動画サイトでの視聴や投稿を増やすための様々な取り組み
YouTubeなど動画サイトが花盛りですが、単なる広告モデルのサイト運営から進化して、視聴や投稿を増やすための様々な取り組みが見られます。
まず、広告の動画を視聴すると報酬が与えられる仕組みにより、視聴を促進する試みがあります。海外では既に行われていますが、国内でも、ネットマイルがムービーマイルという新サービスを4月から開始するようです。このサービスでは、動画広告の再生中に特定の操作をすると、最後にポイントを付与する仕組みにより、「ユーザーの完全な視聴を保証できる」というもの。
米国では先週、動画サイトの大きな動きがありました。NewsとNBC Universalが、本格的な動画サイトを2007年夏に開始すると発表しました。複数のテレビネットワークと大手映画会社2社が提供するノーカットのテレビ番組、映画、映像クリップを配信するというもので、著作権処理を施したテレビ/映画の動画の充実を目指しています。もろに、YouTubeに対抗するためのサービスです。ただし、CNETの記事によると、映画や一部のテレビ番組は有償になりそうとか、アップされる素材の大半には広告が掲載される予定、とのことなので、商業主義が表に出たサービスになりそうです。
これらは、視聴を増やすことを狙った動きですが、利用者からの投稿を増やすことも不可欠でしょう。ロングテール理論では、「生産手段の民主化」によりアマチュアからの投稿が急増し、ロングテールが格段に伸びることで、「豊穣の経済」につながる、ということが指摘されています。そのような狙いで、アマチュアからの投稿を増やそうという動きがあります。
レベニュー・シェアで、投稿を増やそうという方法があります。投稿者と広告収益を分配する方法です。米国では、Revverなどが、レベニュー・シェアをしています。この辺りは、NHKの放送記念日の特集でも、紹介されていました。
日本でも、今週、AmebaVisionが投稿者に広告収益を還元するサービスを開始しました。さらなる動画投稿数の増加を狙ったサービスてす。
広告の動画を一般利用者に作ってもらおうとする試みも始まっています。今週開設されたNTTレゾナントのgoo「投稿スタジアム」は、投稿された良質な動画は、よみうりテレビで放送される、という企画ですが、リリース文によると、広告クライアントが自社商品やサービスなどをテーマとして設定することも可能、ということです。つまり、一般利用者に、広告の動画を考えてもらうというものです。
なお、CM動画の投稿者に報酬が与えられる仕組みは既にあります。エニグモによるfilmoや、ベリファームによるviCoMu(バイコミュ)などです。
というように、動画サイトにいろいろと工夫された仕組みが導入されているので、まだまだYouTube以外にもチャンスがあると思います。
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