November 28, 2016

「Web-POS方式」という特許による特許権侵害訴訟

 最近のビジネス方法特許(ビジネスモデル特許)からみの企業間の争いについてです。今月、ドワンゴ、FC2を提訴 動画コメント特許侵害を主張という報道がありました。動画コメント関連特許を侵害されたとして、ドワンゴがFC2などを提訴した件です。
 このようなビジネス方法特許関連での提訴はあまり多くありませんが、この数年間で4件も特許権侵害訴訟が起こされた特許について、取り上げます。それは、発明の名称が「Web-POS方式」という特許による特許権侵害訴訟です。この特許の最初の出願は1998年(特願平10-13546)ですが、分割出願により第4世代まであり、成立特許数は計6件です。

Webpos

 特許権の売買があったらしく、第3世代の特許(第4491068号)の権利者は米国の「ジーピーシー アジア パシフィック アソシエイツ インク」となっています。その特許権の専用実施権者である「株式会社ジーピーシーコリア」が、2013年に千趣会と楽天に対して特許権侵害訴訟を起こしています。
 その後、第4世代の特許(第5097246号)の権利者である日本の「Ada ZERO株式会社」が、カクヤスとアスクルを訴えて、今年、知財高裁の判決が出ています。

 これらの裁判では、特許侵害は認められていません。理由は均等論の話になり、かなり専門的ですが、なぜ特許侵害にあたらないかは、日本弁理士会が出しているパテントという月刊誌の中の解説(2 均等侵害)などをご覧ください。

 裁判を嫌がる企業も少なくないので、警告されて少ない額の特許料であれば、支払ってしまった企業もあるかもしれません。特許権はあと2年位ですので、それまではこの特許による警告や訴訟は続くかもしれません。

 なお、小生は企業から特許権侵害に関する相談を受けることがあります。担当の弁理士さんが、このような技術分野にあまり詳しくない場合など、お手伝いできるかもしれません。
 他のソフトウェア特許の判例については、河野特許事務所-ソフトウェア特許判例紹介などをご覧ください。

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November 18, 2016

イオンドットコムのオムニチャネル戦略

 先週火曜(11/8)午前、ネットショップ担当者フォーラム2016で、イオンドットコムのジェンクグロルCEOによる「イオンのオムニチャネル戦略」の講演を聞いてきました。一昨年も、別なイベントですが、イオンが進めるO2O、オムニチャネル戦略という講演を聞きましたが、その時によりもずっと、イオンがオムニチャネルに積極的な取り組んでいることがわかりました。

 イオンのECサイトは、従来はベンダーに依存してプロフィットシェアーなどしていましたが、イオンドットコムができてからは、コードを購入したり、社内開発を中心にするなどして内製化を進めているとのことです。イオンドットコムは、社員の7割がIT業界出身で、社内でDMPやリコメンドエンジンまで開発しているそうです。来年1月にはストアフロント機能が完成し、出品業者向け機能が充実するとのこと。システム連携機能も開発中とのことです。その他、物流でもグループ企業の連携を進めているようです。

 イオンが本気でオムニチャネルに取り組み始めたことがわかりました。

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October 24, 2016

ヤフーの広告商品「PRオプション」の特許が成立

 先月、ヤフー(Yahoo! JAPAN)がショッピング事業専用の広告商品「PRオプション」の特許を取得というリリース発表をしました。ヤフーは国内で、年間に数百位の特許を登録しているのに、これまであまり特許成立について発表していませんでしたので、先週発行された特許公報(特許第6009485号)を見てみました。なお、公開公報は、配信装置、配信方法および配信プログラム(特開2015-179469)です。

 PRオプションを出稿する際、料率を指定しますが、特許によると、料率で優先度を決めるのでなく、商品価格を乗じた販売促進費で優先度を決めています(それ以外にも、検索連動型特許のようにCVRやCTRなども考慮されています)。例えば、同じ商品を、A店で10000円、B店で12000円で販売していた場合、A店が料率を8%、B店が料率を7% と指定すると、料率は低いのにB店の商品のほうが優先されることになります。こんな点に気を付けたほうがいいかもしれません。
 なお、この方法はヤフーの利益を最大化するのには適しているかもしれませんが、利用者側からみると少し疑問に感じます。CVRやCTRなども考慮されるので、結果としては安い方が優先されるのかもしれませんが。

 ヤフーが特別にリリース発表した理由ですが、ショッピング事業担当の執行役員が発明者の1人になっていたためかもしれません。

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September 09, 2016

「eビジネス/eコマースの動向と技術」の更新と「Google Patents」の国内特許への対応について

 私が作成・更新しております「eビジネス/eコマースの動向と技術」というネット上の情報集ですが、次のページを今月更新しました。
 ・BtoC ビジネス
 ・ネット広告/ネットマーケティング
 ・ソーシャル・メディア(CGM、UGC)
 ・金融関連
 その他のページも、今月から来月にかけて更新の予定です。

 ところで、8月30日から、Google Patents(特許検索)の検索対象として、日本を含め世界11か国の特許関連資料が追加されました。上記の私の情報集の中には多くの特許資料へのリンクを入れています。現在は、astamuseという特許情報サイトのダイレクトリンクを使っていますが、Google Patentsのダイレクトリンクに切り換えるかもしれません。ただし、Google Patentsで日本の特許を検索すると古い特許は図が表示されないようですし、もう少し様子をみます。


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July 20, 2016

レコメンド技術に関しての無効審判

 ビジネス方法特許(ビジネスモデル特許)に関して、国内で企業間の争いが表面に出てくるのは少ないですが、特許庁の口頭審理・証拠調べ期日 審判事件 平成28年7月分のページを今日たまたま見たところ、レコメンド技術に関して、無効審判が起されていました。

