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June 04, 2010

iPadに関してあまり語られない話題

 電子書籍端末のiPadが人気のようですが、日本であまり語られない話として、1994年にKnight Ridder社で研究された電子新聞端末の話と、アップルの垂直統合の話について少し書いておきます。
 1994年にKnight Ridderという新聞社のロジャー・フィドラー(Roger Fidler)さんが、The Tabletという電子新聞端末を研究していました。その頃、何かの雑誌で私も見た記憶があります。なお、この人は現在も電子書籍の話題で時々出てきます。

 うろ覚えだったため、ググってみたところ、米国ではいろいろな人がこの電子新聞端末とiPadとの関連について書いています。
Knight-Ridder Predicted Apple Tablet in 1994
Apple - iPad 2010 vs The Tablet 1994
An eerily prescient 1994 vision of the 2010 iPad

 Knight Ridder社の研究所で研究中の内容についての動画もありました。この動画では、ロジャー・フィドラーさんが自らの夢を語っています。また、食事中に電子新聞を読んでいる(と動画も視聴している)デモも出てきます。つまり、iPadは16年前から人々が夢見てきた製品ということが分かります。

 iPadに関してもう1つの話題は、アップルの経営は垂直統合によってスピード感を増してきているという話です。アップルは、ご存じのように(私の授業でも取り上げています)全ての製造を外部委託している、いわゆるファブレス企業です。しかし、機器の設計、ネットのサービス、ソフトウェア(OSと開発環境)は自らが提供しています。iPadではCPUも自前です。グーグルのように美味しいところ(アンドロイド)だけ握ろうという戦略ではありません。このようなアップルの経営は、新しいタイプの垂直統合といえると思います。Newsweek誌は、iPadの垂直統合という賭けという記事の中で、「時代遅れのビジネスモデルを復活させた」と述べています。
 その効果の点では、グーグルがパートナー企業を増やそうとしている間に、アップルはこの垂直統合を活かしたスピードで、iPhoneやiPadで既に多くの利用者や一般企業を巻き込んでいます。いち早く利用者まで巻き込んだほうが勝ちなのです。時代遅れのビジネスモデルですが、垂直統合が強力であることがよく分かります。ジョブズの強力なリーダーシップのなせる技なのでしょうが。

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