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March 26, 2008

JASRACシンポジウム 動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権

 昨日(3/25)午後、JASRACシンポジウム 動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権を聴きに行ってきました。

 2007/11/28の日経新聞「著作権攻防 新ルールを探して(中)」という記事に、動画共有サイトに対して「ここまで普及すると、力で阻止するのが利用者、権利者のために良いとは思えなくなった」というJASRACの菅原常務理事の言葉が出ていたので、JASRACの方針をもう少し知りたくて、聴きに行きました。

 プログラム第1部の「著作権行政の現状と課題」(吉田大輔 文化庁長官官房 審議官)の講演の中では、最後のスライドで「排除」の論理から「共生」「活用」の論理へという方針のような言葉で締めくくっていたのが印象的でした。文化庁も、ネットでの文化の共有に熱心な姿勢が分かりました。また、3月13日の、知的財産戦略本部会合(第19回)で、「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会」の設置が決まったという話がありました。その専門調査会では、「課題解決に向けた立法的措置と契約による措置等の役割分担」や「ネット上の多数の創作者の関与により形成されるコンテンツの権利関係」(たぶん、Wikipediaのような創作の権利関係)などが検討されると予想されている、とのこと。この2つは、ネットからみの著作権問題では最重要な問題だと私は思います。

 プログラム第2部の「パネルディスカッション:テーマ=動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権」については、既にITmediaの記事Internet Watchの記事がもう出ています。詳細はそれらをご覧ください。私が一番興味を感じたのは、ドワンゴ川上会長の「現状、ネット業界から、コンテンツ業界が儲かる仕組みを提案できていない」という話でした。「コンテンツ業界が儲かる仕組みまで考えるべきなのだが、それができる余裕はない」というような心境で言ったのだと思われます。ネット業界は利用者指向でないと生き残れませんので、こんな状況がしばらく続くのでしょう。「(制作者が) ネットに出すコンテンツはテレビとは異なるものになるはず」というような話もありました。「テレビとの役割分担がはっきりしてくるはず」というような意味で言っているようでした。この辺りは、動画共有サイトの存在意義に関わる話で、興味深かったです。なお、JASRACから昨年7月に動画共有サービスに対する利用許諾条件が示されていますが、ドワンゴはまだ契約していないとのことでした。

 JASRACは、動画共有サイトで流された音楽の著作権料さえ徴収できればいいのでしょう。JASRACの菅原常務理事は、動画共有サイトについて、「コンテンツの集め方が違うだけ」「社会的ニーズがあるのだろう」と語っていました。そのように、このシンポジウムでは、JASRACは動画共有サイトにある程度の理解を示しているように感じられました。(テレビ局とはかなり立場が違うようです。)

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