西松屋チェーンの「緯度作戦」
昨夜のテレビ東京のガイアの夜明けは、ファッションも鮮度が命~流行をすばやく追いかけろ~というテーマでした。その中で、スペインのアパレルブランドZARAや、10代~20代の若い女性向けのブランド 「ハニーズ」の話もおもしろかったですが、私が一番関心を持ったのは子供服の西松屋チェーンの話でした。
西松屋チェーンが今年から本格的に始めた緯度作戦とは、夏物でいうと、沖縄では3月には半そでシャツが売れ始めるため、まず、沖縄で多くの種類の半そでシャツを売り出し、その売れ行きを見て、その年の夏物商品の流行を予測する。そして売れ筋になると予測する商品だけを中国の工場に大量に追加発注する。その商品が届くまでおよそ1ヵ月であるため、本州で半袖が売れ始めるゴールデンウィークには売れ筋になりそうな商品を大量に店頭に並べることが出来る、という作戦でした。
西松屋チェーンについては、日経情報ストラテジー 2006年1月や日経MJなどの記事で、本部が全店の在庫を集中管理する方式を取ることがよく知られています。本部の在庫管理担当者が、仕入れた商品を各店舗へ割り振ったり、値下げ・店舗間移動・返品の指示を店舗に出したり、本部が棚割りまで指示するようです。そのような方式で店舗でのオペレーションを極限までローコストにしているわけです。
そのようなローコストオペレーションに加えて、緯度の差を利用して本部でいちはやく分析して全国規模で売れ筋を売ろうとすることにより、ロープライスの子供服のビジネスにかなりの競争優位をもたらすでしょう。
[追記]
日経MJ 2006.1.30 に記事がありました。2007年2月期には、売れ筋商品を早期に見極めることで、シーズン中の追加仕入れ比率を20%に引き上げ(5%→15%→20%)、販売機会ロスと在庫リスクを抑える方針。
春物衣料なら、北緯30度前後の沖縄・鹿児島・高知の30-40店舗のPOSで売れ行きを確認。秋物衣料では北海道の約20店で売れ筋を見極める、とのこと。
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