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September 19, 2007

Yahoo!ウォレット を外部開放した狙い(昨日の日経MJより)

 先月、ヤフージャパンは、オンライン決済代行サービス「Yahoo!ウォレット」を、外部企業向けに提供開始することを発表しました。しかし、その発表の裏にあるヤフー側の意図が私にはよく分かりませんでした。日経BPのサイトの記事には、幅広いサイトでの決済を可能にすることで利用者を拡大する狙いと書かれていましたが、それだけではないのでは、と感じていました。

 昨日の日経MJのヤフー社長へのインタビュー記事で、真意が分かりました。提携戦略の意図や、広告収入にとってもメリットになると考えたようです。利用者側・店舗側・Yahoo側のそれぞれのメリットをまとめておきます。

利用者側のメリット(利用者がYahoo!ウォレットを持っていた場合)
・Yahoo! JAPAN以外のサイトでの支払いにおいても住所やカード番号などの個人情報をその都度入力する手間がなく、簡単・便利。
・Yahoo! JAPAN IDを共通のアカウントとして使用できるため、複数の店舗での利用も一括で管理でき、購入履歴を一覧で把握することが可能。
・クレジットカード番号などの支払情報はYahoo! JAPANで管理するため、店舗側に情報が漏れる危険性がなく安心。

店舗側のメリット
・Yahoo! JAPANの利用者へのサービス向上となり、自社の顧客として取り込めやすくなる。
・決済のバリエーションを増やすことができる。
・利用者管理のシステム構築/運営のコストを削減できる。

ヤフー側のメリット
・より消費者の行動が分かるようになり、広告におけるIDの価値が高まる。(日経MJ 2007/9/18 より)
・他社の販売であっても、少しでもヤフーの事業分野に含めたい。(日経MJ 2007/9/18 より)
・幅広いサイトでの決済を可能にすることで利用者を拡大。
・決済代行の手数料収入。

 昨日の日経MJのインタビュー記事では、楽天との関係について、「ヤフーも楽天も互いに得手・不得手分野が見えてきた。今後も競争はあるが、両社の間口がこれほど広がると全分野で競争するわけではない。」というように、棲み分け的な姿勢を見せています。また、「他社は新たに作るより今あるヤフーのシステムを利用し、経営資源の重点をサービス改善におけば、ネット全体の価値向上につながる。」とも言っています。他社を警戒するよりも、ネット全体のことまで考えている、という姿勢まで見せています。

 なお、Google Checkoutの日本展開についてはまだ情報がありませんが、日本で始められてしまう前に先手を打ちたい、というヤフー側の狙いがあったのかもしれません。(全くの推測ですが)

[追記]
 先週ヤフーから発表されたYahoo!投稿アプリでも、投稿先は、Yahoo!ビデオキャストだけでなく、ミクシィ、livedoorブログ、livedoorピクス、楽天ブログも選択できるようになっています。このように、ヤフーは、単なるポータルとしての「囲い込み」でなく、オープンな戦略もとるようになってきました。

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