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June 27, 2010

シンポジウム「医療行為・製薬イノベーションをめぐる法律問題」を聴きに行きました

 昨日(6/26)午後、東京医科歯科大学で開かれた医療行為・製薬イノベーションをめぐる法律問題:欧米最新動向というシンポジウムを聴きに行きました。東京医科歯科大学 知的財産本部が中心となって、海外の研究者も呼んで開かれたイベントでした。

 私は医療関係の特許やゲノム特許についてあまり詳しくないので、知識を得るために行きました。内容は興味深いものでしたが、それより医療関係の知財制度では、justice(正義)の観点が重要視されることが特に興味深かったです。やはり、弱い立場の人のことを十分に考慮した制度でなければならないという点は、他の産業とは違います。

 ゲノム特許では、ゲノム等の解明に情報提供の面で貢献した人々や部族の権利として、Informational Property とでもいうようなもの(著作権に近い?)も検討されているとのことで、このような面も今後検討されるべきなのでしょう。

 なお、このシンポジウムの内容は後援した早稲田大学の知財のサイトに載るようなことを、シンポジウム最後に高林先生が言われていました。詳細は、そちらを見てください。

[変更履歴]
2010/9 コメントでご指摘いただいたことから、大学名を修正。

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June 13, 2010

企業内でのiPadの利用について

 iPadは、個人利用だけでなく、企業内での利用も注目されています。まず、アパレル販売のニューヨーカーは店頭販促ツールとして導入しました。また、大塚製薬は営業社員向けに導入を決めました。医薬品の説明する用途と、MRの学習用にも活用する予定とのことです。ガリバーも営業担当者向けに導入し、中古車の出張販売に利用する予定。全て社員向けの利用としては、ベスト電器が社内会議に利用するとのこと。

 このように、iPadはこれまでのPCとは違った用途が考えられています。情報を見たり、見せたりする用途です。iPadで表計算やワープロソフトを使うようになるのか、というようなことが話題になりますが、私は情報を作る用途よりも、参照したり分析するような用途で主に使われると予想しています。ですので、BI(Business Intelligence)・OLAPツールとして、データをドリルダウンしたりダイス分析するようなアプリケーションが有望だと思います。その際、指だけを使って、そのような操作がうまくできなければいけないでしょう。指で指定した部分を表にしたりグラフ化するような操作も望まれるでしょう。

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June 04, 2010

iPadに関してあまり語られない話題

 電子書籍端末のiPadが人気のようですが、日本であまり語られない話として、1994年にKnight Ridder社で研究された電子新聞端末の話と、アップルの垂直統合の話について少し書いておきます。
 1994年にKnight Ridderという新聞社のロジャー・フィドラー(Roger Fidler)さんが、The Tabletという電子新聞端末を研究していました。その頃、何かの雑誌で私も見た記憶があります。なお、この人は現在も電子書籍の話題で時々出てきます。

 うろ覚えだったため、ググってみたところ、米国ではいろいろな人がこの電子新聞端末とiPadとの関連について書いています。
Knight-Ridder Predicted Apple Tablet in 1994
Apple - iPad 2010 vs The Tablet 1994
An eerily prescient 1994 vision of the 2010 iPad

 Knight Ridder社の研究所で研究中の内容についての動画もありました。この動画では、ロジャー・フィドラーさんが自らの夢を語っています。また、食事中に電子新聞を読んでいる(と動画も視聴している)デモも出てきます。つまり、iPadは16年前から人々が夢見てきた製品ということが分かります。

 iPadに関してもう1つの話題は、アップルの経営は垂直統合によってスピード感を増してきているという話です。アップルは、ご存じのように(私の授業でも取り上げています)全ての製造を外部委託している、いわゆるファブレス企業です。しかし、機器の設計、ネットのサービス、ソフトウェア(OSと開発環境)は自らが提供しています。iPadではCPUも自前です。グーグルのように美味しいところ(アンドロイド)だけ握ろうという戦略ではありません。このようなアップルの経営は、新しいタイプの垂直統合といえると思います。Newsweek誌は、iPadの垂直統合という賭けという記事の中で、「時代遅れのビジネスモデルを復活させた」と述べています。
 その効果の点では、グーグルがパートナー企業を増やそうとしている間に、アップルはこの垂直統合を活かしたスピードで、iPhoneやiPadで既に多くの利用者や一般企業を巻き込んでいます。いち早く利用者まで巻き込んだほうが勝ちなのです。時代遅れのビジネスモデルですが、垂直統合が強力であることがよく分かります。ジョブズの強力なリーダーシップのなせる技なのでしょうが。

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