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February 26, 2009

ネット&モバイル通販ソリューションフェア2009でのユニクロのマルチチャネル販売の話

 昨日(2/25)午前、池袋サンシャインで行なわれているネット&モバイル通販ソリューションフェア2009に行ってきました。特に聴きたかったのは、セミナーA1「リアル店舗とネット通販をうまく両立するヒント」というユニクロとオイシックスの方の対談でした。
 だいたいの内容は、ユニクロでリアル店舗とネットショップの間をどのような関係で運営して、シナジーを生もうとしているか、という話でした。オイシックスの方がユニクロの方から聞き出すようにして進行していました。ネットでよく売れた商品を店舗でも売り出す、とか、店に置けない特殊なサイズの商品はネットで買ってもらう、いったやり方は知っていましたが、それ以外にもいろいろと工夫している点を聞けました。
・ネットは、販売だけでなく、マーケティングツールとして活用している。(先行発売して様子を見るなど)
・ユニクロ全体で、顧客満足を提供するような方針。
  店舗でネットに関する問合せに答えられるように、店舗用のマニュアルを作っている。
  店/ネットにない商品は、互いに紹介する。
  ネットで買っても、店舗でも無料ですそ上げするし、店舗で交換/返品も可能にしている。
  店舗で試着し、その場では迷って買わなかった人が、後でネットで購入することもよくある。
・店舗とネットとの商品配分は、商品の特性に合わせて全体最適とする方針。Web限定商品も。
・プロモーションは、テレビCM・ネットのコンテンツ(UNIQLOCKなど)・チラシ上のQRコード等。
・トップページのどのバナーがどれだけクリックされたかを毎朝チェックして、頻繁に入れ替えている。
・動線も考えて設計するが、店で商品を探す方法と違和感がないように探せるようにしている。
・メルマガ(HTMLメール)経由でネットの半分以上の売上になる。どのようにクリックされたかを毎週分析して、次の週に生かしている。
・ネットショップによって、店のお客様は減っていない。相互に補完している。
・連携のアイデアは、ユニクロ全体でどう満足させるかと、店もネットも同じと思ってもらえること。、
・店舗とネットの連携で、「お客様の生活時間のシェアをより獲得する」ことになる。(オイシックスの方のまとめ)

 その他、ホットリンクの方のセミナーを聴いたり、オムニチュアのブースでTest&Target(自動的にA/BテストでLPOするツール)について聞いたり、複数のモールへの出品を一元管理できるというECマネージャーという製品を見たりしてきました。このような展示会では、ベンダーの方に直接デモしてもらったり質問もできるので、今後もたまには行きたいと思います。

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February 18, 2009

[書評] 顧客はサービスを買っている

 顧客はサービスを買っているという本が先月出ました。私はソフトウェアジャパン2009のサービスサイエンスフォーラムでこの本の著者の話を聞き、さっそく買って一通り読みましたが、サービスに関連している方には是非お勧めしたい本であると感じました。
 この本の著者の諏訪良武氏は、オムロンフィールドエンジニアリングでフィールドサポート(コールセンターや現場)のサービス改善を実践された方であり、そのご経験を元に、サービス改善手法をサービス業全体に利用できるような形に本にまとめたものです。ですので、とても説得力があります。最終章には、約20ページほどさいて、オムロンフィールドエンジニアリングでの具体的なサービス改革事例も載せています。なお、オムロンフィールドエンジニアリングは、機器のフィールドサービスの分野でサービス改革した企業として、NECフィールディングやダイキン工業とともに有名です。

 そのような位置付けの本ですので、サービスの現場にはとても役立ちそうな感じがします。製造業でのTQCの手順書のように、サービスの現場で改善するためのテキストのように利用できそうです。

 この本の中から、少し抜粋します。

[サービスメニューの分解](2章より)
 モノ提供サービス
 情報提供サービス
 快適提供サービス(安心、楽、自己実現)

[サービスのプロセスへの分解とサービスの評価方法](3章より)
 プロセスに分解すると、サービスの改善点が見えてくる。
 分解したプロセスを「見える化」する。
 サービスを「コアサービス」「付帯サービス」「臨機応変サービス」に分解する。
 サービスの評価を「成果」と「プロセス」に分解する。
 サービス品質を6つの評価に分解する。
  正確性・迅速性・柔軟性・共感性・安心感・好印象
  (成果品質←---------→プロセス品質)

[サービスの定義](6章より)
 人が構造物が発揮する機能で、ユーザーの事前期待に適合するものを「サービス」という。

[顧客満足について](6章より)
 顧客満足の絶対値は存在しない。
 顧客満足は、事前期待の達成度を評価尺度としたサービスの総合品質。
 事前期待による顧客セグメンテーション。

 上記のような考え方/分類は、サービス業の中での細かな業種によって少し異なってくるかもしれませんが、検討するための出発点として、とても有用だと思います。
 
 とてもいい内容だとは思いますが、7章のタイトル等で事前期待が「だれも気づかなかった」というのは、少し独善的に感じました。米国のサービスマネジメントの教科書には、ギャップモデルというものがあります。事前期待の重要性は、これまでも多くの人が理解しているはずです。

