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February 05, 2009

医薬品のネット販売規制にはネットとリアル流通企業の連携で対応するべき

 今年6月に施行される改正薬事法で、多くの薬がネット販売できなくなることに、楽天・ヤフー・ケンコーコムなどのネット企業が反対して、署名活動などをしています。
 改正薬事法では、市販薬を副作用リスクの高い順に1~3類に分類。3類は情報提供が不要だが、1・2類(あわせて一般医薬品の67%を占めるとされる)は対面販売が原則だとして、通販を禁じる省令案を昨年9月に公表。なお、2類は薬剤師でなくとも新設される登録販売者の資格があれば販売可能とのこと。今週、政府広報オンラインにも説明文が載りました。

 楽天とヤフー両社の署名活動ですが、医薬品のネット販売継続求める署名が累計30万件に達したと2日に発表されました。ただし、この署名活動に対しては、先月全国薬害被害者団体連絡協議会や薬害オンブズパースン会議など中止を求める要望書を連名で提出しています。

 ネット企業や署名活動などの反対意見を無視できなくなったためか、舛添厚労相は、先月23日、医薬ネット販売、規制の再検討を約束しています。ですので、今後、どちらにころぶか分からない状況です。

 私の意見ですが、薬の副作用などのリスク情報は対面で説明したほうがいい、という薬事法改正の理由はその通りだと思います。ネットで購入の薬で服用女性が肝障害という事例もあるそうです。ですので、リスクがないような新たなネット販売のやり方を考えた上で、厚生労働省に提案するのが最もいい方法だと思います。

 似た例で参考になるのは、使い捨てコンタクトレンズ「アキュビュー」のアイケア サービスです。このサービスでは、まず、販売店を通して、眼科医で検診し、処方情報を登録。以降のコンタクトレンズ購入はネットで注文可能という仕組みです。なお、ネットの売上は上記販売店に計上するとのこと(販促会議 2005.12月号より)。
 このように、一度、薬剤師/登録販売者に対面で相談して購入すれば、追加購入する際は、ネットで購入可能(必要に応じ電話やネットで薬剤師/登録販売者に相談)、というような仕組みを作ることができれば、利用者は便利になり、かつリスクはかなり減ると思います。
 北海道新聞の2月3日の社説「薬の通信販売 安全を第一に考えたい」(期限切れで消えていますが、コピーが残っているサイトあり)でも、「初回は対面販売とし、二回目以降はその薬に限り、数量も限定して通販を認めてはどうか。」と提案されています。私とほぼ同じ意見のようです。

 なお、医薬品メーカーで構成する全国家庭薬協議会では、大衆薬のネット注文、最寄り薬局に配送という仕組みを作ろうとしています(日経MJ 2009/2/2にも記事あり)。

 このように、ネット企業は、ネットだけで活動するよりも、リアル流通企業とともに、利用者にとって最も適切な仕組みを考えるべきでしょう。つまり、クリック&モルタル(マルチチャネル販売)による解決策を検討するべきでしょう。楽天やヤフーは、ロビー活動を期待してか慶應の國領教授を担いでいるようですが、もっとeビジネスに詳しい人を巻き込んだほうがいいかと思います。

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