December 31, 2016

Amazonの凄い物流展開は「サービスの垂直統合」戦略の一環

 昨日、NHKでアマゾン “飛行船を倉庫に”米の特許取得というニュースが報じられました。米国の特許を検索したところ、Amazonの特許で飛行船(airship)が出てくるのは、Airborne fulfillment center utilizing unmanned aerial vehicles for item delivery (9,305,280)という特許だけでした。ですので、これがNHKが報じた特許のようです。今年4月に公開された特許のようですが、最近米国のメディアで話題になったため、NHK等も取り上げたのでしょう。すぐには実現されないかもしれませんが、SF的な発想で私は大好きです。

 なお、現実的には、Amazonは今年、米国で自前の空輸ネットワークを構築しました。プライムサービス専用航空貨物機が既に米国内で稼働中とのこと。ITmediaのニュースに、機体にPrimeAirと書かれた航空機AmazonOneの画像があります。今後は、プライムサービス以外にも自前の航空貨物機を利用するかもしれません。

 このようなアマゾンの物流(フルフィルメント)への力の入れ方は、「サービスの垂直統合」の戦略と説明できます。詳細は、アマゾン・コムの戦略 -サービスの垂直統合と顧客中心主義-という4年前の書き込みをご覧ください。

 それでは、よいお年を。

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December 20, 2016

ジャドマ通販研究所の県民通販大調査

 通販新聞2016/12/1号に載っていて知りましたが、ジャドマ通販研究所が今年9月に調査を行った県民通販大調査(全国47都道府県の10,000人に大調査)が公開されました。その結果がおもしろいです。1万人への調査ということで、日経のネットライフ1万人調査と匹敵する規模の調査ですので、信頼できるデータだと思います。
 その中で、スマホで通販県は?の結果が特に興味深いです。地方によって、大きく違う結果になりました。引用しますと、

主にスマホで通販を利用する「スマホで通販派」は全国平均で28.0%ですが、1位の「スマホで通販県」は沖縄で44.5%と約半数を占めました。以下、2位佐賀、3位宮崎、4位長崎と、九州・沖縄地方が上位。一方、PCをメインに利用している「PCで通販派」は全国平均で68.0%という結果になり、1位の北海道は82.7%と高い数値になりました。北海道でのスマホ派は14.8%に留まり最少の47位、逆に沖縄ではPC派が最も少なく47位の51.8%となりました。

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 この結果について、ジャドマ通販研究所は県民性研究の先生のコメントを載せて解説していて、ケンミンショーネタっぽい結論になっています。ここまで県民性で購買行動が異なるとは思いませんでしたので、おもしろいデータです。

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December 11, 2016

freee(フリー)がマネーフォワードに対して特許権侵害で差止請求訴訟(Smipsでの議論など)

 昨日(12/10)、政策研究大学院大学で行われた第184回知的財産マネジメント研究会(Smips)に出席しました。
 今回、この研究会の中の法律実務(LAP)分科会のテーマが、「FinTech関連の知的財産について、ビジネスモデル特許の今後のあり方について」というものでしたので、ビジネスモデル特許(ビジネス方法特許)に関して、特許関連の方々(特許庁・弁理士・企業内の特許実務の方)のご意見が聞けそうと思い参加しました。

 まず、議論のとっかりとして、フィンテックで特許訴訟 中小向け会計ソフト巡りという先週の日経新聞の記事を元に、クラウド会計ソフトのfreee(フリー)が、同業のマネーフォワードが自動仕訳の技術の特許を侵害したとして差し止め請求訴訟を起こしたことが報告されました。そして、その特許の請求項をチェックするなど、議論を進めました。
 そのFreeeの特許とは、会計処理装置、会計処理方法及び会計処理プログラム(特許5503795号)という特許で、私は以前から知っていました。問題になるかもしれないと思っていた特許の1つで、私のeビジネスの教科書のビジネス方法特許の章で、金融分野の特許の例としてあげていました。