 また、サービスサイエンスの本というのであれば少し物足りなく感じました。具体的なデータ収集/分析方法(VOCの活動方法、アンケートなどのデータ分析方法・テキストマイニング)のことも触れてほしかったです。また、経営的な面(ポジショニングや、新サービスビジネス/イノベーションをどのように考え出すか)といった点の記述もあるとよかったと思いました。

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February 14, 2009

ネットスーパー事業で重要になること

 流通業界で、ネットスーパーが話題となっています。先月、私は今年はネットスーパーも激戦になりそうという記事を書きましたが、今月発売された激流(流通の業界雑誌)の3月号の特集もネットスーパー関連で、「サービスと事業性の狭間に揺れる ネットスーパーの光と影」というものでした。主に、コスト問題にどう対応しているかの問題に対して、スーパー各社の運営方法を紹介しています。

 ネットスーパーに関する調査レポートとして、日経消費マイニング2008年9月号に、調査レポート「ネットスーパーで変わる食品宅配」があります。「こだわる志向」と「利便性志向」の面などについて分析しています。また、顧客の争奪戦の激化に伴い、利便性志向の消費者に対しても、利便性以外の特色を打ち出すことも重要、と指摘しています。

 今年10月には住友商事が、ネットスーパー専用の加工・配送センター設置によるセンター出荷型での参入を計画しているなど、店舗でのピッキングだけでなく、センター出荷型の動きもいろいろありそうです。特にセンター出荷型では、店舗の信頼性が伴わないので、独自の付加価値(新鮮さなど)を付加しないと生き残れないでしょう。
 例えば、今週火曜(2月10日)のガイアの夜明けでは、阪急キッチンエール(阪急百貨店が7年前に設立した宅配サービスの会社)が紹介されていました。会員制で、季刊/週刊カタログを配布して注文を受けるタイプですが、夜12時までにネット等で注文すると次の日の夕方5時までに翌日配送してくれるというもの。特に、刺身や生菓子などの新鮮さを売りにしているとのことでした。それらの商品では、夜明け前までに商品を用意して(刺身は中央卸売市場と直結するなど鮮度にこだわって)、夕方まで宅配する仕組みを作っていました。「阪急百貨店グループ」というブランドも武器でしょう。
 また、ユーコープのとれたてシャキット便は、とれたて鮮度の青果のお届けを実現し、「収穫の翌日に配達」を保証したサービス。今週水曜(2月11日)の日経MJにこのサービスの解説記事がありましたが、群馬県産のレタスの例では、契約農家が朝3時から収穫作業を開始し、11時までにはユーコープのセンターに到着するような仕組みにしているとのこと。こちらもご苦労があるようです。

 物流面では、ヤマト運輸がネットスーパーサポートサービスを昨年11月から提供しています。このサービスでは、コストとともに物流面でのブランドもアピールしています。「我々は初期投資を低く抑え、固定費ではなく1個配送当たりの料金で提供する。また、何より配達エリアについてはいつものドライバーが配達するという赤帽にはない安心感を提供できる。」(「日経ネットマーケティング」読者限定メール2009/2/10のインタビュー記事より)

 また、イトーヨーカ堂では、ネットスーパーと実店舗のクロスプロモーションも行なっているようです。

 今年はネットスーパーの競争が激化してくるでしょうから、各社ともいろいろと工夫をしないといけないでしょう。最初に顧客を取りこぼすと、あとあと響きますから。

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February 12, 2009

マイクロソフトのネット戦略の問題点

 一昨日(2月10日)の日経新聞の1面のNTTと米マイクロソフト、ネット広告販売で提携というニュースを見て、私は、マイクロソフトがまた、シェアの足し算を狙った策を考えたなと感じました。

 この提携には、NTT以外に、ソネットやniftyなども参加するようです。しかし、ネット広告の共同販売というだけのようです。ターゲティング広告で協力(アドネットワークを構築)というのならば話は別ですが、共同販売というだけでは、多少広告単価が下がらないようにできるかもしれませんが、大きな意味はないように感じました。

 なお、マイクロソフトは、米ヤフーを買収しようとした理由も、検索サービスのシェアの足し算でした。MSN(マイクロソフト)とYahooの検索サービスのシェアを足すことで、Googleに対抗できるようになるはず、という理由だったそうです。

 従来のメーカー等のビジネスでは、シェアがとても重要です。シェアを足し算して、業界内での立場を強めようとするM&Aは多くあります。
 しかし、ネットでは、単なるシェア増を考えてのM&Aや提携はそれほど有効ではない場合が多いです。利用者や広告主にとっては、情報の補完関係なども重要になります。また、開発者が、サービスのシナジーを生むことができるようにすることが望ましいのです。マイクロソフトのネット戦略は、従来の経営戦略を踏襲しているだけで、ネット特有の事情を十分に考えてはいないと感じています。

