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May 24, 2008

BCP(事業継続計画)の動向

 BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)について、今週月曜~水曜の日経産業新聞に連載記事「会社を止めるな BCP支えるシステム」がありました。BCPに関心は持っていましたが、あまり詳しく知らなかったので、勉強になりました。

 5/19(月)の記事では、4月から全日空が24時間監視センターで不測の事態に備える体制を整えたことが取り上げられていました。昨年の障害で回復が大きく遅れたことを教訓にして、体制レベルから対策をとったものです。また、行政や業界団体が発行したBCPのガイドラインが一覧表にまとめられていました (ただし、3月に中小企業庁から出された「中小企業BCPガイド」は載っていませんでしたが)。

 5/20(火)の記事では、災害などでシステムが使えなくなった場合に、他企業のシステムを使わせてもらう協定を結んでおく企業間「共助」の事例が載っていました。これまでは、新聞社間の互助契約の事例(実際に他の新聞社の制作システムを使わせてもらった事例もあり)などが知られていました。また、自治体では、小田原市が防災システムを他の自治体と相互バックアップしている事例が知られていました。 20日の記事では、クレジットカード会社や銀行業界でも、このような企業間共助が広まっていることが示されていました。やはり、一般企業にとってデータセンターの多重化はコスト的に大きな負担ですので、「まさかのため」の仕組みとして、企業間共助を選ぶ企業がこれからも増えると思われます。

 5/21(水)の記事は、ベンダーによる支援サービスに関する内容でした。『非常時こそ「人間系」 重要』というような感じで、「緊急時の指揮支援サービス」というような支援サービスがあったり、「シナリオのない」BCP演習を行なっている企業があったりと、十分な「備え」が必要なことがうかがえます。

 その他、BCPに関する最近の報道で興味深かったのは、次の2つの話。
 ・商工中金や損保ジャパンなど中小企業のBCP策定を資金面で支援
 ・カブドットコム証券、組織体制にもBCPの発想を取り入れた

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May 20, 2008

BtoBのネット通販

 BtoBのネット通販が広がっていることが、このところ、いろいろと報道されています。

 日経MJ2008/4/30号には、「ヤフー、業務用売買急増」という記事がありました。Yahoo!ショッピングの前年比売上増加率が、電子計測器・電子計量器は3倍、工具は2.5倍、塗料・塗装用品は2倍と、そのようなBtoB的商品の売上の増加率は一般の商品よりもずっと高い伸び率を示しているとのことです。しかし、これらを購入しているのはプロだけではなく、セミプロの消費者が業務用製品を購入するケースも多いようです。ネットならではの商品数と商品の探しやすさで、売上を伸ばしているようです。

 BtoBの工場用間接資材の購入では、MonotaROが先行していて、今月には自動車関連にも本格参入しました。工場に加え、自動車整備業やガソリンスタンド、自動車販売店といった自動車関連業界向けに自動車関連商品の販売を開始しました。
 山善と日伝が出資するPROCUEbyNETでも、日経産業新聞2008/5/9によると、商品数を拡充したり、受発注後の手続きの進捗状況を確認できる機能を追加するなど、ネット販売に積極的です。

 ただし、これらのサイトは、Yahoo!ショッピングのユーザ層が異なっている感じです。Yahoo!ショッピングでは、BtoCのロングテールの先のほうにBtoBの市場が開拓され始めた、というような感じでしょう。

[追記 2008/6/3]
 オフィス用品通販のアスクルも、今年2月、MonotaROやPROCUEbyNETに対抗するべく、アスクル 工場・現場系間接材ショップを立ち上げました。カタログとしては、アスクル工場系MROカタログを提供開始していました。

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May 06, 2008

[書評] 「顧客の時代がやってきた 売れる仕組みに革命が起きる」

 連休中に、「顧客」の時代がやってきた 「売れる仕組み」に革命が起きるという本を読みました。

 この本を一言で表わすとすると、次のような本と言えるでしょう。
 ネット化などにより「売り手主導型市場」から「顧客主導型市場」へと変化している中で、「リアル企業」がどのように対応すればいいか、ということを米国の動向から考えるための本。

 まず、この本が問題提起しているは、従来の「売り手主導型市場」(P.28) から、「顧客主導型市場」(P.29) への変化のことです。この「顧客主導型市場」は、「マス・ニッチ・マーケット」であると指摘していますが、ロングテール理論における「豊穣の経済」のことといえるでしょう。消費者から見ると「豊穣」に見えますが、売り手から見ると「顧客主導型」と見えます。
 アンダーソンのロングテールの本では、主にデジタル商品を対象にしているため、通常のリアル流通業の「売り手」が、このような 「顧客主導型市場 (豊穣の経済)」にどのように適応すればいいかの方法論について、ほとんど取り上げていません。他でも、リアル流通業に対してそのような方法論を提示した本は見かけませんので、この本の意義を感じます。

 内容としては、米国のスーパーストアや通販企業で、顧客主導型市場に生き残れるような優れた事例を紹介しています。さらに、先進事例として、8章では「エクスペリエンス・デザイン」を実践する企業の事例、9章では顧客のライフスタイル設計を支援する小売業(著者は「ライフスタイル・マーケター」と呼ぶ)の事例を紹介していて、興味深かったです。

 難を言うと、2章以降は図が少なくて少し分かりにくかったです。また、米国の先進事例と日本企業との違いについて、もう少し説明が欲しかったところです。

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