 その研究会では、侵害にあたるかは微妙なのでないか、というご意見の方が多かった感じです。今回の差し止め請求は、営業的な狙い(差し止めの可能性があると利用者がマネーフォワードを使うのを躊躇するのでは)といったご意見も出ました。
 オーガナイザーの特許庁の足立昌聡さんからは、米国ではビジネスモデル特許の出願が減少傾向という点、海外サーバの場合などの域外適用の問題、この分野での均等論適用の問題などのお話をお聞きすることができました。

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November 28, 2016

「Web-POS方式」という特許による特許権侵害訴訟

 最近のビジネス方法特許(ビジネスモデル特許)からみの企業間の争いについてです。今月、ドワンゴ、FC2を提訴 動画コメント特許侵害を主張という報道がありました。動画コメント関連特許を侵害されたとして、ドワンゴがFC2などを提訴した件です。
 このようなビジネス方法特許関連での提訴はあまり多くありませんが、この数年間で4件も特許権侵害訴訟が起こされた特許について、取り上げます。それは、発明の名称が「Web-POS方式」という特許による特許権侵害訴訟です。この特許の最初の出願は1998年(特願平10-13546)ですが、分割出願により第4世代まであり、成立特許数は計6件です。

Webpos

 特許権の売買があったらしく、第3世代の特許(第4491068号)の権利者は米国の「ジーピーシー アジア パシフィック アソシエイツ インク」となっています。その特許権の専用実施権者である「株式会社ジーピーシーコリア」が、2013年に千趣会と楽天に対して特許権侵害訴訟を起こしています。
 その後、第4世代の特許(第5097246号)の権利者である日本の「Ada ZERO株式会社」が、カクヤスとアスクルを訴えて、今年、知財高裁の判決が出ています。

 これらの裁判では、特許侵害は認められていません。理由は均等論の話になり、かなり専門的ですが、なぜ特許侵害にあたらないかは、日本弁理士会が出しているパテントという月刊誌の中の解説(2 均等侵害)などをご覧ください。

 裁判を嫌がる企業も少なくないので、警告されて少ない額の特許料であれば、支払ってしまった企業もあるかもしれません。特許権はあと2年位ですので、それまではこの特許による警告や訴訟は続くかもしれません。

 なお、小生は企業から特許権侵害に関する相談を受けることがあります。担当の弁理士さんが、このような技術分野にあまり詳しくない場合など、お手伝いできるかもしれません。
 他のソフトウェア特許の判例については、河野特許事務所-ソフトウェア特許判例紹介などをご覧ください。

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November 18, 2016

イオンドットコムのオムニチャネル戦略

 先週火曜(11/8)午前、ネットショップ担当者フォーラム2016で、イオンドットコムのジェンクグロルCEOによる「イオンのオムニチャネル戦略」の講演を聞いてきました。一昨年も、別なイベントですが、イオンが進めるO2O、オムニチャネル戦略という講演を聞きましたが、その時によりもずっと、イオンがオムニチャネルに積極的な取り組んでいることがわかりました。

 イオンのECサイトは、従来はベンダーに依存してプロフィットシェアーなどしていましたが、イオンドットコムができてからは、コードを購入したり、社内開発を中心にするなどして内製化を進めているとのことです。イオンドットコムは、社員の7割がIT業界出身で、社内でDMPやリコメンドエンジンまで開発しているそうです。来年1月にはストアフロント機能が完成し、出品業者向け機能が充実するとのこと。システム連携機能も開発中とのことです。その他、物流でもグループ企業の連携を進めているようです。

 イオンが本気でオムニチャネルに取り組み始めたことがわかりました。

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October 24, 2016

ヤフーの広告商品「PRオプション」の特許が成立

 先月、ヤフー(Yahoo! JAPAN)がショッピング事業専用の広告商品「PRオプション」の特許を取得というリリース発表をしました。ヤフーは国内で、年間に数百位の特許を登録しているのに、これまであまり特許成立について発表していませんでしたので、先週発行された特許公報(特許第6009485号)を見てみました。なお、公開公報は、配信装置、配信方法および配信プログラム(特開2015-179469)です。