 関連して、月刊ビジネスアスキー2009年3月号に「なぜマイクロソフトはネットで儲けられないのか」という記事があります。これは、Fortune誌2008年12月8日号のWhy can't Microsoft make money online?の翻訳記事です。

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February 05, 2009

医薬品のネット販売規制にはネットとリアル流通企業の連携で対応するべき

 今年6月に施行される改正薬事法で、多くの薬がネット販売できなくなることに、楽天・ヤフー・ケンコーコムなどのネット企業が反対して、署名活動などをしています。
 改正薬事法では、市販薬を副作用リスクの高い順に1~3類に分類。3類は情報提供が不要だが、1・2類(あわせて一般医薬品の67%を占めるとされる)は対面販売が原則だとして、通販を禁じる省令案を昨年9月に公表。なお、2類は薬剤師でなくとも新設される登録販売者の資格があれば販売可能とのこと。今週、政府広報オンラインにも説明文が載りました。

 楽天とヤフー両社の署名活動ですが、医薬品のネット販売継続求める署名が累計30万件に達したと2日に発表されました。ただし、この署名活動に対しては、先月全国薬害被害者団体連絡協議会や薬害オンブズパースン会議など中止を求める要望書を連名で提出しています。

 ネット企業や署名活動などの反対意見を無視できなくなったためか、舛添厚労相は、先月23日、医薬ネット販売、規制の再検討を約束しています。ですので、今後、どちらにころぶか分からない状況です。

 私の意見ですが、薬の副作用などのリスク情報は対面で説明したほうがいい、という薬事法改正の理由はその通りだと思います。ネットで購入の薬で服用女性が肝障害という事例もあるそうです。ですので、リスクがないような新たなネット販売のやり方を考えた上で、厚生労働省に提案するのが最もいい方法だと思います。

 似た例で参考になるのは、使い捨てコンタクトレンズ「アキュビュー」のアイケア サービスです。このサービスでは、まず、販売店を通して、眼科医で検診し、処方情報を登録。以降のコンタクトレンズ購入はネットで注文可能という仕組みです。なお、ネットの売上は上記販売店に計上するとのこと(販促会議 2005.12月号より)。
 このように、一度、薬剤師/登録販売者に対面で相談して購入すれば、追加購入する際は、ネットで購入可能(必要に応じ電話やネットで薬剤師/登録販売者に相談)、というような仕組みを作ることができれば、利用者は便利になり、かつリスクはかなり減ると思います。
 北海道新聞の2月3日の社説「薬の通信販売 安全を第一に考えたい」(期限切れで消えていますが、コピーが残っているサイトあり)でも、「初回は対面販売とし、二回目以降はその薬に限り、数量も限定して通販を認めてはどうか。」と提案されています。私とほぼ同じ意見のようです。

 なお、医薬品メーカーで構成する全国家庭薬協議会では、大衆薬のネット注文、最寄り薬局に配送という仕組みを作ろうとしています(日経MJ 2009/2/2にも記事あり)。

 このように、ネット企業は、ネットだけで活動するよりも、リアル流通企業とともに、利用者にとって最も適切な仕組みを考えるべきでしょう。つまり、クリック&モルタル(マルチチャネル販売)による解決策を検討するべきでしょう。楽天やヤフーは、ロビー活動を期待してか慶應の國領教授を担いでいるようですが、もっとeビジネスに詳しい人を巻き込んだほうがいいかと思います。

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February 01, 2009

中国向けのeビジネスの展開

 昨年8月に、平成19年度電子商取引に関する市場調査のエントリーの中で、「ネットの成長率の高い中国・インドが魅力的に感じて、進出するところが増えている」と書きましたが、最近、ニッセンが百度と提携して中国でのネット販売を拡大することを発表しましたし、三井住友カードとSBIベリトランスが、バイジェイドットコムという中国向けネットモールを立ち上げることを発表しました。中国向けのeビジネスの展開が広がってきました。

 また、中国ネットビジネス 成功へのポイントという本まで出ました。この本には、中国のインターネット事情、法的問題、実務知識が著されていて、今後、中国国民に対して、ネットビジネスを行なおうという人達には、役立つ本でしょう。

 第1章「中国インターネットビジネス 理解度チェック」から10のQ&Aを引用しておきます。この辺りは、まず理解しておかないといけない点でしょう。

Q01 中国のインターネット人口は世界一ですか?
 → ○
Q02 中国のインターネット接続環境はブロードバンドが主流ですか?
 → ○
Q03 中国も携帯電話からインターネットに接続するユーザーが多いですか?
→ ×
Q04 中国でもオンラインショッピングが普及していますか?
→ ○
Q05 中国でも簡単にインターネット上にショップを開設できますか?
→ ×
Q06 日本に中国語のネットショップを開設し、中国からオーダーを受けることはできますか?
→ △
Q07 中国にも大型のネットショッピングモールはありますか?
→ ○
Q08 中国でのオンライン決済方法はクレジットカードが主流?
→ ×
Q09 中国の主要都市以外の地域への物流インフラは整っているのですか?
→ ○
Q10 中国で既にインターネットビジネスを展開している日系企業はありますか?
→ ○

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