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July 06, 2007

東京都民銀行が三菱東京UFJ銀行を特許侵害で提訴

 今週月曜(7/2)、東京都民銀行が三菱東京UFJ銀行をビジネス方法特許(ビジネスモデル特許)侵害で提訴したことが明らかになりました。朝日新聞や読売新聞で報じられました。前給という給料前払いサービスで実施されている仕組みの特許を侵害されたとのこと。

 2005年12月に、このブログの金融関連のビジネス方法特許(2)で取り上げましたように、2005年6月に特許登録された東京都民銀行の「給与支払いシステム」(特許第3685788号) という特許は、前払いといっても、既に働いた分を給料日より前に払うというもの。特許明細の内容を分かりやすくまとめてみると、次のような感じ。

労働者が雇用者に対して労働を提供すると、労働の対価としての給与が日々発生し蓄積されていく。銀行コンピュータの記憶装置が記憶する給与データ管理ファイルには労働データに基づき順次算出された労働者の任意タイミングにおける累計給与データ及び労働者に資金交付された金額データが格納されている。給与日前に労働者から資金が要求されると、労働者の累計給与データで特定される累計給与額のうち未だ資金交付されていない残余の給与金額を抽出し、その資金の金額と残余の給与金額とを大小比較し、給与金額の範囲内である場合には、労働者の口座に対してその資金の金額を振込処理を実行するとともに、雇用者の口座に対してその資金の金額の引落処理を実行。

 その後、分割出願(つまり同じ内容の明細書で違う請求項)の特許が2006年9月に登録されました。(特許第3857279号)

 三菱東京UFJは同じような従業員への前払い代行サービス(仮払いASPサービス)のSOッCA(ソッカ)を提供していて、東京都民銀行はそれが自分の特許を侵害しているとして提訴しました。

 東京都民銀行の特許の請求項を見ると、前払い代行サービスで基本的な仕組みを権利化しているようにも見えます。訴えたくなる気持ちは分からなくもないです。しかし、請求項の文章は長い(侵害を問うのに多くの構成が必要)ので、どこかで回避できるかもしれません。例えば、働いた分よりも多く支払うことができるようにすれば回避できるでしょう(この回避方法はまずいかも)。

 朝日新聞によると、損害賠償だけでなく使用差し止めも求めているとのこと。きっとビジネス的にバッテングすることが多いのでしょう。それで、何とか特許の優位性を活かしたいのだと思います。

 銀行関連のビジネス方法特許は、いろいろと成立しています。これからも、訴訟などがありえます。

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Comments

地銀の意地です。

Posted by: あ | October 02, 2007 at 02:18 PM

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