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February 18, 2009

[書評] 顧客はサービスを買っている

 顧客はサービスを買っているという本が先月出ました。私はソフトウェアジャパン2009のサービスサイエンスフォーラムでこの本の著者の話を聞き、さっそく買って一通り読みましたが、サービスに関連している方には是非お勧めしたい本であると感じました。
 この本の著者の諏訪良武氏は、オムロンフィールドエンジニアリングでフィールドサポート(コールセンターや現場)のサービス改善を実践された方であり、そのご経験を元に、サービス改善手法をサービス業全体に利用できるような形に本にまとめたものです。ですので、とても説得力があります。最終章には、約20ページほどさいて、オムロンフィールドエンジニアリングでの具体的なサービス改革事例も載せています。なお、オムロンフィールドエンジニアリングは、機器のフィールドサービスの分野でサービス改革した企業として、NECフィールディングやダイキン工業とともに有名です。

 そのような位置付けの本ですので、サービスの現場にはとても役立ちそうな感じがします。製造業でのTQCの手順書のように、サービスの現場で改善するためのテキストのように利用できそうです。

 この本の中から、少し抜粋します。

[サービスメニューの分解](2章より)
 モノ提供サービス
 情報提供サービス
 快適提供サービス(安心、楽、自己実現)

[サービスのプロセスへの分解とサービスの評価方法](3章より)
 プロセスに分解すると、サービスの改善点が見えてくる。
 分解したプロセスを「見える化」する。
 サービスを「コアサービス」「付帯サービス」「臨機応変サービス」に分解する。
 サービスの評価を「成果」と「プロセス」に分解する。
 サービス品質を6つの評価に分解する。
  正確性・迅速性・柔軟性・共感性・安心感・好印象
  (成果品質←---------→プロセス品質)

[サービスの定義](6章より)
 人が構造物が発揮する機能で、ユーザーの事前期待に適合するものを「サービス」という。

[顧客満足について](6章より)
 顧客満足の絶対値は存在しない。
 顧客満足は、事前期待の達成度を評価尺度としたサービスの総合品質。
 事前期待による顧客セグメンテーション。

 上記のような考え方/分類は、サービス業の中での細かな業種によって少し異なってくるかもしれませんが、検討するための出発点として、とても有用だと思います。
 
 とてもいい内容だとは思いますが、7章のタイトル等で事前期待が「だれも気づかなかった」というのは、少し独善的に感じました。米国のサービスマネジメントの教科書には、ギャップモデルというものがあります。事前期待の重要性は、これまでも多くの人が理解しているはずです。

 また、サービスサイエンスの本というのであれば少し物足りなく感じました。具体的なデータ収集/分析方法(VOCの活動方法、アンケートなどのデータ分析方法・テキストマイニング)のことも触れてほしかったです。また、経営的な面(ポジショニングや、新サービスビジネス/イノベーションをどのように考え出すか)といった点の記述もあるとよかったと思いました。

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