アスクルの間接材購買代行ビジネスとクロスマーチャンダイジング
今年春頃からアスクルはとても興味深いビジネス展開をしています。
まず、間接材購買代行ビジネスとして、SOLOEL(ソロエル)というBPOサービスを、4月から提供開始。第一号ユーザーはアサヒビールのようです。アスクルは、今年2月に工場系間接材にも進出しましたが、間接材の品目の幅を増やすだけでなく、購買業務にさらに踏み込むことにしたということです。
日経BPの記事によると、アスクルは「SOLOEL」を提供するために、約26億円を費やして調達システムを新たに構築した、とのこと。昨年、次世代ビジネスモデル『アスクル2.0』を構築中という話が出ていましたが、それが姿を現したもののようです。日経情報ストラテジー2008年8月号に「アスクル 次世代ビジネスモデルが判明 購買業務の見える化に商機」という解説記事もあります。
なお、コクヨ系のジョインテックスでは、e-Switching Serviceという最適調達品目の分析や集中ソーシング化によるコスト削減提案サービスを既に行っています。SOLOEL(ソロエル)は、それ以上のサービスのようです。ディーコープの見積@Deeのようなサービスのように見えます。
また、日経MJ 2008/7/7にアスクル、ネット購買の傾向分析、20社で共同研究という記事が出ていました。取引先約20社と組み、ネット販売のマーケティング研究を始めるというもの。6月に「WEBマーケティングコンソーシアム」を設立し、エプソンやキヤノン、日清食品、ライオンなど家電、食品、日用品メーカー取引先約20社が参加。アスクルの通販サイトで各社の商品を実験的に販売。売れ行き情報は全社で共有。
このような共同のマーケティング研究は、「大アスクル」構想の一環として評価できます。なお、個人消費者向け小売業では、購入者と購入品の関連性を分析することはよく行われています。また、行動ターゲティング広告でも、複数のサイトをまたがったターゲティングを行います。アスクルは、個人向け通販サイト(ぽちっとアスクル)だけでなく、中小企業向け通販サイトでもこのような分析を行うようです。BtoBマーケティングにおいて、おもしろい試みだと思います。
アスクルは、物品だけでなく、サービスについても、今年3月にアクスルお仕事サポートというサイトを開設。日経MJ 2008/06/27に紹介されていましたが、6月からは航空券、宿泊予約、花手配などを提供し始めました。
このように、アスクルのサイトで表示される商品メニューは、数年前よりもとても広がっています。中小企業の購買のポータルに近づいてきた感じです。
やっと今週月曜で春学期の授業が終わり、昨日で定期試験問題もできあがったため、一息つけました。今週土曜に非常勤の筑波大大学院の講義があり、それと試験の採点が終わると、研究に集中できます。夏休み中は、ブログも週に2回位の更新を目指したいと思います。
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