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March 30, 2007

動画サイトでの視聴や投稿を増やすための様々な取り組み

 YouTubeなど動画サイトが花盛りですが、単なる広告モデルのサイト運営から進化して、視聴や投稿を増やすための様々な取り組みが見られます。

 まず、広告の動画を視聴すると報酬が与えられる仕組みにより、視聴を促進する試みがあります。海外では既に行われていますが、国内でも、ネットマイルがムービーマイルという新サービスを4月から開始するようです。このサービスでは、動画広告の再生中に特定の操作をすると、最後にポイントを付与する仕組みにより、「ユーザーの完全な視聴を保証できる」というもの。

 米国では先週、動画サイトの大きな動きがありました。NewsとNBC Universalが、本格的な動画サイトを2007年夏に開始すると発表しました。複数のテレビネットワークと大手映画会社2社が提供するノーカットのテレビ番組、映画、映像クリップを配信するというもので、著作権処理を施したテレビ/映画の動画の充実を目指しています。もろに、YouTubeに対抗するためのサービスです。ただし、CNETの記事によると、映画や一部のテレビ番組は有償になりそうとか、アップされる素材の大半には広告が掲載される予定、とのことなので、商業主義が表に出たサービスになりそうです。

 これらは、視聴を増やすことを狙った動きですが、利用者からの投稿を増やすことも不可欠でしょう。ロングテール理論では、「生産手段の民主化」によりアマチュアからの投稿が急増し、ロングテールが格段に伸びることで、「豊穣の経済」につながる、ということが指摘されています。そのような狙いで、アマチュアからの投稿を増やそうという動きがあります。

 レベニュー・シェアで、投稿を増やそうという方法があります。投稿者と広告収益を分配する方法です。米国では、Revverなどが、レベニュー・シェアをしています。この辺りは、NHKの放送記念日の特集でも、紹介されていました。
 日本でも、今週、AmebaVisionが投稿者に広告収益を還元するサービスを開始しました。さらなる動画投稿数の増加を狙ったサービスてす。

 広告の動画を一般利用者に作ってもらおうとする試みも始まっています。今週開設されたNTTレゾナントのgoo「投稿スタジアム」は、投稿された良質な動画は、よみうりテレビで放送される、という企画ですが、リリース文によると、広告クライアントが自社商品やサービスなどをテーマとして設定することも可能、ということです。つまり、一般利用者に、広告の動画を考えてもらうというものです。
 なお、CM動画の投稿者に報酬が与えられる仕組みは既にあります。エニグモによるfilmoや、ベリファームによるviCoMu(バイコミュ)などです。

 というように、動画サイトにいろいろと工夫された仕組みが導入されているので、まだまだYouTube以外にもチャンスがあると思います。

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March 27, 2007

ブログ名・サブタイトル・デザインの変更

 本日、ブログ名・サブタイトル・デザインを変更しました。これまでの「情報化の現状と未来」では、平凡すぎてあまりアピールできていない、と考えたためです。間もなく新年度なので、時期的にふさわしいと思い、変更することにしました。

 ブログ名の中の「波間」ですが、次のような意味です。「eビジネス」や「IT戦略」は次から次に新たな流れが生まれています。それらの流れ(波)の間に、それぞれの流れを広く把握し、大局的な観点から分析するのが、私の仕事だと思っています。そのため、「波間に」を付けました。

 また、これまでブログデザインはいろいろと変えてきましたが、ブログ名と関連付けたデザインのほうが印象に残ると考えられるので、ブログ名とブログデザインを同時に変えました。今後数年間は、海の写真を使ったこのブログデザインを変えないつもりです。

 ブログ名とサブタイトルの変更は、ブログ検索に対してのSEO(Search Engine Optimization)対策でもあります。ブログ名に「eビジネス」「IT戦略」、サブタイトル内に「ネット」「Web 2.0」「流通」「サービス」「イノベーション」「知財」を入れておくと、Yahoo!ブログ検索(最も使われているブログ検索)で、これらの語の組み合わせで検索した場合に、検索結果画面の一番上(「ブログとの一致」という検索結果項目)にリストアップされるためです。詳細は、 アウンコンサルティングによる簡単にできる「Yahoo!ブログ検索」対策という記事をご覧ください。

