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August 26, 2010

「発明のコモンズ」、虎ノ門の書店にあります

 発明のコモンズは、マイナーなテーマの本ということで、普通の小さな書店には置かれていませんが、特許関連の本ですので、虎ノ門の書店に置けないか出版社と話をしていました。その結果、虎ノ門駅(東京メトロ)から特許庁に行く途中にある書原霞ヶ関店に置いてもらえました。本日夕方、用事で近くに来たためこの書店に寄ってみましたが、小さいほうの入り口(霞ヶ関ビルディングに向かう階段/エスカレートの横)から入ったすぐのところに平積みされていました。なお、この書店には、私の本だけでなく、特許関連の本が豊富にあります。

 虎ノ門近辺にお勤めの方や、虎ノ門に用事で行く予定のある方は、是非書店で手にとってみてくださいませ。

 もちろん、ネットからの購入もできます。アマゾン楽天ブックスブックサービス紀伊國屋書店BookWebジュンク堂ネットストアHON、など。

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August 18, 2010

「発明のコモンズ」のオビについて

 先週このブログで紹介しましたように、小著の「発明のコモンズ」という本が今月出ます。やっと、私のところに本が届きました。まだ購入はできませんが、Amazonにも情報が載りました。来週くらいには、Amazonから購入できるようになると思います。

 この本のオビの下のほうに書かれている「2025年までに特許制度がなくなる!」というのは、私の予測というより、EPO(European Patent Office:欧州特許庁)が2007年に発行した未来のシナリオ(Scenarios for the future)という資料に書かれていることです(なお、そのサイトから全文をダウンロード可能[コメントいただき修正])。そのEPOの資料では、2025年時点で特許制度がどうなっているかについて4種類のシナリオを示しています。その3つ目のシナリオ「知識の木」(Trees of Knowledge)では、特許制度は世界中でほとんど廃止されると予想しているのです。ネットで読める日本語訳としては、要約レベルですが、経済産業研究所のサイトに、EPOの「未来のシナリオ」(Special Report)があります。

 オビには少しショッキングなことを書いたほうが書店で目にとまりやすいため、出版社には、「2025年までに特許制度がなくなる?」と、「?」付きでオビに書いてくれてもいい、と伝えたのですが、「!」付きで書かれてしまいました。そこまで確信を持った主張ではないのですが、新書なのでかなり部数を売らないといけないため、しかたないでしょう。

 このEPOの「未来のシナリオ」がなければ、私もこのような大胆な本を出すことはなかったでしょう。この資料を知る前から、著作権で利用され始めたクリエイティブコモンズのように、発明でもコモンズ的な制度を考え始めたほうがいいのでは(特許制度を一から見直すべき)と考えてはいましたが、そんなことを言っても全く相手にされないのでは、と感じていました。ですので、このEPOの資料を心強く感じたのです。

 私の主張は、現状の特許制度は局所最適(最適に見えるが、全く違う制度を考えるともっと適した制度が存在)ではないだろうかということです。パテントトロール問題やインテレクチュアル・ベンチャーズのビジネスの問題点に対して、根本的な解決手段を考えるべきだと思います。また、オープンソースやオープンイノベーションの流れから、発明のしかたや実施方法も大きく変わってきたのです。ですので、これまでの特許制度を一から見直す位のことを、多くの研究者が考え始める時期に来たと思います。私の本は、そのようなことを問題提起するための本です。

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August 17, 2010

「ソーシャル・メディア(CGM、UGC)」の情報を更新しました

 「eビジネス/eコマースの動向と技術」の中の、ソーシャル・メディア(CGM、UGC)のページを更新しました。これまでは、CGM という名前でしたが、「ソーシャル・メディア」という呼び方が一般的になってきたので、ページのタイトルを変更しました。今回は、Twitter利用のマーケティングという項目を新たに作りました。この1年間で多くの事例が出てきています。その他、全体的に情報を追加しました。ブログ等を利用した事例などもより充実させました。

