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April 20, 2009

ITパスポート試験の出題傾向

 昨日、1回目のITパスポート試験が行なわれました。 私はこの試験対策の授業を担当しているので、本日、試験問題をIPAのサイトからダウンロードして、出題傾向を調べてみました。

 予想外だったのは、ストラテジ系(35問)の中で、経営学の授業で教えるような「全く経営的な問題」が10問も出題されていたことです。経営理念、株主総会、コンプライアンス、事業部制、SWOT、PPM、ニッチ、コアコンピタンス、プロダクトライフサイクル、BPR といった問題が出題されていました。初級シスアドの出題数の倍近くでしょう。この辺りは、少し暗記すればいいだけなので、得点を稼げるところでしょう。ただし、工学系の学部の学生は、教養の授業で経営学の授業を履修して、正しく理解したほうが確実でしょう。

 その他では、表計算の問題が1問だけだったので、今後は捨ててもいいかもしれません。また、QC7つ道具やER図・DFD図のような図がほとんど出題されていなかった(アローダイアグラムは1問出題)のは少し意外でした。その他の出題は、だいたい予想していた範囲内でした。

 合格ラインは60%になりましたし、午前問題だけになったので、合格率は4割近くまでいくかもしれません。出題傾向から、文系の学生でも取りやすくなったのではないかと感じました。

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April 16, 2009

知的コモンズに関する研究と私が執筆中の本について

 先月から、知的コモンズに関する洋書を読んでいます。次の2冊です。

 ・James Boyle (著) The Public Domain: Enclosing the Commons of the Mind, Yale Univ Press, 2008.
 ・Henry C. Mitchell (著) The Intellectual Commons: Toward an Ecology of Intellectual Property, Lexington Books, 2005.

 Boyleの本の内容は、CreativeCommonsのライセンスでネット公開されています。全文をPDFでダウンロードできます。本の中を検索できて便利です。

 これらの本を読んでいる理由は、6月の日本知財学会で発表するためでして、5月6日までに4ページの論文にまとめます。

 なお、知的財産法の大御所の中山先生(昨年東大を退官)でさえ、「知的財産制度の置かれている現状と課題」(特許研究2008/9)という論文の中で、今後コモンズについて考える必要性を述べています。

知的財産の世界では、コモンズという大きな流れがあることも見落としてはならない。
情報の独占をご褒美として与えて社会全体の発展を図るというスキームに限界が現れた、ということを意味するかもしれない。

 Boyleは、知的財産権が強化されている現在の状況を「第二の囲い込み運動」と表現しています。権利化せずにオープンにだれでも利用できたほうが望ましいものまでも、知的財産化を許してしまって独占されていることを問題視しています。

 BoyleやMitchellは、独占排他できる財産権と、だれでも自由に利用できるパブリックドメインの間に、自然権的な権利をもうけることが望ましいと述べています。クリエイティブ・コモンズはこのような権利といえるでしょう。

 著作物については、クリエイティブ・コモンズやニコニ・コモンズの制度(著作権の権利を利用した私法)が実際に使われ出していて、著作物の二次使用を自由にできる場合があります。しかし、発明に関して、具体的なコモンズ化は全く考えられてきませんでした。そこで、私は、自然権的な権利で、発明を独占しない元祖権を提案しているのです。

 ところで、現在私は本の原稿を執筆中で、8割位執筆が進んだため、現在出版してくれる出版社を探しているところです。元祖権がどうしてサービスの発明にとって望ましいかについて、ネット・サービス産業・知的財産といった面から一通り説明するような書籍にまとめています。今のところ次のようなタイトル案を考えています (どんな読者層をターゲットにするかで変わるでしょう)。

  ネット時代に発明のコモンズの世界が開ける
   - Webリンクを利用したサービスイノベーション促進策 -

 この本の5章に、「知的コモンズへ」という章をもうけ、上記のコモンズ論などを分かりやすく解説します。

 当初、学術書として執筆していましたが、学術書で1000部程度を売るというのでなく、より多くの方々に読んでいただけるように、5000部以上を狙って出版してくれそうな出版社にお願いしたいと考えています。もし、たまたまネット検索などでこのブログにたどり着いた方で、このような本の企画に関心ある出版社の方がおられましたら、ご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いします。