 サブタイトルの中の「青い海」というのは、「ブルーオーシャン(戦略)」のことを暗に示しています。ブルーオーシャン戦略とは、イノベーションによって競争のほとんどない環境へ事業展開する戦略のことです。イノベーションについて詳しい方や少しかじったことのある方にアピールしたいために、この言葉を入れました。ブログデザインに合う言葉を入れたかったという理由もあります。

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March 25, 2007

検索連動型広告での「品質」の考え方

 検索連動型広告でも、「品質」の考え方が広まってきました。広告料金を払う「顧客」は広告主の企業ですが、検索の利用者という「顧客」にとっての利便性を「品質」として重視する動きです。検索利用者の支持がなければ、検索連動型広告のビジネスも成立しないためです。

 Googleは、2005年8月に品質スコアの仕組みを導入しました。Googleは、飛び先ページの品質やクリック率などから品質スコアを求め、それを使用して各キーワードに最小入札価格を割り当てます(品質が低いほど、最小入札価格が高くなります)。渡辺隆広さんの解説によると、「MFA(Make for Adsense)サイトの排除」という狙いがあるようです。つまり、「安いコストで検索からユーザを誘導して、その広告費用よりもクリック単価の高いコンテンツ連動広告をクリックさせる」という、利用者にとって意味の無いビジネスを排除させたいためです。

 スポンサードサーチという検索連動型広告を提供しているオーバーチュア(米国ではYahooが吸収済み)でも、米国で先月に導入された新検索広告システム(Panama)で「品質インデックス」という5段階の指標を取り入れました。こちらも、飛び先ページ(ランディングページ)の品質などを評価します。ただし、こちらは、最小入札価格を上下させるのでなく、品質インデックスにより掲載順位を変動させます。式で表すと、
   入札価格×品質インデックス = 掲載スコア
 詳細は、Webマーケティングガイドのサイトのコラム新オーバーチュア「Panama(パナマ)」の実態や、米ヤフー 広告プラットフォーム兼製品担当上席副社長へのインタビュー月刊アスキー 4月号オーバーチュア代表取締役 副社長 竹尾直章氏へのインタビューの中などで解説されています。なお、日本での品質インデックスの導入は5~6月になる予定とのこと。

 私の感想としては、Googleのように品質に応じて最小入札価格を変動させる方法は、経済学的にMFAサイトを排除するのに有効かもしれませんが、品質の評価は検索サイトの物差しで行われるため、不満を感じる広告主が少なくないでしょう。オーバーチュアの仕組みは、検索の利用者にとって望ましいですし、広告主にとっても納得しやすいと思います。

 なお、このような検索連動型広告での品質対応により、広告出稿の仕方でも対応が要るのかも知れません。アイレップによるコラムリスティング広告の運用におけるロングテール依存への警鐘の中では、「スモールキーワードからの誘導機会が減少してしまう可能性」が指摘されています。

 また、検索連動型広告における「品質」評価において、商標などの知的財産の考慮も必要ではないか、と感じます。これから問題になるかもしれません。

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March 20, 2007

昨日は本キャンパスの卒業式でした

 昨日は、本キャンパスの卒業式でした。このキャンパスは、3月には静かになるのですが、この卒業式の日だけはとてもにぎやかです。

 私の研究室の4年のゼミ生13名は、めでたく卒業しました。昨日は、ゼミ生と長い時間は話せませんでしたが、研究室に集まってくれたので歓談できました。ほとんどのゼミ生と一緒に写真に写りましたが、最近は、ほぼ全ての学生がデジカメを持ってくるので、私は自分では写真を撮りませんでした。学生から写真をメールでもらう予定です。(早速、今日、岩崎さんが写真をメールしてくれました。)

 本日、研究室で昨日卒業したゼミ生の卒論指導の資料などを整理しました。保管しておく大事な資料を選びました。そのように資料整理をしていて、「もう少し厳しく指導すればよかったかな」などと考えてしまいました。やはり、目標をなるべく高く置いてあげたほうが、進歩しますし、達成感もあります。しかし、挫折してしまう学生が出てくると、悲しませることになります。難しいところです。

