« February 2008 | Main | April 2008 »

March 31, 2008

試供品や体験を通した口コミマーケティング

 今月下旬にeビジネス/eコマースの動向と技術というWebページを一通り更新していましたが、やっと本日、更新作業が完了しました。

 特に、追加した情報量が多かったのは、CGMのページでした。SNS/ブログの利用やそれらを広告やマーケティングに活用する様々な動きが目立ちます。基本的には最新情報の追加でしたが、「CGMを利用したマーケティング/販売」の中に試供品や体験を通した口コミマーケティングという項目を追加しました。昨年8月に、バズマーケティングのために試供品配布というエントリで少し紹介しましたが、試供品を配るだけでなく、ブログや掲示板に書いてもらおう、という傾向が強くなってきたためです。この項目には、サンプル百貨店、モラタメ、Buzz Max、モノフェローズ、TRY TREND、バズポスト といったサービスへのリンクや簡単な説明を載せました。

 全体的に「eビジネス/eコマースの動向と技術」の更新では、最新のデータに変更する作業がたいへんです。また、サービスが終了してしまったものもあるので、気がついたものは削除したりしています。特許の情報も適宜追加しています。授業期間中も情報収集は続けていますが、忙しくてページの更新はできそうにないので(特に、6~7月は他の大学で教えたり、学会発表もあるため)、次の更新は8月になると思います。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 26, 2008

JASRACシンポジウム 動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権

 昨日(3/25)午後、JASRACシンポジウム 動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権を聴きに行ってきました。

 2007/11/28の日経新聞「著作権攻防 新ルールを探して(中)」という記事に、動画共有サイトに対して「ここまで普及すると、力で阻止するのが利用者、権利者のために良いとは思えなくなった」というJASRACの菅原常務理事の言葉が出ていたので、JASRACの方針をもう少し知りたくて、聴きに行きました。

 プログラム第1部の「著作権行政の現状と課題」(吉田大輔 文化庁長官官房 審議官)の講演の中では、最後のスライドで「排除」の論理から「共生」「活用」の論理へという方針のような言葉で締めくくっていたのが印象的でした。文化庁も、ネットでの文化の共有に熱心な姿勢が分かりました。また、3月13日の、知的財産戦略本部会合(第19回)で、「デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会」の設置が決まったという話がありました。その専門調査会では、「課題解決に向けた立法的措置と契約による措置等の役割分担」や「ネット上の多数の創作者の関与により形成されるコンテンツの権利関係」(たぶん、Wikipediaのような創作の権利関係)などが検討されると予想されている、とのこと。この2つは、ネットからみの著作権問題では最重要な問題だと私は思います。

 プログラム第2部の「パネルディスカッション:テーマ=動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権」については、既にITmediaの記事Internet Watchの記事がもう出ています。詳細はそれらをご覧ください。私が一番興味を感じたのは、ドワンゴ川上会長の「現状、ネット業界から、コンテンツ業界が儲かる仕組みを提案できていない」という話でした。「コンテンツ業界が儲かる仕組みまで考えるべきなのだが、それができる余裕はない」というような心境で言ったのだと思われます。ネット業界は利用者指向でないと生き残れませんので、こんな状況がしばらく続くのでしょう。「(制作者が) ネットに出すコンテンツはテレビとは異なるものになるはず」というような話もありました。「テレビとの役割分担がはっきりしてくるはず」というような意味で言っているようでした。この辺りは、動画共有サイトの存在意義に関わる話で、興味深かったです。なお、JASRACから昨年7月に動画共有サービスに対する利用許諾条件が示されていますが、ドワンゴはまだ契約していないとのことでした。

 JASRACは、動画共有サイトで流された音楽の著作権料さえ徴収できればいいのでしょう。JASRACの菅原常務理事は、動画共有サイトについて、「コンテンツの集め方が違うだけ」「社会的ニーズがあるのだろう」と語っていました。そのように、このシンポジウムでは、JASRACは動画共有サイトにある程度の理解を示しているように感じられました。(テレビ局とはかなり立場が違うようです。)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 20, 2008

昨日は卒業式でした

 昨日は、私の勤める大学の卒業式でした。

 いつも、卒業式の日には卒業するゼミ生に本を贈っています。働きだして、いろいろと悩むことがあると思うので、そんな時に少しでも助けになるような本を選んでいます。

 昨日は、プロ論【情熱探訪編】という新書本をゼミ生(卒論まで書いた学生)に贈りました。この本は、雑誌B-ingのインタビューをまとめた本で、最近新書になったものです。経営者などいろいろな「プロ」の人の熱意が伝わってくる本です。仕事に悩んだ時のアドバイスもいろいろと載っている本です。4月から社会人になるゼミ生には、何らかの「プロ」を目指してもらいたいため、この本を選びました。

 卒業おめでとう。

Proron

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 18, 2008

サービス産業生産性協議会の「SPRINGシンポジウム 2008」

 昨日、サービス産業生産性協議会の「SPRINGシンポジウム 2008」を聴きにいってきました。

 この協議会は、2006年12月~2007年4月に経済産業省のサービス産業のイノベーションと生産性に関する研究会で基本構想が検討され、2007年5月にできた組織です。

 この協議会は、「日本のサービス業のイノベーションと生産性を達成」を目標としている、というので聴きにいったのですが、「イノベーション」といってもプロセスイノベーションのことが中心のようでした。何らかの新たなサービスのビジネスモデルを創造するといった新規のイノベーションを促進するのではなく、プロセスの向上/改善により生産性を高めましょう、というような目標でした。

