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March 04, 2008

音楽配信に関しての最近の状況

 音楽配信に関しての最近の状況をまとめておきます。

 まず、米国での状況です。先週発表された米NPD Groupの調査によると、2007年に米国で消費者が入手した楽曲数は前年から6%増加。しかし、音楽購入支出の平均金額は1人当たり44ドルから40ドルへと10%減少。NPDは,2007年に音楽CDの購入をやめた消費者は100万人にのぼると見積もる。中でも若者のCD離れが顕著で,音楽CDを1枚も購入しなかった10代の若者は48%(前年の38%から拡大)。 同調査でiTunesについては、5000万人以上の顧客を抱え,2007年には40億曲以上を販売。そのため、音楽販売でアップルはBest Buyを抜き業界第2位になったとのこと。2006年にAmazonがバーンズ&ノーブルを抜いて「ネットと店舗販売の逆転現象」と騒がれましたが、アップルも間もなくWal-Martを抜きそうな感じです。

 先月発表された米Forrester Researchの予測では、2011年には米国で販売される音楽の売上の半分はダウンロード音楽になり、2012年にはCD売り上げを抜き48億ドル規模になると予測しています。一方、Naspterなどの会員制音楽配信サービスは緩やかな成長にとどまると予測しています。

 Forresterの予測にもあったように、サブスクリプションサービス(定額聴き放題)のNapsterが苦戦しています。米国Napsterが先月発表した2007年10~12月期決算は、15%増収で赤字縮小でしたが、有料加入者数は74万3000人で、前期からわずかに減少したとのこと。私は、Napsterを使っていますが、こんなに多くの曲を定額で聴けるのはありがたいと思っています。普及しない理由がよく分かりません。日本のNapsterの会員数は発表されていませんが、10万人に届いているかどうかというところでしょうか?ケータイユーザーは増えているようですが、PCユーザーは伸び悩んでいるようです。Napsterを使っていて感じるのは、"digital only" の曲が増えていることです。パッケージよりも、音楽配信のほうが音楽の提供をしやすいですので。

 日本の音楽配信ですが、日本レコード協会の2/21の発表によると、2007年における有料音楽配信の売上は前年比141%の754億8,700万円、ダウンロード数は126%の4億6,500万回。パッケージの販売は対前年比96%でしたが、パッケージと配信の合計では3年連続で前年を上回った形になり、日本のほうがまだ状況はいいようです。なお、これは日本レコード協会の発表なので、それに属していないレコード会社(いわゆるインディーズレーベル)の売上は入っていないと思います。インディーズのほうが、音楽配信をより頼っていると思われます。

 全世界では、国際レコード産業連盟(IFPI)が1月に発表した調査結果によると2007年のデジタル音楽の売上高は、音楽市場全体の約15%に達したとのこと。推定29億ドルで、前年の21億ドルから約40%増加。一方、CDの販売は世界全体で落ち込んでいて、音楽市場全体では2007年の売上高は縮小。なお、携帯電話とWebという販売チャンネル別の売り上げ比率は国によって大きく異なり、米国ではWebが67%,携帯電話が33%なのに対して,日本ではWebが9%で,携帯電話が91%。

 昨年9月には、インディーズのmF247(247ミュージックが運営)という音楽配信サイトがクリエイティブコモンズ(CreativeCommons)を採用したというのも重要な動きでしょう。つまり、JASRACを通さずに、かなり自由な制約で音楽を再利用できるようにしたということです。mF247のクリエイティブ・コモンズ・ライセンス付きでの作品の一覧があります。これらの曲は、自作動画につけるなど、かなり自由に利用できるわけです。CreativeCommonsサイトのニュースにもなっています。

 レコード会社のビジネスも大きく変わっています。例えば、コロムビアミュージックエンタテインメントについては、日経コンピュータ2008/2/1号にネットと楽曲DBで新しい収益モデル構築という詳しい解説があります。ネットに対応したシステム・組織に変えたとのことです。FujiSankei Business i.のインタビュー記事もあります。

 アーティストでは、昨年秋米人気歌手マドンナ、コンサート大手と140億円で契約というのが話題になりました。レコード会社を出て興行会社と契約したのです。何で儲けるかということを考えてのことのようです。

 私は、コンテンツ関連はあまり専門ではありませんが、音楽についてはこのくらいの動向程度はウォッチしてゆくつもりです。

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