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September 28, 2007

研究・技術計画学会で発表する論文が完成

 10月27~28日に亜細亜大学で行われる研究・技術計画学会の第22回年次学術大会で発表する論文の原稿を本日提出しました。4ページですが、新しい知的財産権を提案するため、その必要性を訴えるのに結構大変でした。サービスイノベーション促進のための新たな知的財産権の必要性と要件という論文です。

 内容としては、7月に発表した日本知財学会の学術研究発表会の論文の続編のような形で、昨年、イノベーション25に提案した元祖権について、イノベーション政策の面から必要性を主張した論文です。

 私は、10月28日午後に発表の予定です。

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September 24, 2007

口コミの発生を狙う広告代理店の大衆操作

 先週水曜(9/19)の日経産業新聞で、電通による「3Dコミュニケーション」が取り上げられていました。これは、口コミを発生されやすい広告のテクニックについてでした。
・まず、宣伝したいコンセプトや用語について、ネットや特別な雑誌(ファッション誌)で事前に意味を伝えておく。
・しかし、一般消費者に見せるテレビCMでは、わざと意味が分からないように伝える。
・そうすると、ネットやファッション誌などで事前に知っていた人から、口コミが発生しやすくなる。

 というようなテクニックを用いた広告手法を電通では実施していて、「3Dコミュニケーション」 と名付けたとのこと。

 具体例としては、大塚製薬のファイブミニをアピールするためのレタモンについて、まずネットで詳しく紹介。次に、テレビCMでは、レタモンをほとんど説明せずに登場させた。そうすることで、事前にネットでレタモンについてよく知っていた消費者から、テレビCMを見た消費者へと、「実はあれはね」という口コミの流れを生み出そうとした。

 そのような手法でのテレビCMは、ティザー広告(じらし広告)のように見えますが、知っている人には分かる内容、ということなのです。その情報差を利用して自然と口コミが誘発される、という仕組みです。先月このブログで取り上げたシーディングによく似たテクニックです。

 これは、複数のメディアを活用した広告戦略を提案できる大手広告代理店ならではのサービスと言えるでしょう。ネット大手(Yahoo等)やメディアレップにはできないことです。

 しかし、これは新たなタイプの大衆操作(これまでは、単にマスコミの利用)といえるでしょう。様々なメディア(マスコミやネット情報/CGMなど)への広告メッセージの出稿の仕方を工夫することで、大衆の中で関心と情報差を生じさせることで、「口コミの誘発」を狙う手法です。従来よりもずっと凝った大衆操作と言えます。単に商品の広告に使うのならば許せますが、政治的な宣伝にはこのようなテクニックは決して使ってもらいたくないものです。

 ところで、この「3Dコミュニケーション」 というネーミングはよくないですね。一見すると、セカンドライフ等での広告手法のように思えてしまいますので。

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September 19, 2007

Yahoo!ウォレット を外部開放した狙い(昨日の日経MJより)

 先月、ヤフージャパンは、オンライン決済代行サービス「Yahoo!ウォレット」を、外部企業向けに提供開始することを発表しました。しかし、その発表の裏にあるヤフー側の意図が私にはよく分かりませんでした。日経BPのサイトの記事には、幅広いサイトでの決済を可能にすることで利用者を拡大する狙いと書かれていましたが、それだけではないのでは、と感じていました。

 昨日の日経MJのヤフー社長へのインタビュー記事で、真意が分かりました。提携戦略の意図や、広告収入にとってもメリットになると考えたようです。利用者側・店舗側・Yahoo側のそれぞれのメリットをまとめておきます。

利用者側のメリット(利用者がYahoo!ウォレットを持っていた場合)
・Yahoo! JAPAN以外のサイトでの支払いにおいても住所やカード番号などの個人情報をその都度入力する手間がなく、簡単・便利。
・Yahoo! JAPAN IDを共通のアカウントとして使用できるため、複数の店舗での利用も一括で管理でき、購入履歴を一覧で把握することが可能。
・クレジットカード番号などの支払情報はYahoo! JAPANで管理するため、店舗側に情報が漏れる危険性がなく安心。

店舗側のメリット
・Yahoo! JAPANの利用者へのサービス向上となり、自社の顧客として取り込めやすくなる。
・決済のバリエーションを増やすことができる。
・利用者管理のシステム構築/運営のコストを削減できる。

ヤフー側のメリット
・より消費者の行動が分かるようになり、広告におけるIDの価値が高まる。(日経MJ 2007/9/18 より)
・他社の販売であっても、少しでもヤフーの事業分野に含めたい。(日経MJ 2007/9/18 より)
・幅広いサイトでの決済を可能にすることで利用者を拡大。
・決済代行の手数料収入。

 昨日の日経MJのインタビュー記事では、楽天との関係について、「ヤフーも楽天も互いに得手・不得手分野が見えてきた。今後も競争はあるが、両社の間口がこれほど広がると全分野で競争するわけではない。」というように、棲み分け的な姿勢を見せています。また、「他社は新たに作るより今あるヤフーのシステムを利用し、経営資源の重点をサービス改善におけば、ネット全体の価値向上につながる。」とも言っています。他社を警戒するよりも、ネット全体のことまで考えている、という姿勢まで見せています。