 サイジニアの特許レコメンド装置、レコメンド方法、レコメンド媒体の生産方法、及びプログラム(特許第5800926号)に対して、シルバーエッグ・テクノロジーが無効審判を起こしています。両社とも、レコメンド技術/サービスを提供する企業です。この特許は、紙にレコメンド情報を印刷する仕組みであり、パーソナライズカタログのようなサービスを可能にする仕組みです。パートナー制度も発表しています。シルバーエッグ・テクノロジーも、レコメンドのそのような活用場面を狙って無効審判を起こしたと思われます。または特許侵害がらみかもしれません。

 来週月曜(7/25)に経済産業省別館の第一審判廷で、この無効審判の口頭審理があるのですが、予定が入っていて聞きにゆけません。結果がでてから、詳しく解析したいと思います。

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April 11, 2016

「戦略的な情報システムの事例集」を更新

 本日、戦略的な情報システムの事例集を、約1年ぶりに更新しました。日経BPの雑誌に載っていた事例を中心に、28事例ほど追加しました。また古い事例を97件削除しました。

 新規事例を見てみますと、クラウドがらみが多くなっています。情報分析の事例も多いです。ワークスタイル関連の事例も注目されるようになり、今回6件追加しました。

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March 30, 2016

岡村製作所のAutoStoreをニトリが採用

 以前、ロボットを活用したKiva Systemsの通販向け倉庫管理システムを紹介しましたが、今月、ニトリの物流を担うホームロジスティクスが岡村製作所のAutoStoreを採用したことが、テレビ東京のWBSなどで報道されました。Kiva Systemsも多数のロボットが棚を持って動き回りますが、AutoStoreは倉庫で品物を格納した上を多数のロボットが動き回る仕組みです。これらの仕組みは、従来の自動倉庫では対応が十分できなかったロングテール型の倉庫を自動化する仕組みといえます。通販新聞2016/3/24号によると、実際、岡村製作所のAutoStoreには、「書籍などロングテール品を扱う通販企業を中心に問い合わせが増えているようだ」とのこと。また、このシステムは、ノルウェーのハッテランド社と提携して販売しているとのこと。
Autostore_

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March 28, 2016

「eビジネス/eコマースの動向と技術」を更新しました

 私が作成・更新しております「eビジネス/eコマースの動向と技術」というネット上の情報集ですが、テキストの改版にあわせて、次のページを今月更新しました。
 ・BtoC ビジネス
 ・ネット広告/ネットマーケティング
 ・マルチチャネル販売、OtoO、BtoBtoC
 ・物流・流通関連
 ・業種毎のeビジネス(旅行業界など)

 なお、昨年11月には、ソーシャル・メディア(CGM、UGC)金融関連BtoBのページを更新しました。

 古い情報や死んだリンクなども残っていますが、ご参考にしてもらえると幸いです。

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February 18, 2016

楽天の「ツー・ミニッツ・コール」再び

 楽天の三木谷社長は、先月の楽天新春カンファレンス2016で、レビューで低い評価をしたユーザーに対し、投稿から2分以内に同社のカスタマーサービスが電話をかけて、不満点や苦情などを聞き取るサービスを始めると述べたとのことです(通販新聞2016/2/4 より)。
 楽天市場では当初、出店企業を増やすために、出店しようか考えている企業が資料請求のボタンを押した後2分以内に、楽天側からその企業に電話をかける「ツー・ミニッツ・コール」を行っていました。そんな体育会的な方法が有効だったようです。そんな方法を、今回は利用者に対して行おうということのようです。怒っているところに電話することで、効果的に怒りをおさめることになるのかもしれません。

 なお、「レビューで低い評価をしたユーザー」というのは、特に優良顧客を選ぶのではないかと思われます。離反されると困るような顧客の批判に素早く応えるのは重要でしょう。

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February 03, 2016

「eビジネスの教科書 第六版」がでます

 小著の「eビジネスの教科書」を改版中です。1月に原稿を出版社に提出しましたので、3月か4月には第六版が出版される予定です。

 極力、最新のデータに変更しました。大きく追加したのは次のような内容です。
 ・ネットモール各社の展開、戦略(Amazon Prime、楽天ポイントカードなど)
 ・フリマアプリ
 ・ツイッター広告
 ・自社コミュニティサイトなどを活用した利用者との共創
 ・ユーチューバーが企業とタイアップ
 ・動画投稿サイトやLINEの企業による活用
 ・アリババ、TWX-21(BtoB)
 ・都心部でのスヒード配送
 ・フィンテック(FinTech)
 ・オムニチャネル(オムニセブン、キタムラのEC関与売上など)
 ・パーソナライゼーション事例、クラウドファースト
 ・ビジネス方法特許の事例(スクエア、楽天ポイントカード、寺田倉庫minikuraなど)
 ・イノベーション(ハイプ・サイクル、グーグル・楽天の組織戦略、共創戦略)

 その他、越境EC、総務省家計調査、AdTech、商品リスト広告、フードデザート問題、ネッパン協議会などにも言及しました。

 是非、ご活用ください。また、献本を希望される方はご連絡ください。

[追記](2016/3/30)
 今回の版では十分に書きなかったのは次の内容です。次版では、内容を充実させたいと思っています。
 ・金融技術 --- FinTech技術がいろいろと出始めていますが、実用化されそうかがよく分からなかったため。
 ・ビッグデータ/機械学習/IoT --- 事例から説明したほうがいいですが、まだ事例を選びきれなかったため。

[追記](2016/2/18)
 本日の日経新聞の1面に、出版社がこの小著の広告を出してくれました。ありがたい限りです。なお、広告にありますように、フィンテックとマイナンバーのことを追加したのは確かです。しかし、それらについての記述はあまり多くありません。すみません。


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