 これまでの経験からして、4年生のゼミ生が卒業してしまうと、その後に会うのは数割程度です。寂しくなります。毎年4~5月には、3月に卒業したゼミ生の「幻影」をよくキャンパスで見ます。卒業したゼミ生と背格好・髪形等が似ている他の学生を遠目に見て、「あれっ、まさか」と感じてしまうのです。このように感じる教員は少なくないと思います。

 卒業したゼミ生には、「ブログを作ったらurlを教えてよ」と言っています。ブログによって、近況がよく分かりますので。

 とにもかくにも、卒業したみなさん、卒業、おめでとうございました。

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March 18, 2007

ソニーミュージックのオトフレームによるバイラルマーケティング

 ブロガーにブログ上で宣伝を行ってもらうことなどにより、ネットを使って広くクチコミで宣伝するバイラルマーケティングが流行っています。ビルコムの調査によると、企業が宣伝のためにブロガーへお金を渡す行為について 55.5%が「賛成」、 44.5%が「反対」、と賛成のほうが多くなっています。しかし、企業からお金をもらって書いている友人・知人の推薦商品(サービス)を信用するのか尋ねたところ、63.0%が「信用しない」と答えた。同様に、お金をもらって書いている知らない人のブログでは、86.7%が信用しないと回答。このように、ブロガーがお金をもらうことは許せるけれど、お金をもらっていることが分かったら、信用度が落ちるということです。

 その点、報酬やアフィリエイトがないと分かっている仕組みのほうが信用されやすいでしょう。例えば、ソニーミュージックのオトフレームは、好きなアーティストや曲を、自分のブログを見に来てくれた人達に視聴できるようにする仕組みであり、ロングテール的なバイラルマーケティングに適していると思います。日経ビジネス (2006/12/11)「タワーレコード 店もネットも売りは『死に筋』」の記事にあるように、今後のコンテンツ販売ではロングテールが重要ですので。
 今月は卒業式シーズンなので、「いきものがかり」による「卒業写真」(ユーミンやハイファイセットで有名)という曲をこのエントリーに貼り付けておきます。(ブログ左下にも、ブログパーツとしていろいろな曲を貼り付けています。)

 なお、2003年に発売されたOVER THE SKY (Yuming Internationl Cover Album)には、リタ・クーリッジが歌う英語版の「卒業写真」が収められています。こちらも私は好きです。

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March 14, 2007

クロスメディア広告(ウェブ連動テレビCM)について

 テレビCMの最後に、「○○と検索してください」というクロスメディア広告を多く見かけるようになりました。日々、クロスメディア広告を集めて解説しているクロスメディアな毎日というアウンコンサルティングのブログを見ていると、本当に多いですし、多様なキーワードで検索させてWebへ誘導していることが分かります。

 実際にどの位の割合の人達が、テレビCMからWebを検索しているかですが、3つの調査結果があります。

 まず、nikkeiBPnet NET Marketingによる「ネット連動型テレビCMへの反応度調査」があります。これは、マクロミルの協力を得て2006年10月に実施されたものです。
 ・検索誘導CMの視聴経験を尋ねたところ、60.9%が「見たことがある」と回答。
 ・「見たことがある回答者」の中で、61.1%の回答者が実際に検索したことがあると回答。これは全回答者の37.2%にあたる。

 2つ目は、インターネットコムとgooリサーチが行った調査です。
 ・51.93%が“検索させるCM”を「見たことがある」と回答。
 ・そのうち、実際に検索した人は30.97%。全体の約16%がテレビCM 経由で検索。

 3つ目は、先週水曜(2007/3/7)の日経MJに出ていた調査結果です。「続きはウェブで」とテレビCMの中で検索キーワードを提示する「ウェブ連動テレビCM」に関する調査を行ったところ。
 ・ウェブ連動テレビCM --- Web検索経験=46%、商品購入経験=18%
 ・URLを知らせるテレビCM --- Web検索経験=44%、商品購入経験=22%
 ・テレビCMを見て気になった商品を検索 --- Web検索経験=64%、商品購入経験=52%

