グーグルに対しての著作権や商標権の訴訟
欧米では、グーグルに対して、著作権や商標権といったコンテンツの権利関係の訴訟が相次いでいるようです。
米グラビアサイトからの画像検索に対する差し止め請求の訴えが認められるというニュースがCNET Japanにありました。一見、グーグルは悪くないようにも思えます。「1カ月あたり25ドル50セントの会費を支払って手に入れたPerfect 10の画像を勝手に自分のサイトで公開しており、それがGoogleの検索対象となっている」ことが問題視されています。これは、勝手に自分のサイトで公開した人が悪いように思えます。しかし、検索連動型広告やコンテンツ連動型広告で儲かっているグーグルへの風当たりは強いようです。このような問題が生じないようにするためには、グーグルとしては、違法に公開された画像は検索できなくしたり、サムネイルを作らないようにする、といった仕組みの追加が望ましいと思います。そのためには、例えば電子透かしのような技術を使い、検索されたくない画像へは特殊なマークを入れてもらうようにすればいいでしょう。
また、新聞社協会も著作権問題でGoogle Newsの侵害を検討中とのことです。こちらは、写真だけでなく、「記事の最初の3行を持っていく」ことも問題視しているようです。この場合には、検索結果に「最初の3行」を表示することを許可しない場合は、HTMLのヘッダかコメントに、その旨の印を付けておいてもらう、といった取り決めの追加が望ましいと思います。
商標権でも、商標登録されたキーワードの販売についての訴訟がされているようです。パテントサロンのトピックスに、それらの訴訟に関する記事がまとまっています。
グーグルは技術志向であるため、法律面には無頓着で突っ走ってしまう面があるようです。グーグルは、「我々の使命は、あらゆる情報を集めて、利用者がいつでもどこでも必要な情報にアクセスできるようにすること」と言っています。利用者にとってはありがたいことですが、コンテンツや商標を持っている人達のことも考えないといけません。
[追記]
念のため、グーグルのサイトをチェックしました。
抜粋(スニペッツ)を削除する機能はあるようです。ですので、Google Newsでもこの機能が有効であるとした場合、「記事の最初の3行」を持ってこられたくない場合には、このような機能を使えばいいでしょう。
Googleのイメージ検索からイメージを削除する方法も用意されていますが、サーバのルートのrobots.txtファイルで指定する方法なので、違法な画像が正規なサーバとは異なるところに置かれた場合には無力です。やはり、電子透かしを使ったほうがいいと思います。
[追記] (2006/4/3)
japan.internet.comの記事によると、Yahoo!Search Marketing(元Overture Services)は、 「2006年3月1日より商標登録されたキーワードへの入札を禁止するという内容のメールを、一部の広告主に対して通知し始めた」とのこと。やはり、検索サイト側でも、対策を考えているようです。
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