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July 13, 2007

小林製薬のイノベーション

 日経BPのサイトのイノベーション解剖学という特集コーナーに、今週、NRIの齊藤義明さんによるイノベーションには「情熱の循環」が必要だというコラムが載りました。このコラムでは、メドトロニックと小林製薬のイノベーションへの取組み(情熱)が取り上げられています。私も、小林製薬のイノベーションには注目していたので、いろいろと調べて読んでいましたが、このコラムの中の「ごんたの10箇条」(小林製薬が愛でる人材像) は知りませんでした。やんちゃな子供を意味する「ごんた」を持ち出して、組織文化の醸成を狙っているようです。
 
 もともと小林製薬は、「小さな池で大きな魚を釣る」というニッチを狙ったマーケティングをする会社で有名でした。ユニークな新製品を次々に開発して、一時は、売上高に占める発売1年以内の新製品の比率が15%まで達しましたが、この3年は目標の10%に届かない状態が続いています。2004年に社長に就任した小林豊社長が、組織改革や新たな制度を導入して、活性化を図っています。優れたイノベーションに対して社長からその貢献内容を称える「ホメホメメール」や、提案の多かった人をフランス料理のフルコースに招待するといった試みもしているとのことです。

 小林製薬は、社員全員による消費者目線の提案で、“あったらいいな”をカタチにするような商品開発を志向している会社です。テクノロジープッシュでなく、デマンドプル/マーケットインの戦略です。マーケティングセンスを持った研究員の育成をしているような会社です。そのような方針の会社で、情熱的というよりも、トップが社員を乗せて、楽しくイノベーションするサイクルができているように感じます。

 日経ビジネス 2007年01月29日号「小林製薬“ドロドロ開発”で原点回帰」によると、「ドロドロ開発」と名付けられた組織横断的な会議で、新商品開発の議論をするとのこと。2001年頃から、大企業病が目立つようになり、何となく社員がスマートになって、かつてのドロドロとした現場の雰囲気が失われつつあったため、現場の活性化のために「ドロドロ」とした場を設けようとしたとのことです。関西の会社だけに、「ドロドロ」を楽しんでいるようにも思えます。「“あったらいいな”をカタチにする」という宣言の中で、5つの目指す会社像の中に「おもしろい会社」があります。これも関西企業らしいです。

 また、同社人事部長の藤城克也氏へのインタビュー記事によると、提案制度には「アイデア提案」「改善提案」の他、「青い鳥カード」というのもあるようです。改善の取り組みを自己申告し、ベストプラクティスを共有するためのものとのこと。また、ブランドを高める活動として、「コーポレートブランドチャンピオン大会」という企画で、コーポレートブランドを向上させたグループ企業を表彰しているようです。いろいろと社員を乗せる工夫をしています。

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