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May 10, 2007

IBMの特許ポートフォリオをAmazonが評価して特許侵害訴訟和解/クロスライセンス締結

 Amazon.comとIBMが、EC関連の特許侵害訴訟で和解し、クロスライセンスを結んだことが、Internet Watchや、CNETなどで報じられました。

 IBMのリリース文によると、

Scott Hayden, Amazon’s VP of Intellectual Property, said: “IBM’s patent portfolio is the largest and strongest in the IT industry. Our license to its portfolio, and specifically to its Web technology patents, gives us greater freedom to innovate for our customers.”

 この特許侵害訴訟和解/クロスライセンスでは、次の3点がポイントだと感じました。

[ポイント1] 
 AmazonがIBMの特許ポートフォリオを評価(「IT業界で最大で最強」と表現)したことが和解につながっているようです。なお、このリリース文を和訳した記事のほとんどが、patent portfolioを「特許群」と訳しています。しかし、IBMはEC関連の特許を単に寄せ集めたのでなく、「ポートフォリオ」のように組み合わせて「資産化」しているのです。この辺りがIBMのすごいところです。

[ポイント2]
 Amazonは、最終的には「顧客」のために自らが革新(innovate)する自由を選んだということ。やはり、Amazonの「顧客指向」という企業姿勢から、IBMの特許を回避するためにEC機能をレベルダウンするなどして顧客に不自由をかけることを避けるために、泣く泣く判断したのでしょう。

[ポイント3]
 IBMとしては、金額よりもAmazonと和解したことを公表できたことで、その他のネット会社との交渉もやりやすくなるはずです。

 Amazonは技術に熱心なこともあり、このような積極的な判断ができたのだと思います。

[追記]
 ところで、4/30に米連邦最高裁、特許の「自明性」を判定する法的基準の緩和を命じるという判決をした(CNET)と、ニュースで報じられました。一般に、「KSR事件」と呼ばれる裁判の判決が出たのです。この判決により、米国でも、特許成立のための「自明性」(日本では進歩性と呼ばれる) の判断が厳しくなると考えられます。弁理士の方々や米国へ特許出願している企業にとっては、大きなニュースです。しかし、もともと日本では、米国よりも進歩性の判断が厳しかったので、日本への直接的な影響はないでしょう。「KSR事件」でブログ検索すると、KSR事件に関する弁理士等の方々のブログを多く見つけられます。

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