« 再発明(re-invention)を促進するマッシュアップ | Main | 崖っぷち!電子政府 »

August 01, 2006

IT業界の問題

 最近、雑誌にIT業界の問題に関する記事が多いので、ご紹介しておきます。

 週刊東洋経済2006年7月29日号の第3特集システムエンジニアが壊れるには、SE会社の3Kの実態や、実態は派遣である請負契約の多さ、「超大手元請け層」「1次・2次請け層」「永遠の下請け層」という業界構造などが示されています。「永遠の下請け層」というのは極端な表現だと思います。「下請け層」を抜け出すために切磋琢磨している企業もありますので。SE狂歌も過激ですが、当てはまる場合もあるでしょう。

 また、日経コンピュータ2006年7月10日号には、問われるIT業界の「品格」という特集記事があります。これまでにも増して、「モラル崩壊の危機」が迫っている状況が示されています。この件に関して日経コンピュータが行ったアンケートに対する自由意見を見てみると深刻さがうかがえます。

 もともと、IT業界の受注や進め方には抜本的な問題がありました。「IT産業の非常識」を語った日本ユニシス社長という記事にあるように、他の業界からきた経営者がIT業界の商慣習に違和感を感じるのも無理はありません。

 今泉さんは日本企業のユーザー部門はわがままと断定したいというご意見ですが、私は「わがまま」なことは結構なことだと思います。それが企業競争力につながれば、開発コストは回収できます。ただし、設計時に「わがまま」を要件定義としてしっかり拾いあげることができればいいのですが、それがなかなか難しいのです。IT知識と業務知識を兼ね備えた優秀なコンサルタントがプロジェクトにいればいいのですが。または、手間ですが最初にプロトタイプを作って、要件をしっかり聞き出して手戻りを防ぐのがいいでしょう。

 業界も変わりつつあります。10年前よりも、独自開発せずにパッケージを利用する企業が確実に増えています。例えば、銀行の基幹システムは、かつては各銀行で開発していましたが、最近はパッケージや共同開発が多くなりました。流通では、ガルフネットという格安のパッケージが売られていたりします。

 しかし、IT業界の構造的な問題はすぐには解決しそうにありませんので、私は、SEになろうという学生に対しては、得意分野を持ったSE会社(パッケージを持っている等)を勧めています。やはり下請け層の会社で働くのはきついですので。

 また、本日の日経産業新聞に働きやすい会社2006ランキングが載っていましたが、IT企業がかなり上位(IBM=4位、富士通=13位など)なのは不思議です。このランキングには、残業時間や過労死の有無も調査して反映するべきできしょう。

 ブログのデザインを夏らしいものに変更しました。

|

« 再発明(re-invention)を促進するマッシュアップ | Main | 崖っぷち!電子政府 »

Comments

私も下請け層で働いている一人ですが、

確かに上の人よりも仕事をしている実感があるが、

給料は確実に少ないです。

ただ、スキルとしては蓄積されていってます。

Posted by: IT業界就職-0からの転職 | September 13, 2007 at 12:23 AM

「IT業界就職-0からの転職」さん
 コメントありがとうございます。IT企業の個人個人がスキルを蓄積し、会社も何らかの得意分野を作ってパッケージを開発して自らの資産を蓄積してゆくことができれば、IT業界での仕事もやりがいのあるものになると思います。
 IT企業のトップには、そのように会社を伸ばすためのマネジメント能力が必要でしょう。

Posted by: hatakama | September 14, 2007 at 12:10 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/85591/11178501

Listed below are links to weblogs that reference IT業界の問題 :

» 当事者は「空気」なのだから、責任を負わせられない(IT投資問題-その6) [シリアルイノベーション]
IT投資とその関連事項にまつわる問題を、「情報化の現状と未来」の幡鎌さんが触れて [Read More]

Tracked on August 13, 2006 at 06:40 AM

« 再発明(re-invention)を促進するマッシュアップ | Main | 崖っぷち!電子政府 »