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April 16, 2009

知的コモンズに関する研究と私が執筆中の本について

 先月から、知的コモンズに関する洋書を読んでいます。次の2冊です。

 ・James Boyle (著) The Public Domain: Enclosing the Commons of the Mind, Yale Univ Press, 2008.
 ・Henry C. Mitchell (著) The Intellectual Commons: Toward an Ecology of Intellectual Property, Lexington Books, 2005.

 Boyleの本の内容は、CreativeCommonsのライセンスでネット公開されています。全文をPDFでダウンロードできます。本の中を検索できて便利です。

 これらの本を読んでいる理由は、6月の日本知財学会で発表するためでして、5月6日までに4ページの論文にまとめます。

 なお、知的財産法の大御所の中山先生(昨年東大を退官)でさえ、「知的財産制度の置かれている現状と課題」(特許研究2008/9)という論文の中で、今後コモンズについて考える必要性を述べています。

知的財産の世界では、コモンズという大きな流れがあることも見落としてはならない。
情報の独占をご褒美として与えて社会全体の発展を図るというスキームに限界が現れた、ということを意味するかもしれない。

 Boyleは、知的財産権が強化されている現在の状況を「第二の囲い込み運動」と表現しています。権利化せずにオープンにだれでも利用できたほうが望ましいものまでも、知的財産化を許してしまって独占されていることを問題視しています。

 BoyleやMitchellは、独占排他できる財産権と、だれでも自由に利用できるパブリックドメインの間に、自然権的な権利をもうけることが望ましいと述べています。クリエイティブ・コモンズはこのような権利といえるでしょう。

 著作物については、クリエイティブ・コモンズやニコニ・コモンズの制度(著作権の権利を利用した私法)が実際に使われ出していて、著作物の二次使用を自由にできる場合があります。しかし、発明に関して、具体的なコモンズ化は全く考えられてきませんでした。そこで、私は、自然権的な権利で、発明を独占しない元祖権を提案しているのです。

 ところで、現在私は本の原稿を執筆中で、8割位執筆が進んだため、現在出版してくれる出版社を探しているところです。元祖権がどうしてサービスの発明にとって望ましいかについて、ネット・サービス産業・知的財産といった面から一通り説明するような書籍にまとめています。今のところ次のようなタイトル案を考えています (どんな読者層をターゲットにするかで変わるでしょう)。

  ネット時代に発明のコモンズの世界が開ける
   - Webリンクを利用したサービスイノベーション促進策 -

 この本の5章に、「知的コモンズへ」という章をもうけ、上記のコモンズ論などを分かりやすく解説します。

 当初、学術書として執筆していましたが、学術書で1000部程度を売るというのでなく、より多くの方々に読んでいただけるように、5000部以上を狙って出版してくれそうな出版社にお願いしたいと考えています。もし、たまたまネット検索などでこのブログにたどり着いた方で、このような本の企画に関心ある出版社の方がおられましたら、ご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いします。

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