 先月末から今月の初めにかけて、BtoC ビジネスと、ネット広告/ネットマーケティングのページも更新しました。

 eビジネスという科目を担当している間は、これらの情報を自分で日々集め、まとめ続ける必要がありそうです。

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August 11, 2010

「発明のコモンズ」という本を出します

 小著「発明のコモンズ」が今月発売になります。既に、出版社(創成社)のホームページには、書籍詳細が載っていますし、先週土曜には日経新聞に広告を出したようです。

 しかし、まだ私のところに本が届いていません。たぶん、書店に並ぶのは今週末くらいになりそうです。Amazonでもまだ入手できません。本日時点で、既に丸善のサイトに書誌情報が出ていますが、まだ在庫がないためか購入はできません。遅れていまして、申し訳ありません。

 本書のテーマは、発明は、特許制度のような独占排他権ではなく、あるルール(先行者優位を強めるルールなど)に従えばだれでも利用できるコモンズ的な制度で運用するべき、というものです。私は、発明の財産性には否定的です。パテントトロールのような問題がつきまとうためです。オープンソースのように、皆で発明を育てたほうが、社会全体で見るとずっと効率的です。ただし、発明のためのインセンティブをどう与えるかを工夫する必要があります。現在のオープン・イノベーション化の傾向からも、このような制度が望まれるはずです。副題に、「サービス・イノベーション」という用語が出てきますように、まず、5~7章では、サービスの発明について具体的にコモンズ化を検討しています。そして、第8章で特許制度に代わる知的財産制度を検討しています。なお、全般的に学際的な内容ですが、4章と終章では思想的な面が少し強くなってしまいました。

 以下は、章構成です。

  まえがき
  第1章 イノベーションと知的財産制度の未来
  第2章 イノベーション促進のための政策の問題点
  第3章 特許制度の根本的な問題点
  第4章 知的コモンズの考え方
  第5章 サービスイノベーションの可能性
  第6章 サービスの発明の保護と共有
  第7章 元祖権
  第8章 特許制度に代わる知的財産制度を考える
  終章

 一般の書籍として出してもよかった(そのほうが学術的な価値は高い)のですが、それですと3000円以上になってしまいそうでした。問題提起の本ですので、できるだけ多くの方々に読んでいただきたかったため、新書として出してもらいました。なお、特許制度/イノベーション/コモンズ関連の研究者の方々、ソフトウェア特許関連の弁理士の方々、行政でこのような制度に関わりがありそうな方々など、計百数十名の方々に献本させていただきます(既に、出版社に献本先リストを提出済み)。

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August 06, 2010

産業革新機構によるライフサイエンスに特化した「知的財産ファンド」

 今週水曜(8/4)の朝日新聞の朝刊の1面に、大学に眠る特許、世界に売り込め 知財ファンドに集約へという記事が出ていました。官民でつくる産業革新機構が、ライフサイエンス(生命科学)に特化した国内初の「知的財産ファンド」を立ち上げるそうです。ファンドの運営は、「知的財産戦略ネットワーク」が行うとのこと。

 本日正式発表があり、Yomiuri Online等で報道されていました。投資ファンドの名称は「エルシップ(LSIP)」だそうです。

 私は、以前、インテレクチュアル・ベンチャーズのビジネスの根本的な問題点というエントリーの中で、発明の本当の価値は、発明が実施されて初めて、利用者への便益として発生するため、発明への投資は望ましくないと説明しました。この産業革新機構の知的財産ファンドについても、知的財産への投資であれば反対です。ただし、ベンチャー企業への投資の中の付加サービスとして、必要な知的財産の調査や、ライセンスまたは購入の交渉の代行を行うのであれば、問題は少ないでしょう。ライフサイエンス分野で起業しようという者が自分の持つ技術だけでは事業化できない場合、そのように知的財産を扱うファンドが助けてくれれば、起業しやすくなるでしょう。ただし、そのベンチャーの事業がうまくいかなかった時に、購入して集めた知的財産を別な企業に売る、といった事態が起こるかもしれませんが、それはしかたないでしょう。

[追記] (2010/8/8)
 発表内容をよく読むと、純粋な「ファンド」という感じではありません。製薬会社数社が出資するようなので、実質的には、特許を使う側が共同で特許を購入するような感じにも見えます。その際、その資金の一部は、産業革新機構(政府系ファンド)から出るというものです。ですので、パテントプールに似ています。このような狙いの運用であれば、あまり問題は生じないかもしれません。

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