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April 29, 2007

マーチャント@amazon.co.jp により他の商品カテゴリーでもロングテール対応

 Amazon.co.jpの「法人向け出店型新サービス」(サイト内に別の小売業者が出店)のマーチャント@amazon.co.jpが、24日に始まりました。ITmediaの記事が詳しいです。米国では既に2002年に開始し、ドイツと英国でも昨年から始めていましたし、月刊ネット販売2006年9月号の記事で「開始に向けて着々と構築中」とのことでしたので、やっと始まったという感じです。

 アマゾンはリリースの中で、「ワンストップで購入可能な品揃えが大幅に拡大し、お客様の利便性もさらに高まります。また、商品カテゴリーにおいては、まだ取り扱いのないカテゴリーまで将来的に広げてまいります。 」と述べています。私の感想としては、アマゾンは、ロングテールへ対応するために、とても着実な手段を取っていると思います。自分がカバーできる商品カテゴリーでは、e託販売サービスなどによってロングテールに対応しています。「マーチャント@amazon.co.jp」では、アマゾンがカバーできない商品カテゴリーについて、品揃えが豊富な(ロングテール可能)な出店企業をアマゾン側で選んで出店してもらい、さらに、アマゾンのレコメンド機能も使えるようにして、ロングテールな商品カテゴリーを広げているのです。楽天のように、とにかく出店企業を増やすことでロングテールにもってゆこうという姿勢とは異なります。鈴木貴博氏が、「ロングテール」と呼ぶにはあなたのテールは短すぎるというコラムの中で、馬鹿みたいに長いテールがつくれる者だけに、「ロングテールの神様は微笑んでいる」ということなのである、と述べているように、長いテールを作ることのできる企業は限られるのです。ですので、アマゾンのやり方は効果的だと思います。

 今後は、ネット上のモールの競争激化が予想されます。楽天などのモールでは、出店企業の多さを武器にして、ロングテールをアピールするべきです。例えば、「珍品」や「レア物」を集めたコーナー(ページ)を設けるなどして、品揃えの多い出店企業をより表に出し、利用者にはロングテールを探索・実感できるようにするのがいいでしょう。

 ところで、私は、19日から26日まで北里大学病院に入院していました。病気は、だいたい完治したようです。6A病棟の看護師さんの、北村さん、露木さん、鈴木さん、高橋さん、大島さん(♂)ほか、お世話になり、ありがとうございました。また、入院中、am/pm北里大学病院店で、ケータイクレジットのiDが使えたのは助かりました。入院中は、あまり現金を持っていないので、携帯電話でクレジット払いできるのは便利でした。ケータイクレジットのありがたみを初めて実感しました。

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April 18, 2007

米国のユタ州で検索広告規制法が施行(電子商標登録所の設置)

 あまり話題になっていませんが、米国のユタ州で検索広告規制法が施行された、というニュースが先週報じられました。ユタ州の新しい法律では、ライバル企業の社名や製品名に関連した検索広告を表示することが禁止され、Googleはこの法律に異議を唱えている、とのこと。ユーザーがある企業の社名や製品名を検索した時に、その競合企業がユーザーの注意を引くことを防ぐための電子商標登録所が設置されるというもの。

 1年ほど前のエントリーにも書きましたが、検索連動型広告での商標に対する扱いが問題になっています。パテントサロンのトピックスに、関連するニュースがまとまっています。

 先週のニュースの中で、ユタ州の検索広告規制法に反対する側からは、次のような理由があがっています。
 ・比較広告から恩恵を得られる消費者に害をもたらす。
 ・消費者は検索している会社以外の企業が提供している、もっとお得な類似の製品を見つけられないかもしれない。

 しかし、そのような理由よりも、他社の商標で検索する利用者を巧みに自社のサイトに誘導しようとする手口を許さないほうがいいと、私は思います。

 ところで、病気治療のため、今月末位までブログの更新ができそうにありません。ブログへのコメントへのリプライやeメールへのご返事もできないかもしれません。ご了承願います。

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April 15, 2007

GoogleはDC買収により革新的な広告商品や広告配信・管理ツールを生み出すことができるか

 4月13日、GoogleはDoubleClickの買収で合意に達したと発表しました。ITmediaCNETFujiSankei Business iなどで報じらています。

 この買収は、検索連動型/コンテンツ連動型広告とバナー広告とを両方出稿できる会社になるということよりも、ターゲティングや広告効果測定の面で、両者のサービスの有機的に組み合わせることができるようになるという意味のほうが大きいでしょう。Googleは、どんな検索キーワードが出稿されて検索されているかをリアルタイムに分かるだけでなく、この瞬間に、どんな動画が人々の興味を引いているかや、どんなバナー広告(製品)が関心を持たれているかまでも分かるようになるわけです。