 というように、テレビCMの中で提示された検索キーワードで検索した人の割合は、全体の 37.2%、16%、46%というように、調査によって数値は異なってきています。日経MJの調査結果に対して、「マーケティング・リサーチの寺子屋」ブログのowlさんから調査対象者はかなりのネット・ヘビーユーザーという指摘があります。ですので、この「46%」は高すぎると思ったほうがいいでしょう。

 私の感想としては、1/3位としても、それでも思ったより多くの人達がテレビからウェブの検索に誘導されていると感じました。

 高くなった理由として、テレビを見ながらインターネットを使っている利用者が増えていることが上げられます。
 nikkeiBPnetでは、次のような分析があります。
 「ながら視聴」することが多い回答者の方が「検索誘導CM」を見て検索する傾向。
 「テレビを見る時は、いつも『ながら視聴』をしている」と答えた人は、検索誘導CMを見て実際に検索したことがある比率が合計73.9%。

 日経MJでも、次のような分析があります。
 テレビ視聴時間が長い層でインターネット利用時間も長い傾向がある。このような層は、・・・テレビを見ながらインターネットを使っている可能性が高い。 

 私としては、検索キーワードにしている言葉のタイプが気になります。ブランド名や企業名ではなく、消費者が関心を持ちそうな「何だ、これ」というような好奇心をそそる言葉を使っているところが多いようです。その言葉が、広告主の企業や商品とどのように結びついているかの「種明かし」を通して、企業名やブランドの浸透につながれば成功なのでしょう。商品購入までゆけば、なお、いいでしょう。

 なお、アイ・エム・プレス発行人の西村さんのブログで、5月号では「TVCMからWeb/新聞への誘導に関する特集」を組んでくれるとのことですので、楽しみにしたいと思います。
 
 なお、今週、次の2つのWebページを約3ヶ月ぶりに更新しました。(これらの分野では、最近、次々と新たなサービスが生まれているので、整理するのが大変でした。)
 ・ネット広告/ネットマーケティング(eビジネス/eコマースの動向と技術)
 ・CGM(eビジネス/eコマースの動向と技術)

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March 10, 2007

ディズニーのサービスイノベーション

 サービスで定評のある企業に関する本として、NECフィールディング加賀屋の本に続き、今週は、ディズニーが教える お客様を感動させる最高の方法という本を読みました。ディズニー・インスティチュートが、ディズニーにおけるサービス提供の方法(主に、クオリティ・サービス・サイクルの手法)を解説した本です。

 ディズニーでは、サービスを提供するプロセスを重視したり、ゲストロジー(お客様を知り、理解する技術と科学)という考え方を用いたりしているなど、クオリティ・サービス・サイクルを科学的に検討する継続的な努力をしていることで、サービスの質の高さを維持していることが分かります。

 ちょうど今週、大阪と東京でディズニー・インスティチュート・セミナー in Japanが開かれました。この本のようなことを詳しく教えるセミナーだったようです。

 ディズニー・インスティチュート AND セミナーでブログ検索すると、上記のセミナーを受講された方々の感想が出てきます。

 この本のポイントをまとめておきます。

1章 サービスこそディズニーのすべて

マジックを生むクオリティ・サービス・サイクル --- オフステージでの共通プロセス P.13

ゲストロジー = お客様を知り、理解する技術と科学 P.19

クオリティ・サービス・サイクル  P.19-25
  4つの要素(サービステーマ、サービス基準、サービスの伝達、サービスの統合)
 サービステーマ --- 従業員全員が共有することにより、サービスを伝達する原動力となる分かりやすい意志表明。
 サービス基準 ----- サービステーマ実現のための行動指針となり、クオリティ・サービス計画の手段となる。ディズニーでは、重要な順に、安全・ゲストへの配慮・ショー・効率。
 サービスの伝達 --- 従業員(キャスト)、セット、プロセス。
 サービスの統合 --- 完全な業務システムを作り上げるために、サービスの各要素を組み合わせる。その結果、質の高い顧客経験を提供。

