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September 15, 2009

インテレクチュアル・ベンチャーズのビジネスは注意要

 昨年10月に、インテレクチュアル・ベンチャーズ社とオープン・イノベーションとパテントトロール問題という書き込みをしました。今年前半には日本での活動も目立ってきましたので、インテレクチュアル・ベンチャーズ社(IV社)を再度取り上げます。

 この夏、情報処理(情報処理学会の会報誌)の8月号に「発明パートナー募集」という、IV社のパンフレットが添付されていました。ここまで来たのかという印象でした。また、日刊工業新聞主催のイノベーション創出コンテスト2009に共催しています。その募集要項に、「優秀な新規発明案件は、コンテスト終了後、応募者の同意の下、共催者が購入する場合があります。」とあります。たぶん特許化可能かの公知公用例の調査してから購入するのだと思いますが、コンテストを通して、特許技術をそろえようという戦略のようです。

 中小企業ニュースの米IV創設者兼最高技術責任者のエドワード・ジュング氏へのインタビュー記事(2009年07月02日)によると、

 日本では原則として、特許未取得の技術や発明に対して投資するビジネスに特化する。当該技術を持つ発明家や研究者の特許取得を手伝い、それを非独占的に国内外の複数企業へ提供して利用料を得る。大学の研究室の技術も対象となる。国内や地域産業への貢献が主眼の技術移転機関(TLO)とは、海外展開を狙う点で差別化できる。特許取得に関する費用はIVが出す点で大学側にもメリットがある。
 というように、日本では特許未取得の技術や発明を狙っているとのこと。また、特許取得に関する費用はIV社が出してくれるようです。

 日経ものづくり2009年7月号にも特許の壁を壊せ“最強の「破壊者」現る”という記事でIV社のことが解説されています。「値段は市場価格」(p.43)であり、パテントトロールとは違う、と説明されていて、あまり問題視していません。
 しかし、韓国では大きな問題になっています。Business i.の韓国で強烈 「トロール」たたきという記事にあるように、IV社は韓国マスコミの強烈なバッシングを浴びているとのこと。

 私も、IV社は警戒すべきと思います。アイデアだけのマーケットであれば、健全でしょう。しかし、特許となると独占排他権が伴います(少なくともライセンス料を自ら決められる権利を持ちます)。強い特許ポートフォリアを構築できれば、その業界での立場は強くなってしまうでしょう。自分で発明を実施しないのに特許を集めようという企業が強くなると、産業全体での活力が弱まることが危惧されます。また、現在は技術の商社のような経営をしているようですが、経営者が変わった場合などに、パテントトロールに豹変する可能性もあります。そのため、IV社のようなビジネスは、禁止しないまでも、認可制にして、独占禁止法を強めに適用するといった政策が望ましいと思います。

 大学側にとって、研究を買い取ってくれるのは、次の研究の資金になるため望ましいことです。しかし、これは国が考えるべきことだと思います。科研費や重点分野の補助金を出してくれる際に、特許を出願・取得すれば余分に(ご褒美として)資金を出すような制度が望ましいと思います。そうすれば、国策として特許ポートフォリアを構築でき、国際的競争力強化につながるはずです。

 ところで、2007年から研究しているサービス産業向けの発明のコモンズ制度元祖権についての論文が、日本知財学会論文誌に載ることが決まりました。たぶん今年度内に出る号に載るでしょう。やっと知財関係者に広く知ってもらえるようになりそうです。

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Comments

はじめまして。メーカーで特許担当をしています。

>独占禁止法を強めに適用するといった政策が望ましいと思います。

IVは技術分野の特許を集めてポートフォリオを組んでまるごとライセンスしてくれるようなので、業界によっては音楽で言うJASRACみたいな働きは期待できるかもしれません。権利者1社1社と交渉するのもまた骨が折れますからね。そうなると独禁法が逆に足かせになるかもしれませんね。

国がやるべきだ、という意見は大賛成です。

Posted by: さすらいの知財マン | September 24, 2009 at 09:58 AM

「さすらいの知財マン」さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
おっしゃることはもっともだと思います。現在IV社は、特許ポートフォリオを非独占的に適正価格でライセンスする方針のようなので、その方針が続いている間は問題ないかもしれません。しかし、経営が苦しくなった時などに、その方針が変わるかもしれないのが私は怖いのです。

Posted by: hatakama | September 25, 2009 at 12:06 AM

財政に新たに歳入と繋がる革新技術
国際特許発明名称(インホイールジェネレーター)
人類、文明の社会の中での便利で豊かさを求め進歩していく為の前提となる弊害発生、負荷の掛からない知恵を持って取り組む革新技術開発の条件は、すでに仕組まれている宇宙、地球システムの中の自然エネルギーを応用する事が大前提となる

人を含め物流移動(自動車)は便利で豊かに成る為の今までのエネルギーは弊害発生の又一部の石油産出国だけを膨大に潤してきた化石燃料応用の矛盾した世界不平等の何時までも続かない何れ枯渇するエネルギー、今後代替エネルギーとなるエネルギーコストの掛からない新たな自然無限エネルギーと成る物は、負荷(コスト)の掛からない発生をしない新たな自然エネルギーとなる重力

多くの星の中でも地球だけに強力に働いている重力、生命を宿し維持していく為の数々の物理的に働くエネルギー(単なる落ちる力としか考えていない、エネルギーでは無いと)水力発電も応用の仕方で無限自然エネルギー(重力が無ければタービンは水が在っても回転しません)応用技術の一つ

新たの今回の革新技術の発掘、地球の隅々まで働く重力応用技術、今までは便利で豊かに成る為の移動に掛かるエネルギー(化石燃料)が大変な負荷又、弊害排気ガス排出を伴い一見豊かに見えてもそうでない現状を今後を乗り切る為の提案の一つ

この技術の内容を国際特許出願、発明名称(インホイールジェネレーター)で世界に人類の豊かに成る為の知的財産価値として日本から推し進めるものです、夢の様な技術、けしてそうではありません実行可能な負荷の発生しない技術、自動車(軽大型車トラック、バス)全てに可能な街中走行から遠距離走行に化石燃料を使用しないエネルギーコストの掛からない自然無限エネルギー応用、自動車社会だけでも化石燃料(石油産出国から仕入れてきた燃料代を削減に繋がる)を買い入れしなくて済む財源の大幅な削減

国民の税金で動いています車(公用車、自衛隊、パトカー、救急車、)
の大幅な削減、それを歳入として高齢者社会、子供養育費などに振り当て、企業にても運送、物流経費の大幅な削減に繋がります自家用車保有の一般家庭にも大幅な経費の削減、

以上のように車社会で便利に豊かになったように見える現状は大変な負荷の掛かっている中、国の政策だけでは限られた乗り切れない
文明社会の仕組みの人類、与えられた知恵を持って可能にする技術革新の発掘努力が全てを解決に

先人の知恵によって重いものを運ぶ為に考えられた車輪、その車輪に掛かる荷重にそれぞれの車の持ち合わせた自重が地面に接する箇所で荷重力の働きを受け、(この部分3段は削除しています)掛からない、コンパクトに成るパスカル原理を基に空気圧、油圧原理応用発電システムでこれからのEV車の電力供給源となるシステムの構築、革新技術

テクノロジーウィズダム
      今村 義輝

Posted by: 今村義輝 | December 13, 2010 at 10:31 AM

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Tracked on September 24, 2009 at 05:15 PM

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