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September 21, 2008

グーグルに求めたい!「コミュニティを作り、意見を求める体制作り」

 先月始まったGoogleストリートビューについて、ネットでいろいろな問題が指摘されています。
 ・今、ネット上で熱い論議を巻き起こしているGoogleストリートビュー問題とは? (NBonline)
 ・「Google ストリートビュー“問題”を考える」シンポジウム(インターネット先進ユーザーの会 MIAU)
 ・グーグルのすごさとその限界が見えてきた(歌田明弘氏のブログ)
 ・Googleマップ「ストリートビュー」約7割がプライバシーに不安(InternetWatch)
 ・「ストリートビュー」に批判相次ぐ キスシーンやラブホ画像次々削除(J-CASTニュース)
 ・何でも見れちゃう「ストリートビュー」 ドロボーの物色に「悪用の危険性」(J-CASTニュース)

 グーグルの担当者は、故郷の様子を久しぶりに見て、懐かしさで「涙が出そうになった」ということですが、このような主観的な動機でサービスが推進されたとすると、あまり感心はしません。どのように世の中のためになるかや、迷惑にならないかを十分に(しかもオープンに)議論すべきだったと思います。最初に始めた北米でいろいろと問題が出ていたのですから、日本で開始する際には慎重になるべきでした。
 しかし、一般には、日頃それほど使わないような機能だと思います。カカクコムのマンション情報サイトとグルメサイト、「ストリートビュー」に対応というニュースにあるように、住居探しなどの際には役立つとは思いますが、空き巣が入りやすそうな家を探すなどの悪意的な利用もされやすいでしょう。

 グーグルに求めたいのは、「コミュニティを作り、意見を求める体制作り」です。若さで突っ走って、いろいろと迷惑をかけるというのは避けるべきです。
 コミュニティから意見を求めなければいけない理由は、主に次の2点でしょう。
 ・ネット弱者を配慮するため
 ・出歯亀(でばがめ)的なメディアにならないため

 ネット弱者の配慮の点では、ストリートビューでは、普段ネットを使わない人も考慮した始め方をすべきでした。例えば、サービス開始前(または直後に)、新聞広告を出し「このようなサービスを始めますが、迷惑な方はお知らせください」くらいのメッセージを市民に伝えたほうがよかったでしょう。ネットだけで意見を求めるだけでは不十分でしょう。

 出歯亀的なメディアにならないために、ページランクのアルゴリズムでも考慮が要ります。現状、リンクが多くされていれば、どんな内容のページでもGoogleの検索結果の上位にきてしまいます。例えば、自殺できる化学物質を日用品から作る方法など、一部の人からはリンクされていても、一般の人からは「あまり人に見せるべきでない」と思われているページは、検索結果の上位に来ないような仕組みが必要です。「ネガティブリンク」とでもいうようなものを集める仕組みが望まれます(例えば、表示すべきでないページをHTML上のコメントに書くと、それをGoogleが集めてページランクに反映するなど。なお、このような仕組みでは、全くの自動化は難しいでしょう。最終的には人/コミュニティが判断しなければいけない?)。本屋では、自殺の方法の本を入り口の近くには決して置かないでしょう。大きな本屋で置く場合にも、店の奥のほうで、子供の手が届かないような高い棚に置くような配慮がされるでしょう。このような配慮がネットでもされるべきです。なお、Wikipediaでは、このような問題については、管理者(ボランティア)のコミュニティでしっかりと議論されています。

 このような問題が今後も出てくるようであれば、何らかの規制や立法が必要になるかもしれません。

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Comments

1アイデアとして、また実際、日本で実現させること(例えば欧米のように市民やNPO団体が第3者視点から意見をまとめ、社会に発信、影響力行使の手本にモデル)は十分ありうると思う。

しかし、仮に一般市民や消費者団体に意見を求めたとしても、合理性のない、感情に基づいた批判や、感情意見しか出てこないとしたらどうするのか。

また、例えば、真摯に改善アイデアを当該コミュニティに求めたとして、あなたが言う”ネット弱者”(おそらくネットやネット世界に疎いと思われる方々を指すと思うが)に良い考えを提案し、社会を良くしてくれる保障を、あなたが保証できるのか。逆に自らの利益のみを主張し、正当性を主張する可能性をどう防ぐのか。

仮に、それが市民側の「現時点での」心持ち、真実であったとしても、未来永劫そうであるとは限らないわけであるし、意見集約し、配慮したとグーグルが言っても「アリバイ」を作るだけで、全人間から同意や合意を得ることは困難だと思うが、それでも行う意味はどこにあるといえるのか?

またネット弱者だからという理由について、なぜ彼らが「弱者」なのか。では強者は自然に生まれたのか?そうではない。彼らも生まれは同じスタート、ただ自分や環境からの影響で勉強して、そのスタンスを確立していったはず

「ネット弱者」だから配慮されなければならないという考え方は、あたかも「すべての人間は結果平等でなければならない」というような視点・思想に基づいた理由づけに見えるのですが、それでは合理的説明を成してないと思慮。
どのようにお考えなのですか?

Posted by: グーグラー | September 23, 2008 at 10:51 PM

グーグラーさん
 コメントありがとうございます。
 しかしながら、私のメッセージはグーグルのトップに対しての要望であり、グーグル利用者の方々に何か不都合になるように言っているのではありません(グーグルのトップの人に伝わる可能性はわずかでしょうが)。
 企業のCSR活動として、社会と向き合うのは一般的な話です。グーグルは、それが足りないのではないかと言っているのです。
 意見を聞いた際、もしも、「合理性のない、感情に基づいた批判や、感情意見」が出てくれば、それは正当な理由でもって排除できます。民法でいう「権利の濫用」になりますので。
 なお、私の大学でよく知っている学生が、この春に硫化水素自殺で亡くなりました。グーグルが、「硫化水素」の検索結果で、危険な情報のページの順位を100番位後にするなどの策を取ってくれていたら、死なずにすんだかもしれません。ネットで簡単に死に方を分かるようにすることで、衝動的な自殺を増長しているかもしれない、といった意識をグーグルの会社の人には持ってもらいたいのです。
 検索エンジン(グーグル等)の社会的な影響力は大きくなりました。ストリートビューも、情報の身近さからいって、多くの人に何らかの影響を与える可能性があります。ですので、グーグルには細心の注意をもってサービスを行ってもらいたいのです。そのため、いろいろな人から意見を聞く体制が望まれます。

Posted by: hatakama | September 24, 2008 at 05:12 PM

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