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December 09, 2008

革新的なサービス企業の事例を聞きました

 先週金曜(12/5)午後、都心へサービス・イノベーション人材:科学技術関係人材の新たなフロンティアというシンポジウムを聞きに行きました。産業技術総合研究所が主催で、サービス産業生産性協議会や筑波大が共催したシンポジウムでした。そのシンポジウムでは、積極的にITを活用している2つの企業(イーグルバス、がんこフードサービス)の事例が聞けました。両社とも、経済産業省による「ハイ・サービス300選」で選定された企業です。

 まず、イーグルバスは、川越市を中心とするバス会社ですが、旅行会社出身者が興した会社で、最初は介護バス・送迎バスから始め、観光バス、路線バスへと展開。路線バスは、赤字バス路線を再生すべく、住民へのアンケートやIT活用を積極的に行なっています。イーグルバスのCO-EDOシステムは、バスの総合運行管理支援を目的としたシステム。最近取り組んでいるダイヤ効率化システムは、GPSで停留所の位置を捉え、車内に設置したセンサーによって停留所で乗降する人数をカウントし、区間ごとの乗車密度を取得することによってダイヤの効率化を測定する、というもの。バス会社でこのような積極的なIT活用は初めて聞きました。

 がんこフードサービスは、外食業務の工程管理をかなり厳密に行なっています。原価管理では、「材料費」にとどまらず、「調理」「配膳」「接客」「洗い物」等、全工程の原価計算がレシピを組むだけで行えるシステムを開発して、ビジネス面の意思決定や改善を行なえる体制を取っています。また、利用客の情報共有を徹底して、無駄のない業務を行なっています。

 その後パネルディスカッションもあり、私には役立った内容でしたが、このシンポジウムの参加者はかなり少なく、50人程度でした。国がサービス・イノベーションの旗を振っても、なかなか積極的になってこない感じです。サービスといっても広いので、細かな業種毎に推進しないといけないでしょうか?

 人材育成としては、MOTのように、問題意識が高く業種特有の課題が分かっている社会人に対して、サービス業務・ビジネスを改革できるようになるための教育プログラム(社会人大学院など)を提供することが有効ではないかと感じました。

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Comments

サービスイノベーションのためには、現在の著作権や特許権の法制度のままでは限界があります。そのため、元祖権や第2世代知財の発想が必要です。

しかし、先日の京都での研究会の会場でもありましたが、法制度の成り立ちや法の目的を深く理解せず、単に「知的財産権は独占排他権として定義されている」というような皮相な論理で思考停止し、イノベーションや社会の問題解決のために法制度を進化させようという発想を持てない中途半端な法学者もいます。

しかし、中山信弘先生も、次のように述べておられますように、元祖権や第2世代知財の動きは必要なものであると考えます。

「特許権というものは,所有権とは異なり,極めて産業政策的要素の強い権利であるといえる。特許権の物権的構成は必然的なものではなく便宜的なものに過ぎず,理論的には種々の制度が考えられる。たとえば,差止請求権がなく,単に報酬請求権のみが認められる特許権というものがあったとしても,それは決して背理ではない。」

出典:下記サイトの第62ページの左欄
http://www.jpaa.or.jp/activity/publication/patent/patent-library/patent-lib/200310/jpaapatent200310_057-075.pdf

Posted by: 久野敦司 | December 11, 2008 at 07:07 AM

久野さん
先日、京都ではありがとうございました。
やはり、差止請求権は強すぎる権利であるため、発明をなるべく共有しようとする制度を考える場合には、侵害しても賠償請求だけで差止まではできないようにするべきと私は考えています。差止請求権は、侵害した企業だけでなく、その製品やサービスを利用する企業/個人にまで影響を与えます。また、パテントトロールが企業を脅かす強い武器にもなってしまいます。
中山先生の言われていることの情報、ありがとうございました。この週末にでも、中山先生の本をよく読もうと思います。
それでは、ありがとうございました。

Posted by: hatakama | December 11, 2008 at 02:22 PM

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