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August 17, 2007

AISASと普及理論との関係

 ネットのマーケティングでは、AISASというモデルが受け入れられつつあります。
   Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(購入)→Share(共有)
という消費者のプロセスモデルです。従来のAIDMA(アイドマ)モデルは、各消費者の行動モデルでしたが、AISASの考え方では、SearchとShareで他者とのインタラクションを含むため、各消費者の購買行動プロセスとして見るだけでなく、消費者間のインタラクション(相互作用)のモデルとしても使えます。

 ガーラの村本理恵子さんによるWeb2.0時代のネット口コミ活用bookという本の中でのAISASの記述部分(P.45)では、SearchとShareが「ネット口コミ」を通してつながったり、最後のShareと最初のAttetionをつないでループ上に表しています。このように、AISASでは消費者間のインタラクションをイメージしたほうがいいでしょう。しかし、この図でも物足りなかったので、私自身で少し考えてみました。

 革新的な商品の普及については、Rogersの普及理論の中に当てはめて考えることができます。イノベーションは、イノベーター(革新的採用者)→アーリーアダプター(初期少数採用者)→前期多数採用者→後期多数採用者の順に採用され、採用者数の累積がS字カーブになるという理論です。なお、普及理論については、最近イノベーション普及過程論(青池著)といういい本が出ました。

 その普及理論の視点で見ると、アルファブロガーと呼ばれる影響力のあるブロガーは、インフルエンサー・オピニオンリーダーであり、イノベーター(革新的採用者)と見ることができます。アーリーアダプター(初期少数採用者)は、アルファブロガーといえないまでも、ネットで積極的に新しいネタを探して発信しているブロガーが相当するでしょう。そのようなイノベーターやアーリーアダプターの口コミが、前期/後期多数採用者にネットで伝播してゆくことを、AISASを使って下図のように簡略化して描くことができます。

Aisas_adopt

 イノベーターはShareすることが役割であり、前期多数採用者は主にネットでSearchして情報を入手します(なお、まだ後期多数採用者は、ネットよりも従来のようにリアルの口コミに影響されるでしょう)。最初はブログやSNSでの伝播が主でしょうが、前期/後期多数採用者になると掲示板の情報がよく検索されるようになると考えられます。

 口コミを広めようとする側でも、普及理論の考え方は重要です。
 シーディング(口コミの促進のために、キャンペーンについての情報を限られたブロガーと共有)の手法を得意とするロカリサーチは、「アーリーアダプター」を意識したシーディングをしているようです。Excite WebAD Timesのインタビューで、バイラルCMのシーディングについて次のように語っています。

―― 「人の噂も七十五日」と言いますが……口コミにも飽和点があるとは面白いですね。
 ネットの場合は3週間ぐらいですね。それぐらい経つと、バイラルCMがある程度ネットには広まっています。ブログでも「今さらなんですけど……」という取り上げられ方になっていますね。我々は適宜ブログを巡回して、どう書かれているかをチェックしています。そこで「今さら感」トーンを察知したり、視聴回数が落ちてきたりするタイミングが、口コミの飽和点。そのタイミングでマスに打ち出すんです。
――ネットとマスメディア、両面作戦的なプロモーションが有効な気もしますが、そうじゃないんですね。
 アーリーアダプターとフォロワーを分けた打ち出しが必要なんですよ。ブログで取り上げてくれるようなインフルエンサー、アーリーアダプターは、常に先頭にいたいんです。情報を一斉に流したら、アーリーアダプターからフォロワーへと情報が流れなくなってしまいます。
 ネット内でもそう。やはり、二次効果、三次効果で盛り上げてもらうのがバイラルCMの狙いですから。メジャーなポータルサイトに「面白いCMを作りました!」なんて掲載したら、口コミは死んでしまいます。どんなに面白くて紹介しようと思っても、「みんなが知っているだろう」ネタはなかなか取り上げづらいでしょう。「自分だけが知ってるCM」をどう面白く取り上げて、反響を呼ぶか。そこがブロガーのポイントですからね。

 確かに、少し古い話題だと「なにを今さら」と書き始めているブロガーが多いです。そんな「今さら感」トーンを調べることも口コミの広め方では重要ということです。

 関連した話ですが、私が作成/更新している「eビジネス/eコマースの動向と技術」の中のCGMのページを本日、約3ヶ月ぶりに更新しました。CGMに関する動きが早いので、今回は数割位、内容を追加しました。「消費者行動(クチコミやネットの利用)」、「CGMマーケティング事例」、「口コミ効果の測定・口コミマーケティング手法」、「CGCM (消費者作成コマーシャル)」という項目を追加しましたし、既存の項目でもかなり内容を追加しました。

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