 Googleのこの買収が成功するかは、上記のような情報を使って、検索連動型/コンテンツ連動型広告とバナー広告とを有機的に組み合わせた革新的な広告商品や広告配信・管理ツールを生み出して、広告代理店や広告主に提供することができるかに依るでしょう。

 ところで、日本のダブルクリックは、バナー広告(DART)・メール広告だけでなく、携帯電話へのキャンペーンなどの統合型モバイルマーケティングツールのMobileMKを2005年から始めていて、先月、ネクスウェイから携帯マーケティングASPサービスMO-ON(ムーン)事業の獲得を発表しています。こちらの事業も伸ばしてゆく方針のようです。Googleのサービスの一部になるのかもしれません。

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April 14, 2007

クチコミマーケティングサービスの広がり(女性向け、モバイル向けなど)

 利用者のブログ等に企業の商品情報やその評価情報を載せてもらうことで、クチコミで広めるマーケティング(バズマーケティングともいう)のサービスが広まっています。これまで発表されたサービスは、私のホームページにまとめていますが、今月になっていろいろと新サービスが発表されました。ただし、ウォークマンブログ事件など、露骨な「やらせ」はブログ炎上につながりますし、ミスキャンブログ事件のようにお金による報酬が疑われるだけでも炎上になることがありますので、クチコミマーケティングサービス提供企業はいろいろと工夫しています。

 サイバーエージェントは、企業が個人ブロガーに対して、新商品などについての記事掲載を直接依頼できるサービスAmebaPRを4月中旬に始めると発表しました。また、サイバーエージェントはブルーカレント・ジャパンとともにアメブロ・インフルエンサー・プログラムも始めました。(日経MJ2007/4/16によるとこの2つは別ものとのことなので、後で追加しました。)このサービスでは、企業の商品やサービスのブログ記事を書くことにより、ブロガー「クチコミ番付」にランキングされ、「クチコミ力士」の昇格やキャラクターを成長させたりできるというもの。それぞれの商品/サービスについての金銭的な報酬は発生しないですが、番付が幕下・十両・幕内と上がるにつれて「Ameba」オリジナルグッズを獲得できるようにする仕組みで、ブロガーにインセンティブを与えています。

 モバイルファクトリーによる体験型クチコミプロモーションサービス TRY TRENDのように、金銭的な報酬でなく、試供品を提供することで評価してくれるブロガーを集めようとするところもあります。

 クチコミマーケティングサービスでは、女性を主な対象とするものがいろいろと現れています。インフォプラントによる「口コミ」に関する生活者調査で、 「良いと思った商品やサービスがあったとき、あなた自身は誰かに伝えたいと思いますか?」の問いに、「伝える」と答えたのは、男性32.8%、女性54.2%と男女差が出ています。そのように女性のほうがクチコミに熱心ということから、女性を主な対象としたサービスが出てきたのでしょう。
 サイバー・バズとハー・ストーリィによる、主婦層を対象にオンラインとリアルの双方向クチコミ相乗効果を狙うMamaBuzzが、今週始まりました。また、デアトレという女性の口コミを狙ったマーケティングサービスも、今月から始まりました。Business iの記事によると、デアトレの登録者の中でも情報発信力が特に高いと認められた人は、表参道の「サロン」の利用が可能になる、とのことです。このサービスでも、金銭的な報酬ではなく、別な形のインセンティブを与えています。
 先月、ECナビによる口コミマーケティングサービスbuzzmoが始まりました。ブロガーに広告主の新商品やサービス、イベントについて情報を提供し、ブロガーが紹介記事を執筆した際に、ECナビのポイントで報酬を支払うもの。日経BPの記事によると、「このサービスでの登録ブロガーの7割が女性」とのことであり、このサービスでも主に女性を狙っています。「ECナビを閲覧する男女の比率は同じぐらいだが、実際に購入するのは女性が多い」、ということもあるのでしょう。

 モバイルブロガー向けのクチコミマーケティングサービスも始まりました。今週、アドウェイズとバジンプは、口コミマーケティングサービスBUZZIMP PRESSを、携帯電話向けブログサービス「Manblog」に導入すると発表しました。

 「やらせ」でなく、ある商品について良い評価をブログに書こうとした時に、クチコミマーケティングサービスで何かもらえるのであれば、それに乗るだけ、というような自然な使われ方が望ましいのでしょう。

