外事件簿】オラクルVSグーグルの訴訟を参照のこと)ため、両社が共通善をもたらす「大人」の解決(例えば、Dalvik VMがJava VMとの互換性を高めるなど)に向かうことを期待します。
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