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April 05, 2009

終わってしまうネットのサービス(SNSなど)

 先月から今月にかけて、年度替わりのために、駅ビル内のテナントが入れ替わったりすることが多かったですが、ネットでもサービスを終了するところがいろいろと見受けられました。先月、eビジネス/eコマースの動向と技術のページを更新中に気付いたサービス終了の事例をまとめてみました。

 やはり、CGM関連(SNSなどの利用者参加型サービス)でサービス終了のところがかなりありました。参加者が集まらないと魅力が出ないCGMは、「ネットワーク外部性」(出社が楽しい経済学でも解説されていました)という特性が働くので、参加者は少ないとすぐ終わってしまうことがよくあります。SNSの消滅によりコミュニケーションの履歴(記憶)が消えてしまうので、参加していた人にはショックでしょう。

 終わってしまったSNSで私が気付いたのは、
 ・マタタビ(JTB中部による旅のSNS)--- 3月24日をもって終了。
 ・faam.jp(音楽関連のSNS)--- 3月末をもって終了。
 ・YoroZoo(音楽関連のSNS)--- 既に2008年4月に終了。

 BIGLOBEのウェブリSNSも5月14日にサービス終了しますが、このSNSでの各自の日記についてはエクスポート機能を提供しています。自分が書いた記事は残せるので、少しはましでしょう。

 Oh!MyLife(オーマイニュース後継の参加型ニュースサイト)も4月24日で完全閉鎖されてしまうようです。サービス終了の経緯は、Internet Watchの記事や、オーマイニュースはなぜ失敗したかという日経IT-PLUSの記事をご覧ください。「市民記者のメディア」になりきれなかったということでしょう。

 一般の新聞社では、先週夕刊フジBLOGの終了が発表されました。内容の更新はもうしないようですが、今後もブログのコメント・トラックバック機能で意見を受け付けるとのこと。更新終了は「しばし現状を静観しよう」という意図のようです。

 大手ネット企業でも、一部のサービスを終了させます。
 ヤフーは、Yahoo!ビデオキャストとBR+のサービスを止めます。Yahoo!ビデオキャストは、今日(4月5日)でサービス終了。Internet Watchの記事によると、代替サービスとして、動画共有サービス「zoome」「ニコニコ動画」を挙げているようです。動画サイトでも、利用者からの投稿の多さが重要というネットワーク外部性が働くので、Yahooはサービス終了の判断をしたのでしょう。ランキングには一昨年アップロードされた動画が多いことからして、最近の投稿は少なくなっているのでしょう。
 BR+というクチコミマーケティングサービスも1月に終了しました。ブログへ書いて何かもらえる、というサービスはYahooブログユーザには合わなかったのでしょう。日経ネットマーケティング2009年2月号P.24 に記事があります。
 なお、米国Yahooも、昨年9月にSNSのYahoo! Mashを閉鎖しています。

 マイクロソフトは、先週、オンライン百科事典のMSN Encartaを10月で提供終了すると発表しました。やはり、Wikipediaの影響でしょう。なお、米国でマイクロソフトは、コミュニティーサービスのMSN Groupsを2月で終了しています。

 Googleも、米国で、新聞向け広告サービス「Google Print Ads」ラジオ局向け広告事業ソーシャルブックマークサービスを終了させます。Googleも常勝というのでなく、芽の出そうにないサービスは取りやめています。

 サービス終了というわけではありませんが、NTTデータが運営しているDoblogというブログサービスが危機的状態です。2月8日に障害が起こり、まだ全面復旧はできていないようです。その日、データベースサーバーとバックアップサーバーの双方でハードディスク故障が起こったそうです。二重化していれば大丈夫、と油断していたのではないでしょうか?多くの利用者が他のブログに移っているようです。

 マーケティングキャンペーンでは、米国でBurger KingがWHOPPER Sacrificeという「SNSのFacebookの友達リストから10人削除したら無料でハンバーガーを1個もらえる」(IT Mediaの記事あり)キャンペーンを1月に始めましたが、クレームがあったようで終了してしまいました。Burger Kingは、以前より、servientchicken(鳥男に命令するとその動作を行なう)といったネットでの変な企画で有名でしたが、さすがに友人の削除というのは度を越えてしまったようです。

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