 PRオプションを出稿する際、料率を指定しますが、特許によると、料率で優先度を決めるのでなく、商品価格を乗じた販売促進費で優先度を決めています(それ以外にも、検索連動型特許のようにCVRやCTRなども考慮されています)。例えば、同じ商品を、A店で10000円、B店で12000円で販売していた場合、A店が料率を8%、B店が料率を7% と指定すると、料率は低いのにB店の商品のほうが優先されることになります。こんな点に気を付けたほうがいいかもしれません。
 なお、この方法はヤフーの利益を最大化するのには適しているかもしれませんが、利用者側からみると少し疑問に感じます。CVRやCTRなども考慮されるので、結果としては安い方が優先されるのかもしれませんが。

 ヤフーが特別にリリース発表した理由ですが、ショッピング事業担当の執行役員が発明者の1人になっていたためかもしれません。

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September 09, 2016

「eビジネス/eコマースの動向と技術」の更新と「Google Patents」の国内特許への対応について

 私が作成・更新しております「eビジネス/eコマースの動向と技術」というネット上の情報集ですが、次のページを今月更新しました。
 ・BtoC ビジネス
 ・ネット広告/ネットマーケティング
 ・ソーシャル・メディア(CGM、UGC)
 ・金融関連
 その他のページも、今月から来月にかけて更新の予定です。

 ところで、8月30日から、Google Patents(特許検索)の検索対象として、日本を含め世界11か国の特許関連資料が追加されました。上記の私の情報集の中には多くの特許資料へのリンクを入れています。現在は、astamuseという特許情報サイトのダイレクトリンクを使っていますが、Google Patentsのダイレクトリンクに切り換えるかもしれません。ただし、Google Patentsで日本の特許を検索すると古い特許は図が表示されないようですし、もう少し様子をみます。


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July 20, 2016

レコメンド技術に関しての無効審判

 ビジネス方法特許(ビジネスモデル特許)に関して、国内で企業間の争いが表面に出てくるのは少ないですが、特許庁の口頭審理・証拠調べ期日 審判事件 平成28年7月分のページを今日たまたま見たところ、レコメンド技術に関して、無効審判が起されていました。

 サイジニアの特許レコメンド装置、レコメンド方法、レコメンド媒体の生産方法、及びプログラム(特許第5800926号)に対して、シルバーエッグ・テクノロジーが無効審判を起こしています。両社とも、レコメンド技術/サービスを提供する企業です。この特許は、紙にレコメンド情報を印刷する仕組みであり、パーソナライズカタログのようなサービスを可能にする仕組みです。パートナー制度も発表しています。シルバーエッグ・テクノロジーも、レコメンドのそのような活用場面を狙って無効審判を起こしたと思われます。または特許侵害がらみかもしれません。

 来週月曜(7/25)に経済産業省別館の第一審判廷で、この無効審判の口頭審理があるのですが、予定が入っていて聞きにゆけません。結果がでてから、詳しく解析したいと思います。

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April 11, 2016

「戦略的な情報システムの事例集」を更新

 本日、戦略的な情報システムの事例集を、約1年ぶりに更新しました。日経BPの雑誌に載っていた事例を中心に、28事例ほど追加しました。また古い事例を97件削除しました。

 新規事例を見てみますと、クラウドがらみが多くなっています。情報分析の事例も多いです。ワークスタイル関連の事例も注目されるようになり、今回6件追加しました。

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March 30, 2016

岡村製作所のAutoStoreをニトリが採用

 以前、ロボットを活用したKiva Systemsの通販向け倉庫管理システムを紹介しましたが、今月、ニトリの物流を担うホームロジスティクスが岡村製作所のAutoStoreを採用したことが、テレビ東京のWBSなどで報道されました。Kiva Systemsも多数のロボットが棚を持って動き回りますが、AutoStoreは倉庫で品物を格納した上を多数のロボットが動き回る仕組みです。これらの仕組みは、従来の自動倉庫では対応が十分できなかったロングテール型の倉庫を自動化する仕組みといえます。通販新聞2016/3/24号によると、実際、岡村製作所のAutoStoreには、「書籍などロングテール品を扱う通販企業を中心に問い合わせが増えているようだ」とのこと。また、このシステムは、ノルウェーのハッテランド社と提携して販売しているとのこと。
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