 なお、Google Checkoutの日本展開についてはまだ情報がありませんが、日本で始められてしまう前に先手を打ちたい、というヤフー側の狙いがあったのかもしれません。(全くの推測ですが)

[追記]
 先週ヤフーから発表されたYahoo!投稿アプリでも、投稿先は、Yahoo!ビデオキャストだけでなく、ミクシィ、livedoorブログ、livedoorピクス、楽天ブログも選択できるようになっています。このように、ヤフーは、単なるポータルとしての「囲い込み」でなく、オープンな戦略もとるようになってきました。

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September 13, 2007

知的財産を担保にした融資

 先週土曜の日経のサイトの商工中金、ビジネスモデル特許担保に融資 岐阜の花卸会社にという記事が、特許/知財関連のブログで少し話題になっています。「全国どこでも宅配トラストシステム」という事業の仕組みを出願したビジネスモデル特許(ビジネス方法特許)を担保に融資したというニュースです。

 約1年半前にまとめましたように、成立した特許、ソフトウェア著作権、商標権・ドメインネーム所有権というような知的財産を担保にした融資は、既に行われています。

 しかし、今回融資を受ける岐阜の花卸会社(ジャパンプランツ)の特許は出願しただけで、まだ成立していないものです。それを担保にするのはいかがなものか、というような意見があります。成立前の特許は、拒絶査定(かつ審判・再審・裁判でも敗れた場合)を受けてしまうと権利は全く無くなってしまいますので。

 商工中金のニュースリリースをよく読むと、出願中の特許だけでなく商標権も担保にしているようです。それでも、この場合はソフトウェア著作権あたりも担保にとっておいたほうがよかったのではないかと思います。そのほうが、拒絶査定になっても資産が残ります。ただ、商工中金は、ビジネスモデルとして他社との差別化が図られているといった「知的資産」の面を評価して融資をした、というのが実状かもしれません。

 また、日経の記事の中に「この仕組みがビジネスモデル特許を取得できると判断し、融資を実行」とありますが、だれが判断したのか気になります。商工中金の組織の中に特許に詳しい人がいるのでしょうか?または、弁理士に判断(鑑定)してもらったのでしょうか?少し気になりました。

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September 11, 2007

FRIから「インターネットショッピング2007」というレポート

 先月30日、FRI(富士通総研)から、インターネットショッピング2007 -経験の差で多様化するネットショッパー-というレポートが出ました。Internet Watch等でも取り上げられました。私は購入していませんが、サンプルのPDF文書を見ての感想を述べます。

 まず、この調査はiMiネットという主にPC向けサービスの会員を対象に行っているため、携帯電話を主に利用している利用者は調査対象外と見ていいでしょう。このレポートの中に、ケータイショッピングやケータイオークションに関する調査もありますが、PCと携帯電話の両方を利用する利用者を調査したものと捉えたほうがいいでしょう。

 この調査結果の中で、興味深かったのは次の点。

・ネットショップの新規利用
 「モールで検索」の率は過去3年の調査を通して増加しているのに対して、「サーチエンジンで検索」は反対に減少、とあります。
 利用者の約4割が、モールに出店していることを「安心して購入できる」理由に挙げている(朝日新聞の9月6日版より)ように、モールで検索することで、信頼できる店に絞って調べることができるということでしょうか?サーチエンジンの検索連動型広告のビジネスモデルが、今後必ずしも順調に伸びるか分からないことを示すデータだと思います。

・気に入っているネットショップ
 この1位は、ダントツでアマゾンでした。2位(千趣会)に6倍ものポイント差を付けていて、ネットでのアマゾンブランドの強さが分かります。

・この1年間に買ったもの
 2位に、「衣類・靴・バッグ・アクセサリー」(49.8%) が入っていました。以前指摘しましたように、米国(Forrester Researchによる調査)では、アパレル分野のネット販売の伸びが顕著で、昨年にはPCのネット販売の売上を上回ったことが報じられています。日本でも、アパレル分野のネットショッピングが大きく伸びていることが分かります。
 関連して、日経TRENDY (トレンディ) 2007年9月号に「激動の予感! アパレルネット通販」という特集が組まれています。今後の戦術まで分析しているので、アパレルのネットショッピングに関わっておられる方は読む価値はあると思います。イージェーワークスの樋口悟さんのブログに、この特集の内容のサマリーがあります。
 なお、先週、ヨーカ堂までもが衣料品4万4000点をネット販売するというニュースが報じられました。今後、アパレル分野へ、各社いろいろな展開がみられそうです。

 また、月刊ネット販売 の9月号の特集は、第7回ネット販売白書でした。EC上位150社の売上ランキングや、各分野の分析がされています。

 先週は、海外に旅行していました。携帯電話とPCの無い1週間の生活は、リフレッシュになります。

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