2章 ゲストを知ることがマジックの始まり

ゲストロジー = 市場顧客調査  P.33
 ゲストがどのような人々か、何を期待してディズニーのテーマパークにやってくるかを知るためのもの。
 ・テーマパークの入口や主要な場所で対面調査。
 ・情報収集所(リスニングポスト)で、ゲストの質問に答えたり、問題を解決したり、情報を集める。
 ・コメントカード(ゲストの意見や様子を記入し報告するもの。キャスト全員の仕事の一部)
 ・施設の利用状況の研究(交通やホテルなど)
 ・ゲストからの手紙や電子メール、フォーカスグループ。

ゲストロジーを4つの方位に展開(ゲストロジー・コンパス)--- お客様のニーズ、ウォンツ、ステレオタイプ、エモーション  P.39

ゲストロジーによって集まった情報は、クオリティ・サービス・サイクルのすべての要素をつくり、改良するために活用しなければならない。 P.36

ディズニーのサービステーマ
「わたしたちは、最上のエンターテインメントを提供することにより、すべての年代の人々のためにすべての場所で幸せを創造する」 P.43

3章 キャストが起こすディズニー・マジック

4章 感動を体感してもらう空間づくり

5章 ディズニー・マジックは入口から

プロセスを、継続的に改良をつづけていく努力(プラスする)。 P.139

プロセスを通じてサービスを伝えるには、発火点を制御することが重要。P.143

発火報告は、サービスのマジックを実現するために、解決すべき問題点。

よくある発火報告
・時間がかかりすぎる
・だれもきちんと答えてくれない
・私の場合は人と違う
・とにかく困った

待ち時間を最小にする方法 P.145
・商品とサービスの工程を最適化する
・ゲストの流れを最適化する
・列に並ぶという経験を最適化する

1999年にファストパスを導入。P.149 

アイズ&イヤーズ(目と耳) P.154
 ディズニーワールドについて、キャストひとりひとりが知っておかなければならない情報を伝達する社内誌。
 毎週、6万部が刷られ、パークで働く全キャストに配布される。
 ポケットサイズの早見表やイントラネットの利用も。

6章 魔法のサービスを実現させる

統合マトリックス --- クオリティ・サービスを分析し、向上させる手助けとなる。 P.181
 横列に、キャスト・セット・プロセス。縦列に、サービス基準。
 マトリックスのそれぞれのマス目は、サービスの瞬間。

すばらしいサービスには、3つの特徴  P.191
 ハイタッチ(人間的感触)、ハイショー(ショー的要素)、ハイテク(先端技術)

ストーリーボードの活用  P.193-196
 サービスのソリューションを策定し、実現のための計画を立てるために有効なテクニック。
 統合マトリックスから生まれたサービス・ソリューションの開発を視覚化し、整理するのにも有効。

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March 08, 2007

RETAILTECH JAPANなど

 昨日は、都内で3つのイベントを見聞きしてきました。

 午前は、品川プリンスホテルで行われた平成18年度「大学における知的財産権研究プロジェクト」研究成果報告会を聞いてきました。どんなテーマでどのような研究が行われているかを知りたかったためです。

 午後は、有明の東京ビッグサイトで開催中のRETAILTECH JAPANという展示会を見てきました。昨年はゼミ生と行きましたが、今年は一緒に行きたいというゼミ生がいなかったので、一人で行きました。今年は、ICタグ関連の展示が増えていて、ICタグが実験段階から普及し始めていることを感じました。また、次世代EDIに関する展示も、私が見た限りで5箇所ほどありました。Retail Technologyのニュースによると、次世代EDIの実証実験は3月末まで行われる予定で、大きな問題がなければ仕様が公開され、今春から実運用が始まることになる、とのこと。流通での本格的な標準EDI活用が近づいているのを感じました。

 夕方は、日本橋三越で開催中のフンデルトヴァッサー展を見てきました。抽象的な絵や版画が多いですが、色使いはとても綺麗だと感じました。抽象的ながら強いメッセージも伝わってきます。また、日本でも大阪市環境局 舞洲工場の建築デザインを手がけているとは知りませんでした。フンデルトヴァッサーについては、Wikipediaに解説があります。