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April 11, 2007

動画投稿サイトでの「ネタ視聴」とは

 佐々木俊尚さんによるニコニコ動画が示した「ネタ視聴」の新たな可能性というコラムは、いろいろと考えさせられます。

 これまで、テレビと話題との関係は、
  テレビ放映 → 身近な人の間での話題
であったため、話題に乗り遅れないように、テレビを見ようとした人もいたわけです。
 また、マクルーハンが指摘していたように、テレビは何気なく見るメディアであったわけです。

 しかし、ネット上のコミュニティが広まり動画投稿サイトができたことで、テレビに対して、次のような逆の接し方が広まってきました。
  ネットでの話題 → 動画投稿サイトでテレビ番組視聴(かつ、他の人の感想を知る) 
 教養番組などテレビからのメッセージを事前に理解した上でじっくり視聴する番組は別として、おもしろい「ネタ」を得るために、だらだらとテレビを見続けることを視聴者はしなくなってきたと思われます。ネットが使えるようになって、人々のメディア感が大きく変わったのです。メディアに対して、受身でなく、能動的な態度が普通になったわけで、テレビに対しても接し方が変わりつつあります。

 人々の関心もロングテールですし、自分の関心のある「ネタ」について、ネットでのコミュニケーションを楽しみたいという面もあります。

 テレビ局側には大きな問題が出てきました。にこにこ動画やYouTubeは、視聴者がどのような「ネタ」に関心があるかをリアルタイムで分かりますが、テレビ局側では分かりません。このままでは、視聴者の関心のことを一番知るのは動画投稿サイトになってしまうわけです。そのため、テレビ局の広告のビジネスも危うくなるかもしれません。テレビ局が動画投稿サイトを訴え続けるだけでは、根本的には解決しない問題です。いたちごっこになるだけです。

 ですので、テレビ業界は近いうちにビジネスモデルの変革を余儀無くされるでしょう。

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April 07, 2007

動画投稿サイトのもう一つの著作権問題

 動画投稿サイトへ、個人がプライベートで録画したテレビ画像が投稿されるとか、無断でCDの音楽がBGMに使われる、といった著作権問題が話題になっていますが、もう一つ音楽自体の著作権の問題があります。

 大部分のロック/ポピュラー音楽や、一部のクラシック音楽では、著作者の死後50年に達していないので、著作権が保有されています。しかし、YouTubeなどには、個人がそのような既存の音楽を演奏して市販のビデオカメラで撮影した画像が多く投稿されています。クラシック音楽でも、Samuel Barbar、Shostakovich、Sibeliusなど、まだ著作権が残っている作曲家の曲を個人(アマ演奏家)が演奏した画像を多く見つけることができます。

 AmebaVisionでは、著作権の考え方のページの中で次のような注意事項を載せています。「動画のアップロードに際しては、音楽著作物も考える必要があります。音楽の利用はその作詞者と作曲者の両者の同意を得たものでなければ使用することができません。」
 しかし、著作権が譲渡されている場合があるので、「作詞者と作曲者の両者の同意」というよりも、「著作権者の同意」のほうがいいでしょうし、JASRACが著作権を預かっている音楽ならばJASRACに申し込めばいい、というような具体的な書き方のほうがいいでしょう。なお、替え歌の場合には、著作者人格権に関わりますので、作詞者の同意が必要です。

 JASRACのサイトのインタラクティブ配信での音楽利用の契約方法では、商用と非商用で扱いが変わってきます。ここで、動画投稿サイトに投稿されたアマによる音楽演奏の動画の扱いが問題になります。投稿した個人にとっては非商用ですが、動画サイトは商用です。ですので、商用か非商用かの扱いがはっきりしません。現実的には、非商用であれば、商用よりも厳しく取り締まられることはないでしょう。しかし、前回のエントリで述べたAmebaVisionのように、レベニューシェアの仕組みによって投稿者に広告費が還元されるようになれば、投稿した個人にとっても商用になり、JASRACなどを通したインタラクティブ配信の登録が強く求められるでしょう。

 なお、JASRACのFAQにあったのですが、海外サイトで見つけた日本のアーティストの音声データにリンクを張って自分のホームページで聞けるようにするのはダメ、というのがJASRACの見解です。ですので、YouTube等のコンテンツを自分のHPやブログ内に張るのは注意すべきです。

 ところで、一昨日の夜、クラシック(室内楽)のコンサートを横浜まで聴きにいったので、聞きにいったクラシックコンサートの記録に追加しました。

[追記] (2007/9)
 7月に正式オープンしたYahoo!ビデオキャストでは、このエントリで指摘した音楽著作権の問題をクリアしようとしています。JASRACと歩み寄る動画投稿サイトという日経パソコンの記事に、その辺りが詳しく解説されています。

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