 具体的には、ハイ・サービス日本300選をベストプラクティスとして選んだり、標準的なCSの指標を定めるなどして、「底上げ」を図っている感じです。しかし、サービス産業で「とんがった」企業がもっと出てくることによるイノベーションによって、経済が大きく発展すると思います。サービスを「輸出」することにもつながると思います。ですので、このような活動だけでは物足りないと感じています。

 最近、坂村先生の変われる国・日本へ イノベート・ジャパンという本を読みましたが、その本には次のように書かれています。(P.185)

政府は直接イノベーションを仕切るのではなく、イノベーションが盛んに生まれるような環境整備だけを行い、あとは天に任せるという姿勢が重要になる

 そのように、サービス業界でのイノベーションを促進するためには、イノベーションが自然と促進されるための制度を構築することがポイントでしょう。私としては今年、元祖権をもっとアピールしたいと思っています。まず、元祖権に関する論文を先月から今月にかけて仕上げまして、先週、日本知財学会誌へ投稿しました。査読に通って学会誌に載れば、少しは注目してもらえるでしょう。さらに、もっと分かりやすく書いて縦書きの本にして出版したいとも思っています。

 今月の他の仕事としては、先週、戦略的な情報システムの事例集を5カ月ぶりに更新しました。また、eビジネス/eコマースの動向と技術も更新中で、今月中にすべて更新する予定です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 04, 2008

音楽配信に関しての最近の状況

 音楽配信に関しての最近の状況をまとめておきます。

 まず、米国での状況です。先週発表された米NPD Groupの調査によると、2007年に米国で消費者が入手した楽曲数は前年から6%増加。しかし、音楽購入支出の平均金額は1人当たり44ドルから40ドルへと10%減少。NPDは,2007年に音楽CDの購入をやめた消費者は100万人にのぼると見積もる。中でも若者のCD離れが顕著で,音楽CDを1枚も購入しなかった10代の若者は48%(前年の38%から拡大)。 同調査でiTunesについては、5000万人以上の顧客を抱え,2007年には40億曲以上を販売。そのため、音楽販売でアップルはBest Buyを抜き業界第2位になったとのこと。2006年にAmazonがバーンズ&ノーブルを抜いて「ネットと店舗販売の逆転現象」と騒がれましたが、アップルも間もなくWal-Martを抜きそうな感じです。

 先月発表された米Forrester Researchの予測では、2011年には米国で販売される音楽の売上の半分はダウンロード音楽になり、2012年にはCD売り上げを抜き48億ドル規模になると予測しています。一方、Naspterなどの会員制音楽配信サービスは緩やかな成長にとどまると予測しています。

 Forresterの予測にもあったように、サブスクリプションサービス(定額聴き放題)のNapsterが苦戦しています。米国Napsterが先月発表した2007年10~12月期決算は、15%増収で赤字縮小でしたが、有料加入者数は74万3000人で、前期からわずかに減少したとのこと。私は、Napsterを使っていますが、こんなに多くの曲を定額で聴けるのはありがたいと思っています。普及しない理由がよく分かりません。日本のNapsterの会員数は発表されていませんが、10万人に届いているかどうかというところでしょうか?ケータイユーザーは増えているようですが、PCユーザーは伸び悩んでいるようです。Napsterを使っていて感じるのは、"digital only" の曲が増えていることです。パッケージよりも、音楽配信のほうが音楽の提供をしやすいですので。

 日本の音楽配信ですが、日本レコード協会の2/21の発表によると、2007年における有料音楽配信の売上は前年比141%の754億8,700万円、ダウンロード数は126%の4億6,500万回。パッケージの販売は対前年比96%でしたが、パッケージと配信の合計では3年連続で前年を上回った形になり、日本のほうがまだ状況はいいようです。なお、これは日本レコード協会の発表なので、それに属していないレコード会社(いわゆるインディーズレーベル)の売上は入っていないと思います。インディーズのほうが、音楽配信をより頼っていると思われます。

 全世界では、国際レコード産業連盟(IFPI)が1月に発表した調査結果によると2007年のデジタル音楽の売上高は、音楽市場全体の約15%に達したとのこと。推定29億ドルで、前年の21億ドルから約40%増加。一方、CDの販売は世界全体で落ち込んでいて、音楽市場全体では2007年の売上高は縮小。なお、携帯電話とWebという販売チャンネル別の売り上げ比率は国によって大きく異なり、米国ではWebが67%,携帯電話が33%なのに対して,日本ではWebが9%で,携帯電話が91%。

 昨年9月には、インディーズのmF247(247ミュージックが運営)という音楽配信サイトがクリエイティブコモンズ(CreativeCommons)を採用したというのも重要な動きでしょう。つまり、JASRACを通さずに、かなり自由な制約で音楽を再利用できるようにしたということです。mF247のクリエイティブ・コモンズ・ライセンス付きでの作品の一覧があります。これらの曲は、自作動画につけるなど、かなり自由に利用できるわけです。CreativeCommonsサイトのニュースにもなっています。

 レコード会社のビジネスも大きく変わっています。例えば、コロムビアミュージックエンタテインメントについては、日経コンピュータ2008/2/1号にネットと楽曲DBで新しい収益モデル構築という詳しい解説があります。ネットに対応したシステム・組織に変えたとのことです。FujiSankei Business i.のインタビュー記事もあります。

 アーティストでは、昨年秋米人気歌手マドンナ、コンサート大手と140億円で契約というのが話題になりました。レコード会社を出て興行会社と契約したのです。何で儲けるかということを考えてのことのようです。

 私は、コンテンツ関連はあまり専門ではありませんが、音楽についてはこのくらいの動向程度はウォッチしてゆくつもりです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« February 2008 | Main | April 2008 »