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March 05, 2007

加賀屋のサービスイノベーション

 月刊AJ編集長さんから「加賀屋」というキーワードでトラックバックしていただいたので、私も加賀屋のサービスについて書きます。

 加賀屋は、石川県の和倉温泉にある老舗の旅館ですが、プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選の総合ランキングで、27年連続日本一になっているという凄い旅館です。なお、私は和倉温泉には行ったことがありますが、加賀屋には泊まっていません(宿泊料金がかなり高いので)。

 テレビ朝日の2/11の旅の香りで加賀屋の裏側へヒロシが潜入して、顧客満足度が高い秘密をレポートしていましたので、見た方も多いと思います。加賀屋では、例えば、客室係は47都道府県全ての出身者をそろえていて、なるべくお客様の出身地と同じ人を客室係につけたりして、お客様に不便を感じないようにしています。また、外国の様々な国からお客様が見えられていいように、国旗をちゃんと用意しています。そのテレビ番組では、宴会用の道具としてセーラー服まで用意していることを写していました。加賀屋では「できません」や「ありません」を言わない、とのことです。ありえないような心配りに、あの腰の低いヒロシが驚いていました。

 だいぶ前の話ですが、私は経営情報学会という学会の2002年度秋季全国大会で、加賀屋の小田会長による「おもてなしのこころ」という講演をお聞きしました。小田会長は、精神面だけでなく、「おもてなしを科学する」と言っていました。接客の裏側で、客室係を支援する仕組み(配膳システム等)・体制(カンガルーハウスという従業員の子供のための育児施設など)で従業員満足度を維持したり、評価・改善する仕組みを整えることで、継続して顧客満足度を高めることができているのです。

 加賀屋の流儀という本の中で、加賀屋の副支配人は「ホテルは足し算、旅館は引き算」と表現しています。そのため、お客様に失礼がないように、細やかな心配りで「一客入魂」の精神を徹底している加賀屋の全従業員の姿がこの本の中で描かれています。リッツカールトンやディズニーよりも本格的なCS経営を組織的に行っている、というのが私の印象です。

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March 02, 2007

プラットフォーム指向からマッシュアップ指向へ

 今年になって、マッシュアップに関するニュースが増えてきている感じです。1月には、マッシュアップ向けAPI公開として、ケンコーコムウェブサービス(β版)楽天ウェブサービスが公開されました。 先月には、オリコンがAPI公開を発表しています。

 一昨日、楽天から、楽天トラベルの施設情報API・空室検索APIなども公開されました。既に公開されているじゃらんWebサービスへの対抗ということでしょう。

 先月公開されたホスティング型のマッシュアップ開発ツールYahoo! Pipesもマッシュアップにとって大きなニュースです。マッシュアップをビジュアルに構築できるというツールにより、手軽にマッシュアップ開発が可能となりました。ただし、このツールは、各種ウェブサイトからのデータフィードを操作してコンテンツを集めるタイプのマッシュアップですので、APIを利用して開発するものよりもできることは限られそうです。

 IT業界での戦略の面から見ると、これまでの「プラットフォーム指向」(Windowsやiモード課金のようなプラットフォームを押さえることが重要)の考え方から、「マッシュアップ指向」(数多く生み出されるマッシュアップからサービスコンポーネントとして選ばれることが重要)に変わりつつあるということでしょう。その概要を図に表してみました。なお、検索サイトという新しいタイプのプラットフォームも重要ですが、ここでは表していません。
Mashup
 アフィリエイト等の利用者側のビジネスモデルがさらに浸透し、イノベーション理論でいう再発明と呼ばれる現象もあるため、マッシュアップがさらに増殖することが予測されるのです。そのため、マッシュアップからサービスコンポーネントとして選ばれることがネットでの生き残りでキーになるかもしれません。

 なお、企業向けでも「マッシュアップ」と書かれているニュースがあります。たとえば、IBMとGoogleが企業ポータルにおけるマッシュアップ支援で協力というニュースなど。しかし、企業向けについては、かなり意味が異なります。企業システムがSOA指向で開発されるようになり、自由にサービスを組み合わせることができることを言っています。企業システム向けの場合は、応答時間などのサービス品質が大きな問題(そのため有料?)ですし、マッシュアップが増殖的に生み出されるわけではないなど、一般向けのマッシュアップとは状況が異なってきます。

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